大相撲春場所13日目の取り組みで、頭部を強打し救急搬送された『境川部屋』の三段目・響龍さん(ひびきりゅう 本名=天野光稀)が、「急性呼吸不全」で28日に急死したことを『日本相撲協会』が発表しました。28歳でした。
響龍さんは3月26日に、三段目・今福さん(本名=今福順也 30歳)にすくい投げを受けた際に、頭から土俵に落ちました。
響龍さんは頭を強く打ち、その時点で意識はありましたが、うつ伏せ状態のまま動けなくなり、倒れてから約1分後に呼出しが3人がかりで仰向けの状態にしました。
そして、倒れてから約5分後に医者が土俵に到着、担架に乗せられて病院へ救急搬送されました。
<↓の画像は、仰向けにされ担架に乗せられた響龍さんの写真>
中継していたNHKの解説では、「話すことはできるが首から下が動かない。意識はある。救急車が到着し病院に向かう」などと状態を説明していました。
響龍さんは搬送された際に、体のしびれを訴えていたそうですが、『日刊スポーツ』が関係者に話を聞いたところ、入院後にマヒしていた体が徐々に動くようになったものの、28日に容体が急変し、急性呼吸不全で亡くなったそうです。
入院後は寝たきりの状態が続き、肺血栓も患っていたといいます。
『日本相撲協会』の八角信芳理事長は、「この度の訃報に接し、協会員一同、心より哀悼の意を表します。ご遺族の皆様方のご傷心を察しますと、お慰めの言葉も見つかりません。私自身、突然の訃報に、ただただ驚き、茫然としております。1ヶ月以上にわたる闘病生活、さぞ辛かったと思いますが、ご家族や師匠らの懸命の看病のもと、力士らしく、粘り強く耐え、病魔と闘ってくれました。今はただ、安らかに眠って欲しいと願っております。懸命の治療を施してくださった医療関係者の皆様には故人に代わり、深く感謝申し上げます」
とのコメントを発表しています。
そして、響龍さんの訃報を受けてネット上では、
- あの時の状況的に協会の手際の悪さが招いた結果ではないだろうか。回復傾向だったのに容態の急変で若くして亡くなるとは。御冥福をお祈りします。
- 土俵上で倒れて動けない中、相手の力士が行司から勝ち名乗りを受けている光景が、あまり異様だったのが印象に残ってる
- 勝ち名乗りを優先したり、何人かでひっくり返したりしてるのを見て、異様だった。
たら、れば…を言ってもしょうがないけど、今後のためにも協会には改めてもらいたい。 - 頭から落ちた場合は、すぐに医師と共に担架で運ぶというふうにするべき。脳へのダメージはその時は良くても後で容態が急変する可能性がある。
- 相撲の世界はやっぱり異様だよ。人が倒れているのに勝ち名乗りとか…人の命よりしきたりかい。
何年か前に人が倒れて救命のために土俵に女性が上がっても問題視するし。この団体おかしすぎる - 土俵を高くしないとか周りにマットを敷くとか対策はいくらでもできるけど、相撲協会は何かと「伝統」という口実に何も変えようとしない。
- これは人災でしょう。しきたり重視、人命軽視体質の相撲協会の責任は重い
- 肺血栓を患っていたなら、血栓が飛んで突然死に至るリスクは無いとは言えない。入院していたとしても起こり得ること。
ただ、土俵上で呼び出しがひっくり返した行為は、一般の事故なら過失致死を問われてもおかしくないでしょう。
などの声が上がっています。
取り組みを見ていた相撲ファンによれば、響龍さんが土俵上でうつ伏せのまま動けなくなっていたにも関わらず、行司はそのまま勝ち名乗りをしていたとのことで、響龍さんが亡くなったのは対応が遅かったことも、要因なのではないかとの声も多く上がっています。
響龍さんは事故発生から約1ヶ月入院し、少しずつマヒが改善するなど回復の兆しがみられたそうなので、速やかに適切な処置、対応をしなかったことによって、命を落とすことになったのかは不明です。
ただ、今後また同様のアクシデントが発生する可能性は十分あることから、土俵近くには医者を待機させるなどの対応はするべきだと思いますし、しきたりなどよりも人命を最優先として、今後二度とこうした事故が起こらないように様々な対応を協議してもらいたいです。
最後に、28歳の若さで亡くなった響龍さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。