パーマ大佐『森のくまさん』替え歌パロディ曲に販売中止要請、著作権侵害で裁判へ? 日本語訳詞者・馬場祥弘が激怒し騒動に発展

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パーマ大佐

『太田プロダクション』所属のお笑い芸人・パーマ大佐さん(本名=國土郁音 こくど・いくと 23歳)が昨年12月7日、童謡『森のくまさん』の歌詞を改変した同タイトルの楽曲をユニバーサルミュージックよりリリースしたのですが、この楽曲をめぐってトラブルが発生していることが明らかとなりました。

原曲の英語詞を和訳した小説家・作詞家の馬場祥弘さん(72)の代理人・三木秀夫弁護士が18日に会見を行い、歌詞を無断で改変されたとして、CDとDVDの発売中止を求める通知書をパーマ大佐さん、ユニバーサルミュージックに郵送し、到着後2週間以内に誠意ある対応がみられなかった場合には、損害賠償請求や刑事告訴といった法的措置を講じると発表しました。

問題の楽曲は、馬場さんによる翻訳の間に、パーマ大佐さんによるオリジナルのBメロとサビを加えるというアレンジがされているのですが、馬場さんは改変を承認していないといい、「同一性を保持する権利が侵害された」と主張。

「著作者の意に反して、改変を受けない」と規定された著作権法上の権利侵害にあたるといいます。

さらに、歌詞カードの訳詞者として、馬場さんの名前が記載されていることについても認めていないとしています。

三木弁護士によれば、昨年11月頃に『日本音楽著作権協会(JASRAC)』の方から2回連絡があったものの、馬場さん側は改変を断ったそうです。

しかし、12月のリリース後にユニバーサルミュージックからCDが届き、これに馬場さんは驚いたそうで、馬場さん側は楽曲の製造と販売の中止、YouTube上にアップされた動画の再生停止、慰謝料として300万円も請求しています。

なお、『時事通信』によると、ユニバーサルミュージックの広報は、適切な手続きを踏まえてリリースに至ったなどと話しているとのことです。

そして、これに対してネット上では、

  • ネタとして留まっておけばいいものを…許可も曖昧なままCDとかDVDで儲けようとしたレコード会社が悪い。
  • 確実にアウトの案件だわな 。なんで作詞者との話をしてなかったのか不思議なレベル
  • 嘉門達夫が替え歌は手続きがすごく大変って言ってた。あっちにもこっちにも了解取って、お蔵入りもたくさんあるって。そうやってちゃんとしてる人もいるんだから、いきなりCD送り付けはないんじゃない?
  • 作詞したと主張している馬場祥弘は実際に作詞したかも怪しい奴だからな。よく調べもせずにこんな奴に著作権を認めてしまった関係省庁がバカすぎる。そもそも馬場は最初は作詞作曲の両方をしたと主張していた。しかし後の調査でアメリカの民謡に原曲が見つかり、馬場は作曲していないことが判明した。そうなると当然作詞をしたかも疑われるわけだが、結局そっちの権利は馬場に残ってしまった。
  • 馬場さんは一度嘘ついてますよね。作曲してないのに作曲したって。嘘つきは信用できません。嘘つきは他人に後ろ指さす権利ありません

などのコメントが寄せられています。

同曲の替え歌はパーマ大佐だけでなく、シンガーソングライターの嘉門達夫さんも過去に制作しCDにも収録されているのですが、嘉門さんは18日にブログを更新し、「著作権問題でコメントラッシュ! とても事務的で丁寧に取り組むべき問題です。パロディとしてはとても上質です。手順にミスがあったかなー。穏便に着地してもらいたいです」と綴っています。

今回のような歌詞の変更などによる騒動というのは過去にも発生しており、歌手・森進一さんが代表曲『おふくろさん』のイントロ部分に、オリジナルには無いセリフを付け加えているとして、同曲の作詞を手掛けた作詞家・川内康範さんが著作権侵害を訴え、「もう森には歌ってもらいたくない」と激怒。

その後、イントロにアレンジを加えたバージョンは歌唱禁止となりました。

また、沢田知可子さんが代表曲『会いたい』の歌詞の一部とタイトルを無断で変更したとして、作詞を手掛けた作詞家・沢ちひろさんが抗議し、アレンジバージョンが収録されたアルバムは発売中止。

さらに、著作者人格権を侵害されたなどとして、慰謝料200万円を求めて訴訟を起こすという騒動となったのですが、沢さん側が訴状を取り下げたことによって終了となりました。

今回の『森のくまさん』の件については今後どうなるかはまだ分かりませんが、馬場さんの許諾を得ずにCD・DVDのリリースに至った結果、このようなトラブルに発展してしまっており、パーマ大佐さんのイメージも悪化しかねないことから、徹底的に争うようなことはしない方がいいかもしれません。

ちなみにですが、『森のくまさん』の歌詞についてはそもそも馬場さんが翻訳したものではないという説があり、この曲はNHKの音楽番組『みんなのうた』の元プロデューサー・後藤田純生さん(2004年死去 享年77)が見つけ、作曲家・指揮者・ヴァイオリン演奏家の玉木宏樹さん(2012年死去 享年68)が編曲したもので、1972年に『みんなのうた』で初めて紹介された時には日本語作詞者については不詳とされており、「作詞・作曲:不明(アメリカ民謡)、編曲:玉木宏樹」となっていました。

その後、馬場さんが「『森のくまさん』は自身が作詞・作曲した作品である」と主張し、それが認められて「日本音楽著作権協会(JASRAC)」には「作詞・作曲:馬場祥弘」と一時期登録されていました。

玉木さんが生前更新していたサイトへの記述によると、この曲を見つけてきた後藤田さんが執念を発揮して原曲がアメリカ民謡であるという証拠を見つけ出したといい、それをJASRACに提示して認められ、「作詞・作曲:不明(アメリカ民謡)、日本語訳詞:馬場祥弘、編曲:玉木宏樹」と変更されたそうなのですが、玉木さんは日本語訳詞についても不明だと最後まで主張を続けていたとのことです。

こうした主張もあることから、今回の騒動に対してネット上では様々な声が上がっており、馬場さんに対する批判的な声も多く見受けられるのですが、果たして今後どのような展開を迎えるのか注目したいですね。

1件のコメント↓コメント投稿
  1. 1
    つっこみくいーん
    ID:OThhY2QzMD

    子供から大人まで知ってる歌にも、重すぎる裏事情があるもんだな。

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