モンゴル出身の元横綱・朝青龍さん(本名=ドルゴルスレンギーン・ダグワドルジ 37歳)が22日に自身のツイッターを更新し、小学生向け漫画雑誌『月刊コロコロコミック』(小学館)に掲載された絵に対して激怒していたのですが、さらにモンゴル大使館が公式フェイスブック上に問題の絵に対する抗議文を掲載しました。
問題となっている絵は、『月刊コロコロコミック』で連載されている吉野あすみさん原作のギャグ漫画『やりすぎ!!︎イタズラくん』のワンシーンに登場し、モンゴル帝国の初代皇帝で英雄のチンギス・ハンのイラストに対して、作品に登場するキャラクターが男性器を模した落書きをしたり、人物名の空欄を埋める部分でも「チ(ン)・(チ)ン」と記入していました。
<↓の画像が、朝青龍さんが激怒した問題のシーン>
チンギス・ハンは現在でもモンゴルの紙幣(通貨単位:トゥグルグ)に肖像が使用されるなど偉大な人物とされているため、朝青龍さんは『コロコロコミック』にこのような絵が掲載されていることを知った後にツイッターを更新し、「なー言いとけどなー!! 先祖バカにするお前ら!! 品格がない日本人!! 許せない!! 謝れ!! 謝れ!! 謝れ!! どこのゴミの会社!?」
と怒りのツイートを投稿しました。
<↓の画像が、朝青龍さんの激怒ツイート>
さらにその後も、「よっぼど中国人がましや!! あれ得ない!! 悲し涙!! 大好きな日本人がこんな風に!!」「我が国東アジアで一番の平和である国!! 日本国まりに日本と平和国ありますか? てきばっかりの国々!! なぜこんな事おかした?」(すべて原文ママ)
と激怒ツイートを連投し、モンゴル語でも駐日モンゴル大使館が謝罪を求めるべきといった内容のツイートをしていました。
ちなみに、モンゴル出身の朝青龍さんは昨年8月にモンゴルの新大統領から日本担当の外交顧問と大統領特別大使に指名されるなど、政府関係とも深い繋がりがあります。
そして、23日には駐日モンゴル大使館の公式フェイスブックが更新され、公使参事官の署名入りの抗議文(モンゴル語)を掲載しており、下記の文が抗議文の翻訳です。
「月刊コロコロコミック(3月号)で、モンゴル国の歴史と文化だけではなく、日本の政府、国民のモンゴルとの友好関係を強化し続けたいという意志までも見下すような内容の、道徳性の欠如したイラストが掲載されました。これは単なる非道徳的な行為だけではなく、わいせつ物頒布、児童の権利の保護に関する日本の法律にも違反していると考えています。したがって、このような非礼な行為を非常に残念に思い日本外務省に抗議の意を示すとともに、この件に関して法律の下での適切な対応をしていただけることを期待しています」
(翻訳・バークレーハウス語学センター)
<↓の画像が、駐日モンゴル大使館の公式フェイスブックに掲載の抗議文>
このような抗議文掲載を受けて、ニュースサイト『J-CASTニュース』が23日昼に『月刊コロコロコミック』を出版する『小学館』に取材を行ったところ、「現時点では、対応を協議中です」と回答したとのことです。
この騒動に対してネット上では、
- 書いた方も問題だけど、それにOK出した編集も大概だよね
- どういった意図でも他国の歴史、宗教は危険だよね。聖おにいさんも嫌がる欧州人いるしね。皇室が同じ扱いされたら日本人も怒る以上は、他国の偉人もこんな扱いしたらダメだよね
- 年末のガキ使、エディマーフィーはどうでも良いが、これはあかん。差別というより非礼、無礼。
- 朝青龍っていうメジャーな人間が文句つけたからニュースになるわけで、色んな著名人が他の国でネタにされることあるだろうに、なんだかなとは思うよ
- せめて国内の人物だけにしとくべきだったな
などのコメントが寄せられています。
駐日モンゴル大使館も反応したことで大きな騒動に発展してしまったため、『小学館』は今後公式サイトかどこかで謝罪コメントを発表し、問題の絵が掲載されている『月刊コロコロコミック 3月号』を回収するという展開を迎えるかもしれないですね。
ネット上に投稿された情報によれば、問題のチンギス・ハンに対する落書きは漫画内だけでなく、落書き企画も開催して読者からイラストを募っていたようなので、作者だけでなく出版社側も完全にアウトとみなされても仕方がなさそうです。
<↓の画像は、チンギス・ハンの肖像画に落書きする企画>
謝罪しただけで済めばいいのですが、大使館側は外務省に抗議の意を示すとしているので、今後さらに大きな問題へと発展してしまうのかどうか引き続き見守っていきたいですね。
【追記 2/23 20時】
『小学館』の公式サイトが更新され、サイトトップページに今回の件に対する謝罪コメントが掲載されました。
チンギス・ハンの肖像に落書きした行為を不適切な表現とし、「モンゴル国国民の皆様をはじめチンギス・ハーンを敬愛する全ての方々にご不快の念を抱かせましたことを、深くお詫び申しあげます。今後はかかる事態を起こさないよう、モンゴルの歴史・文化に関する知見を深め、一層の配慮をして参る所存です。なお2月23日、同趣旨の謝罪文を、モンゴル国のダンバダルジャー・バッチジャルガル駐日臨時代理大使に直接お渡し致しましたので、あわせてご報告致します。」
と謝罪しています。
<↓の画像が、『小学館』の公式サイト掲載の謝罪コメント全文>