新型コロナウイルスに感染後、肺炎の重症化で約20日間入院していたタレント・野々村真さん(ののむら・まこと 57歳)が、6日放送の情報ワイドショー番組『バイキングMORE』(フジテレビ系)にリモート出演し、自民党総裁選への不出馬を表明した菅義偉首相(すが・よしひで 72歳)について、「もっと早く菅首相には辞めてほしかった」などと発言し、ネット上では炎上状態になっています。
6日放送の『バイキングMORE』では、菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明したことを取り上げ、そこで話を振られた野々村真さんは、「申し訳ないですけれども、もっと早く菅首相には辞めてほしかったなぐらいの思い。こういう(医療がひっ迫した)状況にあって、今かよって」
と発言しました。
続けて、「コロナ感染がどうしようもない状況になって、解散総選挙にしろ人事にしろ、そういうことで国会も止まると考えると、何にも進まないじゃないかよと思う。安倍さん、麻生さん、二階さんたちの言うことで自分の言いたいことが言えなくなってしまう。一国の総理ですよ。その人がこの状況で何も言えなかったんだなと、つくづく国民は悲しむしかないですね」
と語りました。
さらに、「生死をさまよった人間として言わせてもらいますけど、本当に今この時点でたくさんの人が苦しんでいるんです。小泉環境相にも言いたいけど、泣きたいのは…泣きたくても泣けなくて、苦しんでいるのは今本当にICU(集中治療室)に入っている人たち。そして亡くなった人たちやそのご家族。その人こそが本当にこの政治のおかげで命を失っていることを絶対に忘れないでほしい。それだけです」
と訴えていました。
この発言に対して番組MCの坂上忍さんは、「まこちゃん、大変な目に遭ったから、そういう気持ちにより、なるというのはよく分かります」と理解を示していました。
しかし、野々村真さんの発言に対してネット上では、
- 自分がコロナにかかったことを政治家に八つ当たりしているようにしか見えない。政治の力でコロナが封じ込められるんだったら、とっくに感染者はゼロになってるだろ
- 菅さんのおかげで助かった可能性もあるわけだよね。しかも、感染したのは菅さんのせいではなく、テレビ局で大声で喋っているからでしょう。なんでも政治家のせいにするのはおかしい
- 何でもかんでも政治のせいは違うでしょう?感染したのは自分でしょう。入院できなくて大変な思いしている方は確かに居るでしょうが、全てが菅さんのせいではないでしょ。
野々村真が言っているのに大きな違和感 - 菅さんが総理でなければ、病床ひっ迫は起こらなかったとでも言いたげだね。
もし、ロックダウンしてれば感染は防げたかもしれなけど、仕事が無くなって文句言っていただろう。都合よくコメントするのはやめてほしいね。 - 菅さんにもっとやってほしい事はあったけど、密とまではいかないけど屋内のスタジオで時には大声出してさぁ…アナタたちだってもっと注意できたことはあったのでは?
- むしろこの政治のおかげで亡くなる人が少ないことを感謝すべきでしょ。死亡者数も感染者数も先進7各国の中では最少だし。
国内にメーカーが無いことで出遅れたワクチンも外交努力で大量契約に成功し、今やアメリカ並みの接種率になったのを事をあなたは知っていますか? - デルタ株が流行も従来と変わらず、ずさんな感染防止対策で多くの感染者を出してる芸能界に対してはノーコメント?
お飾り程度のパーテーションやノーマスクで感染が防げると思っているの? - 感染した経緯をしっかり説明した上で、菅総理のせいだと言ってほしい。ほんとに菅総理のせいなのか、自分に全く否がなかったのか…
そしてコメンテーターとして感染拡大する前から、このままじゃ感染拡大を防ぐ為にこう対策してほしいと言い続けたのか。後から批判は誰でもできるからね。
などと批判が殺到し、炎上状態になっています。
今日放送の『バイキングMORE』で、菅義偉首相を始めとした政府に対する憤りをあらわにした野々村真さんは、7月30日にPCR検査で新型コロナへの感染が判明し、その日から発熱症状などがあらわれ、同31日と8月4日に血中酸素飽和度の低下によって救急車を呼びましたが、搬送を断られたことで自宅療養を続けていました。
しかし、症状の悪化によって保健所の指示で8月5日に緊急入院となり、検査を受けた結果、両方の肺が真っ白で背中側の肺も硬化するほど肺炎が重症化しており、一時的にICU(集中治療室)に入るほどの状態となっていました。
それから約20日間にわたる入院治療の末、8月24日に無事退院し、同26日には『バイキングMORE』にVTR出演して番組復帰を果たしたのですが、肺炎の悪化によって「俺、死にかけたんだな」と振り返っていたほか、医療現場がひっ迫した状況にあることを痛感したといい、「たくさんの運がつながらないと、助からない状況」だと訴えていました。
新型コロナの感染が拡大する中で政府の対応が後手後手に回り、医療現場のひっ迫した状況などもなかなか改善されず、2度も入院を断られて症状が悪化してしまった野々村真さんが、怒りの矛先を政府に向ける気持ちも分からなくもありません。
ただ、野々村真さんは東京で緊急事態宣言が発令中の7月24日に、東大阪市で撮影がスタートしたテレビ朝日系・ABC朝日放送テレビの新作ドラマの撮影に参加しており、その現場でクラスターが発生し、野々村さんの感染も明らかになっています。
各テレビ局の新型コロナの感染拡大防止対策は昨年からアップデートされておらず、それによって芸能人の感染者も激増しているとの見方もあり、レギュラー出演している『バイキングMORE』も出演者同士の距離を取り、間にアクリル板を設置している程度で、感染拡大防止対策を徹底しているとは言えない状態であるため、何でもかんでも政府に責任を押し付けて、批判することに対しては違和感を抱きます。
野々村真さんには、政府の対応に対して怒りをぶつけるだけでなく、新型コロナに感染した当事者として、今後はテレビ局の問題にも切り込んで改善を促していってほしいものです。