渡邊渚が性暴力問題に言及。一般論として被害者の傷をまとめ、加害者の主張や擁護者による二次加害への強い憤り綴る。

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渡邊渚・元フジテレビアナウンサー

フジテレビの元アナウンサー・渡邊渚さん(28)が8日にインスタグラムを更新し、芸能界でも昨今大きな問題になっている「性暴力問題」に対する思いを綴っています。

渡邊渚さんはインスタグラムのストーリーズを更新し、「連載エッセイ ひたむきに咲くの延長で、今回は性暴力問題について書きました。アンケートやデータの結果を用いて、あくまで一般論として被害による傷などをまとめました。人を傷つける不法行為はしてはいけない、そんな当たり前のことが守られる世の中であってほしいと願っています。」と綴っています。

続く投稿では、「真実であったことを否認することが、いつも加害者の第一手である。そして証拠を示されると次にはきまって問題をなるべく小さく見せようとするものだ。『そんな大した話じゃないno big deal』式の防御である」と、アメリカの精神科医ジュディス・ルイス・ハーマンさんの著書『真実と修復 暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策』の一節を投稿しています。

<↓の画像は、渡邊渚さんのインスタグラム投稿>
渡邊渚のインスタストーリー投稿

渡邊渚さんは2023年6月に、生命の危機を感じる衝撃的な出来事が原因で「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」などを発症して休職し、フジテレビも関係するトラウマということで仕事復帰できずに、昨年8月をもって退社しました。

<↓の画像は、PTSDを発症し入院前後の渡邊渚さんの写真>
元フジテレビ渡邊渚アナウンサーが激ヤセ前と入院直後の画像

活動を再開後は、『NEWSポストセブン』(小学館)で連載「ひたむきに咲く」をスタートさせ、同サイトと週刊誌『週刊ポスト』(同)の最新号には、性暴力問題に対する思いを綴った独占手記が掲載されています。

渡邊渚さんは手記の中で、大阪府地検の元検事正、園子温監督、サッカー日本代表・佐野海舟選手の性加害問題について触れたうえで、「こういった事案を聞くたびに、私もPTSDを患っているから、トラウマを抱える被害者たちの気持ちや状況が生々しく理解できて、心が締め付けられる。加害者にとっては『たった一度、この人だけ失敗した』なんて思うのかもしれないが、被害者はそのたった一回で、たった一度の大事な人生をぶち壊される。」と綴っています。

また、様々なデータをもとに性被害が及ぼす影響について綴り、「治療が終わっても、ふとした瞬間、被害時に似た天気や匂い・食べ物・音を感じたり、また自分と似たような被害のニュースを目にしたりするたびに、身体に刻まれたトラウマが再び体験しているかのように鮮明に蘇ってくる。『いっそ殺してほしかった』 そう思うくらい、永遠に救われることのない地獄を、被害者は彷徨い続けるのだ。」としています。

続けて、「回復は被害者の生きたいという意志と周囲の献身的な支えによってできた賜物であり、その過程は人それぞれだ。回復期間の長短は被害の程度に比例するものではない。たとえ身体的な傷が治ったとしても、心の傷が全て癒えることはないし、脳が記憶としてずっとトラウマを保持し続ける。もう元の自分はいない。生きれば生きるほどトラウマと向き合う時間が増えて、性被害は被害者にだけ、まるで終身刑のように一生苦しみを与え続けるのだ。」と綴っています。

また、「性被害が話題になるたびに、世間の傍観者たちは口を揃えて『警察に行けばいい』と言う。そんな人たちに私は『簡単に言うな』と言い返したい。」としています。

警察に被害を相談すれば、思い出したくない当時の状況を根掘り葉掘り聞かれ、そして現場検証なども行う必要があり、そんな傷口に塩を塗るような行為は自分にはできず、「死にたい」との思いがより強くなる予感しかしないとしています。

そんな渡邊渚さんは2023年に、たまたまネットで「性被害 弁護士」と検索したところ上位に表示されたページは、性被害者の弁護に関するものではなく、加害者の弁護に関する内容だったそうで、「愕然とした。司法ですら、被害者の味方ではないように思えた。」と振り返っています。

もし訴えることが出来たとしても、「今よりもっとつらい思いをする可能性もある。加害者は呼吸をするように平気で嘘をつき、事実を歪めて自分の都合のいいような解釈を繰り広げるからだ」と綴り、前出のジュディス・ルイス・ハーマンさんの著書の一節を記載しています。

性加害者の一方的な主張を鵜呑みにした人たちが被害者に対する攻撃を始め、そうした二次加害行為によって「被害者は何度も殺され続けている」としています。

続けて、「そもそも、恋愛関係でもない仕事相手や両親と同年代の異性から好意を向けられたり、セクハラをされたりするだけでも不快だ。なおかつ初対面や初めて2人きりになるような間柄で、同意もなく無理やり性的行為をされたら、それははっきり“性暴力”だ。」「加害者や擁護者が『これが性暴力なら恋愛できない、そんな社会を作ってはいけない』なんて発言をしているが、これは全く的外れだ。性暴力と恋愛は違う。そんなことすら区別できず、価値観をアップデートできていない大人が大勢いることに失望する。」と、性加害者側の主張に怒りをあわらにしています。

最後に、「被害者の落ち度を血眼で探し、性暴力の定義を歪めてまで加害者を許そうとする社会に、いい加減終止符を打つべきだ。性暴力は魂の殺人とも言われる。そう、殺人なのだ。だから『あらゆる性暴力(殺人)は許さない』という当たり前を公言する大人が増えることを切に願う。安全に過ごせて被害者が生まれない未来を作るために、私たちは声を上げ続けなければならない。」と訴えています。

渡邊渚さんはこの手記で、昨今話題になったいくつかの性加害問題に触れているものの、中居正広さんには一切触れていないのですが、特に手記の後半は中居さん側の言動に対する強い憤りを綴っているように感じられます。

中居正広さんは元フジテレビアナウンサー・Aさんとのトラブルを巡り、フジテレビの第三者委員会が『WHO(世界保健機関)』による「性暴力」の定義を用いて「Aさんが業務の延長線上で、中居氏から性暴力による重大な人権侵害の被害を受けた」と認定したことに反論し、泥沼の争いを繰り広げています。

中居正広さんの弁護団が「『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」などと反論したことをきっかけに、橋下徹弁護士や社会学者の古市憲寿さんが中居さんを擁護するような言動を展開しています。

そして、中居正広さんのファンたちは、これまでに出ている複数の情報からトラブルの相手は渡邊渚さんの可能性が高いとみて、SNSなどを通じて誹謗中傷や脅迫を繰り返すなど、二次加害行為をしています。

そのため、渡邊渚さん側は5月末にインスタグラムを通じて、悪質な行為については警察に相談し、必要に応じて法的措置を講じているとの声明を発表、さらにAさん側も『週刊文春』を通じて苦しい胸の内を明かしていますが、現在もネット上では誹謗中傷が飛び交っています。

こうした状況の中で、渡邊渚さんは今月25日に1st写真集『水平線』(集英社)を出版し、同29日には都内某所でお渡し会を開催予定となっているのですが、今年2月に開催したフォトエッセイ『透明を満たす』(講談社)のイベントと同様に厳戒態勢で行われるようで、ネット上では否定的な声も少なくありません。

また、渡邊渚さんはフジテレビを退社後のインタビューで、「私はもうテレビの世界に関わろうと思っていません」「昨年10月に再出発を決めてから、テレビ業界とは決別と言うか…今までと違った世界で生きていこうと思っているので。」と語っていたにも関わらず、13日からスタートするテレビ番組『昨日のアレ観』(チバテレ 金曜23時30分 ※TVerでも配信あり)でMCを務めるなど、発言が矛盾していることでも物議を醸しています。

渡邊渚さんがMCの新番組『昨日のアレ観』予告動画

渡邊渚さんも火に油を注ぐような言動をしているので、それによって批判を招いている部分もありますが、いずれにせよ誹謗中傷は許されるものではないので、悪質な行為に対しては断固とした対応をとっていきながら、自身が巻き込まれたトラブルに囚われすぎることなく前進していってほしいです。

参照元
  • https://www.news-postseven.com/archives/20250606_2045246.html
  • https://www.news-postseven.com/archives/20250606_2045247.html
  • https://www.news-postseven.com/archives/20241111_2004149.html
  • https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202506070000025.html
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