昨年10月から放送の特番『NHK杯 輝け!全日本大失敗選手権大会 みんながでるテレビ』(NHK)に、パクリ疑惑が浮上していると『東京スポーツ』(東スポ)が報じ、ネット上で物議を醸しています。
『全日本大失敗選手権大会 みんながでるテレビ』は視聴者参加型の番組で、昨年10月に第1回が放送され、今年4月から月1レギュラーに昇格し、司会を関ジャニ∞・村上信五さん、東野幸治さん、久保田祐佳アナウンサーが務めています。
28日22時10分からは第7回の放送を予定しており、ゲストとしてキャイ~ン・天野ひろゆきさん、オアシズ・光浦靖子さんが登場します。
<↓の画像は、『NHK杯 輝け!全日本大失敗選手権大会 みんながでるテレビ』司会の村上信五さん、東野幸治さんの写真>
視聴者から様々な大失敗談を募集し、その中から選りすぐりの大失敗エピソードを披露する内容となっており、選考基準は面白いかどうかで、優勝者にはNHK杯のトロフィーが贈られます。
そんな番組にパクリ疑惑が浮上していると東スポは報じており、番組がスタートする前から『全日本失敗王選手権』(現「元祖 全日本失敗王選手権大会」)というイベントを運営するメンバーの1人が、「失敗を笑いに変えようというコンセプトのテレビ番組ができたことは、すごく良いことだと思うんです。ただ、ひと言の断りもなくここまで似た名前を使われたことには、腹が立っています」
と語っています。
『全日本失敗王選手権』は2014年からスタートしたイベントで、その内容も「今だから話せるシャレにならない失敗談」、「とんでもない失敗を乗り越えたから今がある、感動の失敗談」など、様々な失敗談をネット上で一般募集し、予選通過した6名が会場でエピソードを披露し、失敗王を決めるというものだそうです。
こうした失敗談を語る番組は特に珍しくもなく、オードリー・若林正恭さんやハライチ・澤部佑さん等が出演の『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)などが存在しますが、『全日本失敗王選手権』の運営メンバーによると過去に、NHK首都圏放送センターに所属するディレクターからイベントについて問い合わせを受け、対面で打ち合わせたこともあると明かしています。
前出の運営メンバーによると、NHK側から「失敗王とはどういうイベントなのでしょう?」との問い合わせを受け、2017年5月13日に東京都内でNHKのディレクターと対面したそうなのですが、「そのディレクターは失敗談よりも、その年の流行語にもなった『忖度(そんたく)』に関連するエピソードはないのかと探している感じで、こちらの趣旨を話してもまったくかみ合わなかったのをよく覚えています」
と振り返っています。
その後はNHKのディレクターからイベントの取材が来ることもなく、全く音沙汰が無かったそうなのですが、それから約1年半後の昨年10月に、『NHK杯 輝け!全日本大失敗選手権大会 みんながでるテレビ』の第1回が放送されました。
同運営メンバーは知人から「NHKで失敗王やってる。すごいね」との電話を受け、番組の存在を初めて知ったといい、「さすがに名前が似すぎですよ。こちらが『全日本』を先に名乗っているのだから、せめて『新日本』にしていただけたらよかったのに…。お金がないからと商標登録していなかった我々の失敗ですね」
と語っています。
『全日本大失敗選手権大会 みんながでるテレビ』のタイトルを巡っては、テレビ神奈川で2004~2008年にかけて放送の情報番組『みんなが出るテレビ~ヨコハマ開放区~』もパクった疑いが持たれており、別のテレビ局関係者は、「ローカル番組とはいえ、元フジテレビの松尾翠アナが女子大生リポーターとして活躍していたことがある番組で、知っている関係者がいたとしてもおかしくない。事前のリサーチが極端に不足だったのでは」
と指摘しています。
そして、東スポは真相を確かめるためNHKに取材を行ったそうなのですが、広報局は「ご指摘のディレクターはこの番組の制作には関わっていません」と回答し、他にも番組タイトルやイベント内容が酷似していることの見解、タイトルが決まった経緯についても問い合わせたものの、「ノーコメント」という対応だったとのことです。
東スポはこのようにNHKのパクリ疑惑を報じているのですが、これに対してネット上では、
- 真面目に仕事しろよ、NHKは。
- タイトルをこんなに似せた理由がわからない
- これでパクリって言うのも厳しいと思う
- ここまでまるパクリするのも凄い話だ。製作者には是非ともしくじり先生に出て欲しいものだ。
- パクられた側が訴えて、白黒つけたらいいじゃない。
NHK側が負けたら、この番組自体が「大失敗」ってことで、オチがつくでしょ。 - 元の主催者が商標登録してないから訴えてもどうにもならない。あとはモラルの問題
- 「ねほりんはほりん」って番組を作ったら関西で既に同タイトルの番組(※読売テレビ放送の『ブラックマヨネーズのネホりん!ハホりん!』)があって、「ねほりんぱほりん」に変えた、っていうのもありましたね。
- ゴゴスマとごごナマ 時間ももろかぶり。
- 「逆転人生」は日本テレビの「突破ファイル」のパクリ、「街録」はテレビ東京の「ありえへん∞世界」の人気コーナー「意表を突く大調査」のパクリです。
- 全日本も、失敗も、選手権も、大会も、ものすごく平凡でありきたりな言葉だし、丸かぶりではあるけど独創性はカケラもないし…。
こんな言葉なら似たような大会、腐る程あるのでは?なんか京都の芸大の話を思い出した。
などのコメントが寄せられています。
『NHK杯 輝け!全日本大失敗選手権大会 みんながでるテレビ』の制作には携わってはいないものの、『全日本失敗王選手権』の運営側とNHKのディレクターが一度接触を図り、話をしていたというのは気になる部分で、こうしたイベントを事前に知っていたからこそ、わざわざ番組名を無駄に長くして誤魔化したようにも見えます。
一方で、「全日本」「失敗」「選手権」といったありふれた文言の使用だけで、NHKのパクリを主張するのも厳しいようにも感じられ、そもそも商標登録もしていなかったとのことから、この件に関しては泣き寝入りするしかないのかもしれないですね。
NHKに限らず各テレビ局の番組では、こうした番組タイトルや内容のパクリ疑惑は度々浮上しており、視聴率を取れている番組と酷似した内容の番組が別の局で放送されるなどしているため、以前から問題視されています。
国民から徴収した受信料をもとに番組制作などを行っているNHKも、民放局と同様の行為をするのはやはり問題な気がしますし、今後またこうしたパクリ疑惑で大きな騒動が勃発しないように、慎重に番組制作を行っていってほしいですね。