『忍者ハットリくん』、『怪物くん』、『プロゴルファー猿』など、これまでに数多くの作品を生み出した漫画家・藤子不二雄Aさん(82)によるブラックユーモア作品『笑ゥせぇるすまん』が来年春に、28年ぶりにテレビアニメ化されることが明らかとなりました。
新作は『笑ゥせぇるすまん NEW』というタイトルで、オリジナル脚本を交えながら1話完結のオムニバス形式となっており、各話にはゲスト声優が出演するといい、監督を務めるのは『エリアの騎士』や『新あたしンち』など、これまでに数多くのアニメ作品を手がけているアニメ監督・演出家の小倉宏文さん。
『笑ゥせぇるすまん NEW』は、TOKYO MX、日本テレビ系の読売テレビ、BS11で今年7月より放送中の深夜アニメ枠『あにめのめ』で放送されます。(TOKYO MX:月曜深夜25時5分~、読売テレビ:月曜深夜25時59分~、BS11:火曜深夜25時30分~)
主人公・喪黒福造の声を担当していた声優・大平透さんは、今年4月に亡くなってしまったのですが、大平さんの指名で声優の玄田哲章さんが喪黒の声を担当するそうです。
28年ぶりにアニメ化が発表された『笑ゥせぇるすまん』は、1968年に漫画雑誌『ビッグコミック』に、『黒イせぇるすまん』というタイトルで読み切り作品として掲載され、1969年~1971年にかけて『漫画サンデー』に同タイトルで連載。
その後1989年に初めてアニメ化され、1989年10月~1992年にかけて、喪黒のモデルとなった大橋巨泉さんが司会のバラエティ番組『ギミア・ぶれいく』内のワンコーナーでアニメを放送し、この時にタイトルが『笑ゥせぇるすまん』に変更されました。
喪黒の「ドーン!」という呪文、「ホーッホッホッホッ」という笑い声、不気味なキャラクターから人気を博し、レギュラー放送終了後も1993年12月まで3本の特別番組が放送されています。
また、1990~1995年にかけては『中央公論』で『笑ゥせぇるすまん』、1996年~2000年までは再び『漫画サンデー』で『帰ッテキタせぇるすまん』、2001年からは『踊ルせぇるすまん』を連載していました。
そして、再びアニメ化されることが決定し、喪黒の声は、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーさんの日本語吹き替えなどで知られる玄田哲章さんが担当するとのことなのですが、生前に大平さんが玄田さんのことを指名したそうで、「まさか私が大平先輩のあの役を引き継ぐことになるとは……。何しろ有名なキャラクターですのでイメージを壊さぬように、けれど私なりの味付けで楽しんでいただければと思います」とコメント。
原作者の藤子不二雄Aさんは、「TBSの番組『ギミア・ぶれいく』でアニメ初登場、予想外の女性や子供たちに大人気となりびっくり! あれから28年たち、再び闇の世界からやってきます。私はすっかりトシをとってしまいましたが、不老不死の喪黒氏はますます元気です。さあ、彼が今回はどんな活躍をするのか、大いに御期待ください!」とコメントを寄せています。
これに対してネット上では、
- 懐かしい!トラウマだったけど面白かったので楽しみです。あの声で聴けないのは残念ですが、玄田さんならきっと大丈夫でしょう!
- 声は大平透さんのイメージが強いけど、玄田さんなら合うかも!オールマイティーだし。楽しみ!
- いまの時代だと以前に比べてソフトな内容になりそうでちょっと心配。
- 実写ではなくアニメの続編で安心した
- どうせなら、グサッとくる話で面白くしてください。時代に配慮しすぎて内容がぬるいのはつまらないです。トラウマ寸前くらいの内容こそ、このアニメの真骨頂だと思います。楽しみです。
- 楽しみ!ただ、再びやるなら色々問題もありそうな作品だったからどんなのになるのか不安もある。今の時代、ああいうblackな部分がどれだけ出せるか…
などのコメントが寄せられています。
藤子さんの作品はブラックユーモア作品も多く、『笑ゥせぇるすまん』についても残酷なシーンなどがあるのですが、それがまたクセになり、今見ても楽しめる内容となっているため、再びアニメ化されるのは嬉しいですね。
最近はアニメも規制が厳しくなっていることから、以前のような過激なシーンなどはカットされ、減らされている可能性もあり、『笑ゥせぇるすまん』らしさは損なわれているのではないかと懸念する声もありますが、来年春からの放送を楽しみにしたいです。