声優・ナレーターの田中信夫さん(たなか・のぶお)が、17日に亡くなられていたことが明らかになりました。83歳でした。
田中信夫さんの訃報は、アニメ『うる星やつら』のラム、『平成教育委員会』(フジテレビ系)のナレーションなどで知られる声優・平野文さん(ひらの・ふみ 63歳)が、20日に自身のツイッター上で伝えており、「昨夜遅く声優の田中信夫さんの訃報が、それこそ飛び込んできました。平成30年10月17日明け方にご逝去なさったとのこと。私にとっては『アニメ三銃士』のリシュリュー枢機卿。ミレディ―は、通称たのぶさんの、あの渋いお声に引き上げていただかなくてはできなかった、思い出深い大役でした。深謝合掌」
と追悼しています。
<↓の画像が、平野文さんのツイート写真>
また、田中信夫さんの所属事務所『東京俳優生活協同組合(俳協)』も、スポーツ紙の取材に対して亡くなったことを明らかにしていますが、死因などについては現時点で不明です。
【追記 11/21 11時50分】
田中信夫さんは17日午前6時20分に、食道ガンで亡くなられた事がわかりました。
田中信夫さんはテレビの草創期から活躍し、これまでに洋画の吹き替えやアニメ、テレビ番組のナレーションなどを担当し、代表作は映画『コンバット!』、『スパイ大作戦』のほか、『川口浩探検隊シリーズ』、『藤岡弘、探検隊シリーズ』、『さんまのスーパーからくりテレビ』、『TVチャンピオン』などのバラエティ番組、その他に特撮ヒーロー番組のナレーションなども担当していました。
しかし、2011年ごろから少しずつ仕事をセーブしていたようで、長年担当していた『TVチャンピオン』のナレーションなどを降板していました。
そして、田中信夫さんの訃報を受けてネット上では、
- 最近素晴らしい声優さんが次々と逝去される…
- 田中さんのナレーションは、場面にはりつめた緊張感をもたらしてくれるんだ。存在感のある声だったなぁ…。
- 80代の有名人が亡くなるのは当たり前のことなんだけど、寂しいね。
- 深みのある独特の声と語り口がキャラの魅力を引き立たせただけでなく、場面の臨場感も見事なまでに演出されていた。こういう職人級の声優さんがまた一人いなくなるのは大変残念です。長きにわたり本当にお疲れ様でした…合掌
- テレ東系の超常現象特集番組でもナレーションをされていましたね。声質で得体の知れないモノの不気味さや怖さを際立てていましたよね。本当に名俳優さんの訃報が続くなぁ。確かに70歳を過ぎた方が多いので分かるんですけど、それでも寂しいです。
- OVA版『ジョジョの奇妙な冒険』のDIOがとても印象的でした。最初は違和感があったけど、子安さんのような良い意味でチンピラっぽさが残るTV版のDIOとは違い、OVAは伝奇としての威圧感や貫禄のある悪役に相応しい落ち着いた、まさに帝王DIOと言った感じが好きでした。ジョセフ(故大塚周夫さん)との追跡戦とか・・・(´;ω;`)
などのコメントが寄せられています。
8月には『サザエさん』で磯野フネ役を演じていた麻生美代子さん、『ポケットモンスター』のナレーション、オーキド博士役などを演じていた石塚運昇さん、7月には『まんが日本昔ばなし』のナレーションなどを担当の常田富士男さんなど、今年も多くの方が知っているようなベテラン声優が亡くなられています。
田中信夫さんも今年8月で83歳と高齢ですし、2011年頃から仕事をセーブしていたようなので、身体の具合があまり良くなかったのかもしれませんが、あの独特の渋い声をもう聞けないというのは残念でなりません。
いま若い声優たちがアイドル的な人気を得ていますが、田中信夫さんのようなベテラン声優には唯一無二の味わい深い魅力があり、これまで様々な作品で慣れ親しんでいただけに寂しい気持ちでいっぱいです。
田中信夫さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。