NHKで23日夜に、約4時間にわたって生中継された東京五輪開会式の視聴率が発表されました。
東京五輪の開会式はNHK総合で19時56分~23時51分まで放送され、関東地区の世帯平均視聴率は56.4%、個人平均視聴率は40.0%、瞬間最高視聴率は世帯が61.0%、個人は44.7%でした。
瞬間最高視聴率は、歌手・MISIAさんが国歌斉唱を終えて、俳優・ダンサーの森山未來さんがダンスパフォーマンスを披露した場面と、各国の選手団が入場し始めた場面で記録しました。
番組の占拠率(テレビをつけている世帯・個人全体で該当番組を見ている割合)は、世帯が75.7%、個人が80.1%と、驚異的な数字を記録しています。
なお、開会式中継と同時間帯に放送されていた特番『ザ・ベストワン』(TBS系)は世帯平均視聴率が2.9%、個人平均が1.8%、『報道ステーション』は世帯平均4.1%、個人平均2.1%で、それぞれ前4週間の平均視聴率と比較すると、半分以下まで数字を落としていました。
2016年開催の前大会・リオデジャネイロ五輪は午前8時台からNHKで生中継され、番組の世帯平均視聴率は23.6%、瞬間最高視聴率は27.8%でした。
ゴールデン帯(19~22時)に放送された開会式では、2008年の北京五輪が世帯平均視聴率37.3%で、東京五輪はこれを20%近く上回る数字となっていました。
ちなみに、1964年に開催された東京五輪の開会式は、10月10日の13時43分からNHKで約2時間半にわたって生中継され、番組の世帯平均視聴率が61.2%でした。
そして、東京五輪開会式の視聴率発表を受けてネット上では、
- この数字には目が点になった。まさかここまでの視聴率が出るとは…
- そんなに観たんだ。俺は観てねえわ 中止にならなかった怒りであえて観なかった
- 始まってしまえば、こうなることはわかっていたが、思った以上に見る人が多かったんだな
感情的に中止を訴えても、観戦をボイコットできる様な意志の強い人はそうはいないってことだ - 自分も含めてだけど、ネットでのコメントと、リアルでの行動はリンクしないからね。リアルには色々しがらみもあるし。
いくら反対反対言ってても、いざ開催されると、ついつい見ちゃうってことでしょう。もちろん斜に構えて見ている人もいるでしょうけど。 - 賛成派も反対派も開会式は気になって見たのでは。ただ、視聴率と満足度は別かも
- 直前の色々な不祥事も皮肉なことに視聴率の後押しになったんではないかな
- みんながみんな好意を持って見て訳ではないと思いますよ。巨額な税がどの様に使われてるかチェックする為に見た人もいると思うし、
前日まで続いたゴタゴタをどう清算させたのかを見るために見た人もいるだろうしね。単に視聴率の高さだけで終わらせてはいけない - 政争の具としてオリンピックをどれだけ批判していても、興味があってみたい人は多かったということ。
メディアがどれだけ、オリンピック中止派が多い、興味ない人が多い!と報道しても、結果は真逆。 - 反対派の意志の弱さにガッカリ。今朝のモーニングショーも最初から1時間半以上オリンピックの話題だった。
昨日も一昨日もテレビ朝日はオリンピックだらけ。だったら賛成して盛り上げておけば良かったのに、とすら思います。 - 民放マスコミ各社はオリンピック関連報道は一切控えるか、徹底して反対であって欲しい。
不備を叩くのはいいが、あれだけネガティブキャンペーンを展開して、選手が活躍すれば視聴率を取りにゆく姿勢は嫌悪感しかない。
アスリートを見れば無観客試合でも開催して良かったよ。
などの声が上がっています。
東京五輪が開幕する直前まで、民放各局を含めて東京五輪に関する様々な問題を取り上げ、開会式を手掛けるメンバーを巡っても直前までゴタゴタ続きだったことから、開会式を行うことも含めてネット上でも否定的な声が多く上がっていただけに、開会式の世帯平均視聴率が56.4%、個人平均視聴率が40.0%を記録したというのは驚きで、録画視聴率を含めたら相当な数字になるとみられます。
開会式がスタートしてから、ツイッターのトレンド上位には関連ワードが次々にランクインし、選手団の入場行進時には『ドラゴンクエスト』『ファイナルファンタジー』『モンスターハンター』『クロノ・トリガー』など、様々な人気ゲームの音楽が流れ、各国のプラカードが漫画の吹き出し風だったことでも大きな反響を呼び、1800台以上のドローンを使った東京五輪のエンブレムや地球の形を描くショーも話題になりました。
また、開会式のパフォーマンスでは森山未來さんの他にも、歌舞伎俳優の市川海老蔵さん、女優の真矢みきさん、お笑い芸人の劇団ひとりさん、なだぎ武さん等が登場し、競技50種目の紹介ではパントマイムアーティストの『が〜まるちょば』、2人組のパフォーマー『GABEZ(ガベジ)』の3人が競技のピクトグラムを体や道具を使って再現し、これもまたネット上では日本テレビ系で放送の『欽ちゃんの仮装大賞』みたいだと話題になっていました。
- 50種目のピクトグラム・パフォーマンス映像(YouTube)
開会式全体で見ると微妙な内容だったとの声も多いですが、東京五輪の開催自体に反対の声が上がりながらも多くの人が生中継を視聴し、そして競技が始まると日本代表選手たちの活躍をメディアが取り上げ、ネット上でも大きな反響を呼んでおり、開会式だけでなく各競技の中継も高視聴率を連発しています。
昨日の午前中に、NHKで中継された競泳女子の400m個人メドレー決勝は、世帯平均視聴率12.7%、個人平均は6.9%。
同じくNHKで正午過ぎから中継されたスケートボード・男子ストリートの決勝は、世帯平均視聴率12.0%、個人平均は7.1%。
24日19時台に中継された柔道男子60kg級の中継は、世帯平均視聴率24.2%、個人平均も15.4%をマークしていました。
<↓の画像は、25日までに行われた東京五輪・各競技の世帯平均視聴率>
結局のところ、大会が始まってしまえば過去の五輪と変わらず多くの人が番組を視聴し、五輪一色になって大きな盛り上がりを見せるということが証明された形で、東京五輪を巡っては様々な問題が浮き彫りになっていますが、そうした問題はひとまず置いといて、五輪を楽しんでいる人が多いということなのでしょうかね。