芸能人もCoincheck仮想通貨流出トラブル被害、仮想通貨取引所CM出演のローラ、成海璃子、出川哲朗に悪影響も?

“ビットコイン取引高日本一”を謳っていた仮想通貨取引所『コインチェック（Coincheck）』で26日、不正アクセスによって仮想通貨「NEM（ネム）」（通貨記号：XEM）が約580億円分（5億2300万XEM）流出するトラブルが発生し、現在大きな騒動に発展しており、芸能人たちにも大きなダメージを与えています。

『コインチェック』はNEMの流出を確認後、取引所内でのNEM売買を停止し、さらに日本円や取り扱う仮想通貨（ビットコインを除く）の出金を停止するなどの対応を行い、社長らは26日夜に会見を行ったのですが、顧客への返金対応などは検討中と答えるなど、不明瞭な部分が多々ありました。

そのため顧客は不安や怒りを募らせ、『コインチェック』内の口座に入れていた日本円や仮想通貨の返金を求める声が噴出しています。

＜↓の画像は、26日に会見した『コインチェック』の代表取締役社長・和田晃一良さん、取締役・大塚雄介さんの写真＞

そうした中で、『コインチェック』は28日未明にNEMの保有者約26万人を対象に、日本円で2割減の約460億円（1XEMあたりのレート：88.549円）の返金を行っていくと発表したのですが、現時点で補償の実施開始時期は検討中とし、補償にあてる原資は自己資金を充てるとしているものの、資金状況などは明らかにされていません。

また、引き続き原因究明やセキュリティ体制の強化などを含めたサービス再開に尽力していき、「今後も事業を継続して参ります」と発表しているのですが、サービス再開のメドは立っていません。

＜↓の画像は、『コインチェック』公式サイトの写真＞

『朝日新聞』の取材に対して広報担当者は「（現金や仮想通貨の出金や取引の再開時期は）未定だ」とした上で、「機材の入れ替えに時間がかかる。原因を調べて対策を講じ、安全が確認され次第早急に再開する」と説明しています。

一方で、2017年4月から仮想通貨取引所の登録制を導入した金融庁は『コインチェック』に対し、「改正資金決済法」にもとづく行政処分（業務改善命令）を検討していることが明らかになっています。

『コインチェック』は今回流出したNEMを「ホットウォレット」と呼ばれる常時ネットワークに繋がっている状態で保管し、安全性が高いオフラインの「コールドウォレット」での保管をしていなかったほか、セキュリティ性をより高める「マルチシグ」と呼ばれる技術の対応もしておらず、セキュリティや管理体制の甘さが今回の騒動の大きな原因だと指摘されています。

＜↓の画像は、高いセキュリティをアピールしている『コインチェック』公式サイトの写真＞

金融庁は今回の騒動が発生する前から『コインチェック』に対しセキュリティ上の懸念を伝え、仮想通貨交換業者登録は「審査中」とし、同社は「みなし仮想通貨交換業者」として位置づけられた状態で運営しており、今回の騒動を受けて仮想通貨交換業者としての登録は更にハードルが高くなったとみられています。

そして、『コインチェック』のNEM流出騒動は、芸能人たちにも大きな影響を与えており、同社のCMに出演していたお笑いタレント・出川哲朗さんに対しても冗談半分ながら厳しい声が上がっており、イメージダウンが懸念されています。

＜↓の画像は、『コインチェック』CMに出演していた出川哲朗さんの写真＞

なお、28日に『コインチェック』の公式サイトから、出川哲朗さんが出演するCM動画やトップページ掲載の画像が削除されました。

また、『コインチェック』を利用しNEMの売買をしていたお笑いコンビ『藤崎マーケット』のトキさんは、「貯金を卵に例えたら5個中4個はつぎ込んだ」ことを告白しているほか、『サバンナ』の八木真澄さんも30万円相当のNEMを消失したことを明かしています。

＜↓の画像左がサバンナ・八木真澄さん、右が藤崎マーケット・トキさん＞

ちなみに、トキさんは吉本興業の先輩芸人“たむけん”ことたむらけんじさんらに相談し、昨年12月から投資を始めたそうなのですが、同様にたむけんさんからレクチャーを受け、ダウンタウン・松本人志さんらも仮想通貨に投資をしています。

芸能人たちも仮想通貨に投資を始めていることや、『コインチェック』の出川哲朗さんを含め、様々な仮想通貨取引所が芸能人を起用したCM放映（『ビットフライヤー』は成海璃子さん、『DMMビットコイン』はローラさん）を始めたこと、さらに仮想通貨が数十倍、数百倍に値上がりするなどの現象が起きていることが話題になっていることから、仮想通貨に興味を持ち始め、実際に投資を始める人が増加しています。

＜↓の画像は、仮想通貨取引所のCMイメージキャラクターを務めているローラさん、成海璃子さんの写真＞

しかし、仮想通貨は今回のような不正アクセスによる被害などによって、一瞬にして資産を失う可能性もあり、制度や法整備もまだ整っているわけではないことから、ハイリスク・ハイリターンの仮想通貨への投資は、投資の初心者や資金管理が苦手な人は安易に手を出さないほうがいいと言われています。

もし投資をする場合は最低限の知識を付けることは当然のこと、投資分を失うことも覚悟し、全て自己責任で運用をしていくことが必要とされており、今回の『コインチェック』騒動は、どういった危険性があるのかを理解する良い機会になったようにも感じられますね。