窪田正孝さんが主演で来年4月から放送予定のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『エール』で、脚本家の交代が発表されたことで物議を醸しており、降板理由をめぐって様々な憶測が飛び交っています。
『マッサン』以来6年ぶりに主人公が男性の『エール』は、全国高校野球選手権大会の曲『栄冠は君に輝く』、プロ野球『阪神タイガース』の曲『六甲おろし』、『読売ジャイアンツ』の曲『闘魂こめて』など、数多くの応援歌を作曲した古関裕而さん(こせき・ゆうじ 1989年8月死去 享年80)と妻・金子さんをモデルとした作品で、窪田正孝さんと二階堂ふみさんが夫婦役を演じます。
<↓の画像が、朝ドラ『エール』で夫婦役を演じる窪田正孝さん、二階堂ふみさんの写真>
脚本は林宏司さん(はやし・こうじ 54歳)が担当することが発表されており、林さんはこれまでに『離婚弁護士』『医龍 Team Medical Dragon』『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』『BOSS』など、数多くのヒット作品を手掛けてきた脚本家ということで期待の声が上がっていました。
しかし、NHKは5日に脚本家を交代するという異例の発表を行い、林宏司さんの代わりに清水友佳子さん、嶋田うれ葉さん、加えて番組スタッフで演出担当の吉田照幸さんが脚本を執筆することが明らかにされました。
『エール』は9月中旬から撮影がスタートしており、なぜこのタイミングで林宏司さんが降板となったのか、その理由についてNHKは「制作上の都合」「制作過程の詳細については回答を控えさせていただく」として詳細を明らかにしていないのですが、交代の理由は林さんの「健康上の問題ではない」としています。
また、すでに撮影がスタートしているわけですが、撮影済み分の扱いについても「詳細は控える」と口を固く閉ざしています。
<↓の画像は、『エール』脚本から降板した脚本家・林宏司さんの写真>
ドラマの撮影がスタート後に脚本家が交代するというのは異例で、健康上の問題ではないとすれば、何らかのトラブルがあったと考えるのが普通ですが、林宏司さんは来年1月スタートの天海祐希さん主演ドラマ『トップナイフ~天才脳外科医の条件~』(日本テレビ系 土曜22時)の脚本を担当することが5日に発表されています。
林宏司さんは『トップナイフ』について、「10年近く前から実際の脳外科のドクターたちと話をし、構想をねっていたものです。」
と明かし、「本当にこんなことがあるのか!?という理想的な豪華キャストでドラマ化されることになりました。ことに主演の天海さんは、構想段階から勝手に許可なくイメージしていたので(笑)、脚本家冥利につきます。酸いも甘いも噛み分けた「孤高の脳外科医」の、明るさと切なさをどう演ってもらえるのか、他の共演者とのコラボも含め、今からワクワクしてます。」
などと、喜びいっぱいのコメントを寄せています。
『エール』は今年2月に制作発表が行われ、林宏司さんが脚本を担当することも明らかにされており、会見には出席しなかったものの、「暗い時代も新しい時代も人々の心を揺さぶり、励まし続けた“古関メロディ”のように、このドラマがどうか、朝のひととき、誰かの“エール”になりますように」
といったコメントを寄せていました。
それにも関わらず、撮影開始から1ヶ月半が経ち突然の脚本家交代が発表されネット上では、
- 最近のNHK、大河ドラマで俳優が次々に不祥事を起こして途中交代とか、クランクアップ後に問題が発覚してテロップで急場しのぎしたりと災難続きだが、今度は連ドラで肝心の脚本家が交代!制作前から話題作りか?と疑ってしまうな。
NHKは「制作上の都合」とか言ってるらしいが、何か深い裏事情があるように思えるのは自分だけではないように思うがなぁ…。 - 林さんといえば、天海さんのドラマの脚本を担当するって今朝ニュースが出たばかりだけど、オファーはどっちが先だったんだろうか・・・発表はNHKの方が先だったけど・・・
- 単純に脚本家が映像化したいオリジナルの作品があって、それが作れるチャンスが巡ってきたから我儘言って降ろしてもらったのか、現場の事はわからないけど現段階でも中盤か終盤までの脚本は完成しているのに、今頃になって脚本の変更や大幅修正をしろと言われて、もう次の仕事に入ってるからそんな事は出来ないし、変更するなら何で数か月でも早く言わないんだってキレて、修整したければ勝手にしてくれ私は辞めますになってしまったか。
- 林さんが、脚本でNHKからの要求が強すぎて「降りた」とか?正直な理由は、わからないままでしょうけれど・・・・
でも、林さんの降板で「あわてて集めました」という感じは伝わってくる。 - ちょっとびっくりですが、同時期に2つの脚本を作るのは無理だったのかな?「トップナイフ」の方を選んだってことでしょうね。
- 脚本家側、NHK側のどちらかにとって譲れない事があって交代という話になったのかな。歴史や思想的な事とか
これからそれが明らかになるのか、出演者の負担にならないように今は沈黙を貫くつもりなのか。撮影開始が近い時期に降りるなんてよっぽどの事でしょ - 天海祐希のドラマと時期が重なることは分かってただろうし、朝ドラに対しても熱量はあったと思うけどな。やっぱりスタッフと揉めたんかな。
東京制作の『なつぞら』も『半分、青い。』も脚本家がしんどかったと話してたし。
などのコメントが寄せられており、様々な憶測が飛び交う事態となっており、『エール』よりも『トップナイフ』を選んだのかとして、林宏司さんに対して批判の声も上がっています。
今回の『エール』とは話が違いますが、林宏司さんが脚本を担当していた『コード・ブルー』シリーズは、2017年放送の第3シーズンでなぜか脚本家が変更され、それによって内容が恋愛寄りにシフトチェンジし、作品の魅力が失われてしまったと視聴者の間で物議を醸していました。
『コード・ブルー』に続いて人気脚本家の林宏司さんが『エール』を降板してしまい、作品の質に影響を与えないか少し心配ですし、なぜ脚本家交代となったのか理由が気になりますが、『トップナイフ』が要因になっているのではと推測する声が多く見受けられます。
『トップナイフ』は林宏司さんが約10年前から構想を練り、ついにドラマ化が決定したという作品なので、林さん的には『エール』よりも『トップナイフ』の方に専念したいとの思いがあったとも考えられますね。
それをNHKが認めなかったのか、林宏司さん自ら脚本担当降板を申し入れたのかは不明で何とも言えませんが、とにかく脚本家交代によって作品に悪影響が及ぶようなことがないようにしてもらいたいところで、後任を務める清水友佳子さん、嶋田うれ葉さんには良い作品に仕上がるよう頑張ってもらいたいです。
ちなみに、清水友佳子さんは過去に『夜行観覧車』『不機嫌な果実』『リバース』『わたし、定時で帰ります。』などのドラマのほか、映画『手紙』で脚本を担当しています。
一方の嶋田うれ葉さんは、『隠蔽捜査』『匿名探偵 第2期』『スミカスミレ』『リカ』などを手掛けています。
【追記 11/6 午前9時10分】
6日付の各スポーツ紙の報道によると、林宏司さんの降板理由はNHK側との対立だったといい、演出担当とストーリーの方向性や構成などで意見の相違があり、2人の関係が修復不可能な状態にまで悪化した結果、クランクイン前の時点で林さんの降板が決まっていたという情報もあるといいます。
民放関係者は「林氏は『エール』のクランクイン前から脚本を降りていたはず。NHKは、林氏が日テレのドラマを担当することを報道され、急いで発表したのではないか」とし、関係者は「2人のそりが合わず、クランクイン前から中心スタッフが書き換えていた」「脚本の内容について演出家が満足できず、直しを求めるなどもめていた」などと話していると報じられています。