トゥルソワ選手がコーチのハグ拒否、フィギュアスケート女子で銀メダル獲得も…ワリエワのドーピング違反に続くトラブル

スポーツ 事件・事故・トラブル 噂・疑惑
  • 1

坂本花織・シェルバコワ・トゥルソワ  北京五輪メダル獲得の選手

北京冬季五輪のフィギュアスケート女子シングルのフリーが行われ、坂本花織選手(21)がショートプログラム(SP)に続き、フリーでも自己ベストを更新する得点で銅メダルを獲得し、一方でドーピング違反問題に揺れるロシアのカミラ・ワリエワ選手(15)は、SPから一転してミスを連発する精彩を欠いた演技により、4位の結果に終わりました。

カミラ・ワリエワ選手は五輪前までに、SP・フリー・総合得点で歴代最高得点をマークしている世界トップの選手で、ドーピング違反が発覚する直前の団体戦・フリーでは、一度転倒するも見事にリカバリーし、178.92点の高得点を獲得しました。

<↓の画像は、ドーピング違反が発覚したカミラ・ワリエワ選手の写真>
ドーピング違反のカミラ・ワリエワ選手

その翌日に昨年12月の『ロシア選手権』で採取した検体から、禁止されている薬物「トリメタジジン」の陽性反応が出ていたことが判明、紆余曲折を経て無事にシングルに出場することができ、SPでは自身が持つ世界最高記録の90.45点には届かなかったものの、82.16点の高得点をマークして1位となりました。

しかし、その後もカミラ・ワリエワ選手の出場を巡って物議を醸し、フリーの演技が行われる前には『国際オリンピック委員会(IOC)』がワリエワ選手の扱いについて、もし3位以内に入ったとしても、『世界反ドーピング機関(WADA)』による判断が終わるまではメダルは授与せず、暫定順位にすると発表していました。

そして、17日に行われたフリーでカミラ・ワリエワ選手はミスを連発し、フリーの得点は141.93点と、自身が持つ世界最高得点よりも40点以上低く、合計は224.09点で暫定4位の結果に終わり、演技終了後には号泣していました。

フリーでトップの得点を獲得したのは、SP4位だったロシア代表のアレクサンドラ・トゥルソワ選手(17)で177.13点、2位は同じくロシア代表でSP2位のアンナ・シェルバコワ選手(17)、3位はSP3位の坂本花織選手となっており、総合得点でシェルバコワ選手が金、トゥルソワ選手は銀、坂本選手が銅メダルという結果でした。

フリー1位だったアレクサンドラ・トゥルソワ選手は試合後の会見で、「ショートプログラムも、フリーも、やれることは全てやった」と言いつつも、「結果は全然うれしくない。幸せではない」などと語っていたのですが、演技終了後にエテリ・トゥトベリーゼコーチのハグを拒否する場面があり、カミラ・ワリエワ選手のドーピング違反問題に続き、この行動がいま大きな波紋を広げています。

<↓の画像は、銀メダルのアレクサンドラ・トゥルソワ選手の写真>
アレクサンドラ・トゥルソワ選手

エテリ・トゥトベリーゼコーチは、アレクサンドラ・トゥルソワ選手のほか、アンナ・シェルバコワ選手、カミラ・ワリエワ選手を手掛けている名コーチなのですが、トゥルソワ選手の演技終了後に祝福のハグをしようと駆け寄ると、トゥルソワ選手はそれを拒否し、「嫌よ!みんな知ってるのよ!」「あなたはすべて知っていた。あなたはすべて知っていた」などと言い放ったといいます。

トゥルソワ選手がトゥトベリーゼコーチを遠ざけたシーン

また、セルゲイ・デュダコフコーチの手も振り払い、「みんな金メダルを持っている!だけど、私は持っていない。私はこのスポーツが大嫌い。もう二度とリンクに戻らない!」「こんなのありえない、そんなのダメよ!そんなのダメよ!」「こんなやり方はダメだ!」と怒りをあらわにし、「セレモニーには行かない! 私は参加しない」と言いつつもセレモニーには参加したものの、エテリ・トゥトベリーゼコーチを拒む仕草を見せていたと海外メディアが報じています。

トゥルソワ選手がデュダコフコーチに感情をあらわにしているシーン

その後行われた会見で記者から、一連の言動の真意を問われたアレクサンドラ・トゥルソワ選手は、「自分はできるだけのことをやって、その結果には満足していませんでしたので、それに失望して怒っているように見えたんだと思います」「ここに3週間、母も、愛犬もいなくてひとりで過ごした。だから泣いた」と語り、競技から引退するのかについては、「そのうち分かると思う」「よく考えて、今後どうするか決めようと思います」とし、明言を避けていました。

また、カミラ・ワリエワ選手について聞かれると、「私はカミラのパフォーマンスを見てませんでした。私自身も色々あって。特にコメントありません。質問があるなら彼女にお願いします」と答えていました。

そして、フリーを終えての最終順位、アレクサンドラ・トゥルソワ選手の意味深な言動などに対してネット上では、

  • 国家ぐるみなのか、コーチ陣の方針なのか。お金のため、名誉のため、もしこのチームの子たちが洗脳のように選手として教育されていたとしても、全く何も思うところがないなんてあり得ないですよね。反発もできる状態。完全洗脳でない事に安堵しました。
    ロシアは国際競技には出さない方がいいのでしょうね。ロシアサイドだけではなく、みんなが傷つき悲しみの大きい大会になってしまった。
  • ロシアにおいて驚異的な能力のローティーンの選手が次々現れ早く選手生命を終えていくのは、ドーピングも影響しているのではないかと思えてしまう。
    今回を教訓にして、そういう闇をなくしてほしい。
  • 選手が本当に可哀想。堂々と勝負できる素質もあるのに、ロシアはわざわざ薬で潰してしまう。
    ロシア選手を見ると、どうせ薬使ってんだろ?という目で評価してしまうようになった。選手は実力で勝ちたいだろうに、十分勝てる力はあるだろうに。
    こうした態度を公に明らかにしていくことで、選手側からクリーンに戦いたい意志を訴えることがとても大切。
  • 他の2選手もグレーだと思っていましたが、ワリエワ選手だけドーピングをさせられたという事なのでしょうか。
    最もジャンプが素晴らしかったトルソワ選手がドーピングなしだったというのであれば、すさまじいほどの努力だったのだと思います。勇気ある行動ですね。
    今後のチーム内での立場を顧みないというより、銀を取った自分もあと4年以内に捨てられると感じているのかもしれません。
  • ワリエワ選手ばかりで、当初期待されていなかったコーチからの手のひら返しのハグは受け入れられないでしょうね。コーチとは演技内容も考え方も違いあったみたいですし。
    結果がどうであれ、正々堂々とベストを尽くして自身の競技を愛して、大事にするといったことができないのは見ていて辛いものがありますね。

などの声が上がっています。

アレクサンドラ・トゥルソワ選手がエテリ・トゥトベリーゼコーチに対してなぜ、「みんな知ってるのよ」「あなたはすべて知っていた」といった発言をしたのか、その真意は明らかになっておらず、様々な憶測が飛び交っている状況ですが、ハグを拒否するといった行動から、コーチと選手の間に溝が生じているのは確かだと思います。

エテリ・トゥトベリーゼコーチは北京五輪に出場した3選手の他にも過去に、金メダリストのユリア・リプニツカヤさん(23)、アリーナ・ザギトワ選手(19)、銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ選手(22)らを指導しており、厳しい指導方法から“氷の女王”とも呼ばれています。

ドーピング違反問題に揺れ、最終的に4位の結果に終わったカミラ・ワリエワ選手に対してはフリーの演技終了後、「なぜあきらめたの?なぜ戦いをやめたの?説明して」と問い詰める場面もありました。

また、アレクサンドラ・トゥルソワ選手は会見で、「ショートの後に、(コーチから)サルコーが入らないのではないかと。『4回転は4回挑戦しろ』と言われましたが、5回跳ぶんだと決めて、跳んで良かった」などと語っており、演技を巡って食い違いが生じていたことも明らかになっています。

アメリカのメディアによれば、エテリ・トゥトベリーゼコーチが指導を手掛けた選手は次々にメダルを獲得し、チャンピオンを生み出す世界有数の専門家とみなされるようになったものの、「“エテリガールズ”は競技中に『水を飲めない』と公然と話し、粉末栄養剤か更年期障害を誘発することで知られるルプロンを接種することで思春期を遅らせるため最善を尽くしている」「(指導を受けた選手は選手生命が短いことから)フィギュアスケートファンの間では『エテリの有効期限』と呼ばれている」と指摘しています。

エテリ・トゥトベリーゼコーチは、メダル獲得には必要不可欠なコーチと言われている一方で、選手たちが“使い捨て”状態になっていることで物議を醸しており、トゥトベリーゼコーチの指導を受けた選手は早熟で、ピークを迎えた後には燃え尽き症候群に襲われたり、ケガに苦しむなどして競技から去っていくというケースが多いとされています。

また、エテリ・トゥトベリーゼコーチはカミラ・ワリエワ選手のドーピング違反問題を巡っても、様々な情報や憶測が飛び交っており、どれが事実なのかはまだハッキリしていない状況ですが、ロシアのメディアは新たに気になる情報を伝えており、コーチの関与が根強く疑われています。

ロシアのメディアによれば、エテリ・トゥトベリーゼコーチはかねてから選手の疲労回復に役立つクスリを探し、2015年までは「メルドニウム」という疲労回復効果があるクスリを使用していたものの、2016年に『世界反ドーピング機関』が禁止薬物に指定したことで使用が不可能になりました。

2019年に現地メディアの取材に応じたエテリ・トゥトベリーゼコーチは、「メルドニウムが使えなくなる日を知っていた」「私たちは何か他の薬を探す必要があった」「選手が疲労から回復するために役立つビタミンのようなものが必要だったなどと語っていたとしています。

ただ、エテリ・トゥトベリーゼコーチがその後、カミラ・ワリエワ選手から検出された「トリメタジジン」を使用していたのかは明らかになっておらず、『世界反ドーピング機関』は今後、周辺スタッフにも調査を行うとしています。

エテリ・トゥトベリーゼコーチが手掛けた選手は、今大会でも金・銀メダル獲得という好成績を残したものの、アレクサンドラ・トゥルソワ選手は競技後に引退などを示唆する意味深な発言をしており、カミラ・ワリエワ選手も一連の騒動などで精神的に大きなダメージを受けていて、後味の悪い結果になってしまったのは非常に残念ですね。

参照元
  • https://thedigestweb.com/topics_detail13/id=52781
  • https://www.tokyo-sports.co.jp/sports/figure-skating/4006964/
  • https://www.tokyo-sports.co.jp/sports/figure-skating/4005170/
  • https://www.afpbb.com/articles/-/3390461
  • https://www.fnn.jp/articles/-/317449
1件のコメント↓コメント投稿
  1. 1
    匿名
    ID:YzdiNTNiNG

    本人たちに責任がないとは言わない。しかし、犠牲になるのは年若い子供たちばかり。こんな哀れな話があるだろうか。ロシアのスポーツ界だけでなく、IOCも徹底的に叩かないと、これは延々と繰り返されるだろう。

コメントを残す

前の記事次の記事
芸トピの最新ニュースをお届け!