ダウンタウン・松本人志さんの性加害疑惑を巡り、吉本興業の対応にも批判の声が噴出する中で、吉本興業が運営する劇場から他事務所の芸人を締め出し始めたとの情報が飛び交っており、この“吉本鎖国”を巡ってネット上で物議を醸しています。
吉本興業が他事務所の芸人を劇場から締め出して鎖国を始めたとの情報は、複数のお笑い芸人らがSNSに投稿し騒動に発展しており、26日放送のラジオ番組『中川家 ザ・ラジオショー』(ニッポン放送)では、『中川家』の2人がこの騒動について言及しました。
番組では中川剛さんが、「吉本鎖国と言うことで宜しくお願いします。すいません、他事務所の方。本当に訳のわからない」「時代にそぐわない」
と語りました。
中川礼二さんも、「若手の劇場が、今まで交流してたけど、他事務所の芸人さんを出せないという、よく分からないお達しが」「ダメですよ、皆、仲良くやりますよ」「東京も大阪もない時代に、全体活性化していかないといけない」「ショックですね」
と語っていました。
また、吉本興業所属のピン芸人で、『R-1グランプリ2013』の王者・三浦マイルドさんは25日にXで、「本当なら愚策も愚策。吉本は業界のトップなんだから、自社の利益だけ考えるのではなく他事務所とも交流してお笑い界全体の事を考えないと。交流は双方にプラスなんだから。そういう姿勢を見せて初めて尊敬されるんでないの??」「お客さんの声に耳を傾けたら分かるよ。吉本興業 こんなトップダウンやめるべき。芸人も声あげるべき。」「吉本の芸人も、ライブ制作の社員さんも、声をあげようよ。お客さんの声に耳を傾けようよ。芸人ファーストでも師匠ファーストでもベテランファーストでもええけど、興業会社はお客さんファーストであるべきでしょ。」
などと投稿。
26日にも吉本鎖国に言及し、「自社の持ち劇場なんだから自社の芸人で回していきましょう、自社の芸人を育てましょうというのは真っ当な考え方。ただ今までライブを企画制作し、コツコツお客さんを増やしてきた芸人の汗はどうなるの?お客さんの気持ちは?ライブのファンだっているのよ。なるべく自社の芸人だけでライブを運営しましょうという努力義務で良かった。こんな急で一方的なやり方したら、そりゃ反発されますよ。今、吉本は相当厳しい目で見られてて、そんな中でもお客さんは芸人を応援して支えてくれてる。そんな時に不興を買う方針を打ち出すのもタイミングが悪すぎる。」
と、吉本興業の対応を非難しています。
現時点で吉本興業側からは正式なアナウンスは無く、他事務所の芸人を劇場から締め出す理由など、詳細は明らかになっていない状況で、ニュースサイト『J-CASTニュース』が吉本興業に問い合わせたところ、「劇場の運営に関してお答えすることはありません」との回答だったとしています。
そして、この騒動に対してネット上では、
- 松本人志の件でただでさえイメージ悪いのに、今このタイミングですること?
- 吉本の劇場なんだからええやん
- ダウンタウンの元マネージャーだった あの社長と副社長の意向ですかね?
- 吉本芸人の仕事の場が減ってるんだろうなあ
- М−1を止める布石なのだろう 関西在住だが東京のお笑いも好きなので交流がなくなるのかと思うと残念
- 吉本芸人がどこかのライブハウスで他事務所の芸人と共演するのはOKなんかな?
- 個人的には吉本の劇場に他事務所の芸人を出させなくて何が悪いの?と思うけど
- 自社設備なんだかんだOKじゃない!M-1もTHE-Wも吉本興業企画大会も吉本興業タレントオンリーで良いのでは
- ほんま今の吉本のトップはイタいとしか言いようがない。何がしたいんかわからん。関西人としてほんま恥ずかしい。
- 他事務所の人達とあのゴシップで盛り上がって欲しくないとか、情報流出を少しでも止めたいってこと?今更無駄そう
- 松本・小沢の一件でしょうな。他事務所との交流機会が増えれば、トラブルがあった場合ややこしくなるし。
などの声が上がっています。
お笑い業界で最も大きな規模の事務所である吉本興業は、関東や関西などに複数の自前の劇場を持ち、若手からベテランまで舞台に立って芸を磨く場を作り、そして他事務所の芸人もライブイベント等で度々舞台に立ち、事務所の垣根を超えて切磋琢磨しています。
昨年の『M-1グランプリ』で優勝した『令和ロマン』と準優勝の『ヤーレンズ』は、昨年からほぼ毎月のようにツーマンライブ(通称:ヤレロマ)を行い、吉本興業の劇場でもライブを行ってきました。
そうした中で突然の“吉本鎖国”情報がネット上で飛び交い、現在も情報が錯綜している状況で、吉本興業が主催のライブならば他事務所の芸人も出演OKで、個人主催はNGという情報だったり、大阪吉本と東京吉本や劇場ごとに対応が異なるといった情報も出ています。
まだハッキリとしたことが分かっていないので何とも言えませんが、吉本興業が劇場への出演に関して制限を設けたのは間違いなく、すでに他事務所の芸人が出演予定だったライブでは出演者変更が発表されています。
お笑い界を牽引する事務所がいきなり方針転換したことにより大きな混乱を招いており、そして松本人志さんの性加害疑惑騒動が物議を醸す中で、こうしたまた新たな騒動を巻き起こしたことで吉本興業への批判が殺到していますが、今後この件についてどういった対応をするのか、引き続き動向に注視していきたいです。