津田健次郎がTikTokに動画削除求めて訴訟。声が酷似のAIナレーション動画巡り裁判に発展。

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津田健次郎

俳優・声優の“ツダケン”こと津田健次郎さん(54)が、自身の声を模した動画が生成AIで作成され、無断で公開されているとして、TikTokの運営会社に対して裁判を起こしたことが分かりました。

“低音イケメンボイス”で人気の津田健次郎さんは、アニメ『ゴールデンカムイ』の尾形百之助役、『呪術廻戦』の七海建人役、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の海馬瀬人役などで知られ、今年4月までは『情報7daysニュースキャスター』(TBS系)のナレーションを担当するなど、声優としても幅広く活躍しています。

津田健次郎さんの朗読動画

そんな津田健次郎さんの音声を生成AIで再現した動画をTikTokで公開し、収益を得ているアカウントがあり、津田さんは「パブリシティ権」(著名人の名前・肖像が持つ、顧客吸引力を独占的に利用できる権利)の侵害などを理由に、TikTokに対して動画の削除を求めて訴訟を起こしたとのことです。

訴状によると、問題のアカウントは2024年7月~2025年9月にかけて、津田健次郎さん風のAIナレーション付きの都市伝説や雑学動画などを計188本公開し、月50万~75万円ほどの収益を得ていたとしています。

これは津田健次郎さんのパブリシティ権を侵害するものだとして、津田さん側は昨年11月に、TikTokの運営会社に動画の削除を求めて訴訟を起こしました

これまでに非公開で争点整理手続が行われ、TikTokの運営側は「動画のナレーションは“普遍的な男性の声”で、パブリシティ権は侵害していない」と主張し、それによって津田健次郎さんの声とは混同せず、他社の勝手な模倣や秘密情報を盗む行為を禁止する「不正競争防止法」の違反にはあたらないとしています。

作成した動画に寄せられているコメントの多くは、動画に対する感想や見解を記したもので、多くの視聴者は動画の声に惹きつけられているのではなく、動画の内容に魅力を感じているとして、パブリシティ権侵害にはあたらないと主張しています。

津田健次郎さんの代理人・平野敬弁護士は『読売新聞』の取材に対して、「無断生成が放置されると声優業界の発展が妨げられかねない。勝訴することで違法の範囲を明確にし、声優らの権利行使を後押ししたい」と語っています。

一方、TikTokを運営する『ByteDance(バイトダンス)』の日本法人『Bytedance株式会社』は、「訴訟の中で適切に対応しており、コメントは差し控える」としています。

津田健次郎さん風のAIナレーション付き動画を公開しているのは、「八海(ヤミー)」などの名前で活動している人物とみられます。

八海さんはTikTok以外にも、YouTube(すでに削除済み)やインスタグラムでも複数の動画を公開しています。

TikTokのメインアカウントのフォロワー数は22万人超えで、削除前のYouTubeのメインチャンネルの登録者数は約3万人、インスタグラムのフォロワー数は1.2万人となっています。

八海さんは自身が作成している動画のナレーションについて、「津田健次郎さんの声を無断に使用して学習させたのではなく声真似が上手い友人の声を学習させたデータを使用しています」と記載しています。

<↓の画像は、友人の声を使用しているとの記載>
津田健次郎AI風ナレーション動画公開のユーザー八海の注意書き

note(すでに削除済み)ではTikTokの収益を公開し、2024年7月から動画投稿をスタートさせ、翌月にはフォロワーが1万人を突破して収益化が始まり、昨年2月時点で収益は月50~75万円ほどと明かしています。

noteでは収益の他に、AIで声質を別人に変換できるツール『RVC』を使い、音声変換する方法についても公開していたようですが、そのページはアーカイブがなく内容を確認できませんでした。

いずれにせよ、八海さんは津田健次郎さんの声を使用しておらず、声マネが上手い友人の声を学習させ、動画を作成しているとのことで、これがもし事実だった場合に、権利侵害などは認められるのか否か気になるところです。

『読売新聞』によると、津田健次郎さんは昨年6月から対応に動き、TikTok運営会社に動画投稿者の情報開示を求めて東京地方裁判所に発信者情報開示請求を行い、昨年8月に権利侵害を認めてTikTok側に情報開示を命じ、昨年2月時点での接続記録を開示したそうです。

それをもとに津田健次郎さん側は、プロバイダー(ネット接続業者)に問い合わせるも接続記録の保存期間が過ぎており、どこの誰が動画を投稿しているのか特定できなかったといいます。

それを受けて、津田健次郎さん側は動画投稿者を特定して法的措置を講じるのではなく、TikTok運営会社に動画削除を求めて裁判を起こしたとのことです。

不正競争防止法は「類似のものを使用し、混同を生じさせる行為」にも適用され、経済産業省は音声に関しても対処可能という見解を示しています。

そのため、津田健次郎さん側は動画に寄せられた「ツダケンの声がする」というコメントや、動画で使用しているAI音声と津田さんの声を分析し、高い類似性があるという結果をもとに、不正競争防止法違反にあたるとして裁判で争っていくとしています。

一方でTikTok側は、「同様の声質を持つ人は数多く、投稿者が『友人の声だ』と別のサイトで説明している」とし、パブリシティ権侵害に関しても、AIナレーションではなく動画の内容でユーザーを引きつけていると主張しており、徹底的に争う姿勢を見せています。

都市伝説や雑学、世界の衝撃映像などを扱ったショート動画は、TikTokやYouTubeなどで無数に存在する中で、津田健次郎さん風のAIナレーションを使った動画は他と差別化し、ユーザーを引きつける大きな要因となっているように思います。

そのため、パブリシティ権侵害や不正競争防止法違反にあたると、裁判所が判断する可能性は十分あるとみられますが、どのような判決が下されるのかに注目したいところです。

参照元
  • https://www.yomiuri.co.jp/national/20260522-GYT1T00290/
  • https://www.yomiuri.co.jp/national/20260522-GYT1T00295/
  • https://www.sankei.com/article/20260523-CTHDV7WXIJNQNF663HZG32CZII/
  • https://lit.link/yami82yami
  • https://archive.is/188gh
2件のコメント↓コメント投稿
  1. 1
    匿名
    ID:N2FmNTg1ZT

    裁判やらなきゃ止められないとなると際限ないな……

  2. 2
    匿名
    ID:MjRhZWI0OW

    母体が中国だからなあ

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