シンガーソングライターの宇多田ヒカルさん(33)が、2008年3月リリースのアルバム『HEART STATION』以来8年半ぶりに、オリジナルアルバム『Fantome(ファントーム)』を9月28日にリリースし、10日付(集計期間=9月26日~10月2日)のオリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得していたことが4日に明らかとなりました。
『Fantome』の売り上げ枚数は25万3,000枚で、同ランキング初登場2位となったEXILEのベストアルバム『EXTREME BEST』(9月27日発売)の売り上げ枚数は17万8,000枚と、7.5万枚の大差を付けて堂々の1位となっています。
ちなみに、アルバム発売日翌日のiTunesアルバム総合ランキングでは、全米3位、香港、台湾、シンガポールでは1位を獲得していたほか、ヨーロッパの多くの国でも1位にランクインし、全世界のiTunesアルバム総合ランキングでも6位という素晴らしい結果を残しています。
<初登場1位を獲得した宇多田ヒカルさんのニューアルバム『Fantome』>
宇多田さんのニューアルバム『Fantome』は、今どき珍しく購入者特典を付けたり、通常版の他に初回限定盤なども出しておらず、通常版のみのリリースで見事25.3万枚を売り上げ、1stアルバムから6作連続でオリコンのランキングで1位を獲得し、「1stからのオリジナルアルバム連続1位獲得作品数」の女性ソロアーティスト部門では、韓国出身のBoAさんと並んで歴代2位タイに浮上しています。(1位は浜崎あゆみさんで9作連続)
その一方で、EXILEのベストアルバム『EXTREME BEST』は、「3CD+4DVD」、「3CD+4Blu-ray」、「3CD」の全3形態でリリースし、それぞれパッケージや収録内容が異なり、DVD付きとBlu-ray付きを購入することによって、非売品のパスケースやステッカーがもらえるという特典商法によって売上を伸ばす作戦をとっていたのですが、宇多田さんに7.5万枚という圧倒的な差を付けられて2位という結果に終わっています。
こうした結果を受けてネット上では、
- 宇多田ヒカルのアルバム発売日に敢えてぶつけて見事に散ったな。4枚DVDやブルーレイ付きって酷いわ。一体、ベストアルバムリリースは何回目だ?よく17万枚も売れたと思う。
- 純粋な音楽が特典商法に勝利をしたのはとても痛快だな
- ベスト盤に特典つけて、複数枚買わせる姑息な商法なんて通じるわけないんだよ
- EXILE、ざまあ。楽曲に魅力があったら買うんだよ
- EXILEファンだけど、金儲けしたいだけしか感じない。値段やら高いし。最近汚い。
- ベストでしかも複数商法でこの売り上げで宇多田にも負けるとか終わったな
などのコメントが寄せられています。
EXILEに対してこのような批判が寄せられる背景には、今回リリースしたベスト盤だけでなく、数年前からAKB48のような特典によって複数枚の購入を促す特典商法を露骨に行っていることにあります。
2012年6月リリースのシングル『ALL NIGHT LONG』は、ソロジャケットCD(メンバーの人数分の14種類)を含む計17形態をリリースし、初週20.6万枚の売上を記録したのですが、翌7月にシングル『BOW & ARROWS』を2形態でリリースしたところ、初週9.5万枚しか売り上げることが出来ませんでした。
この失敗を受けて2013年4月にリリースしたシングル『EXILE PRIDE 〜こんな世界を愛するため〜』は、「CD+DVD」「CDのみ」の2形態のほか、ファンクラブ『EX FAMILY』でCD付きのプレミアムパッケージチケットを販売し、初週は約56.5万枚、発売から7ヶ月後には売上枚数が100万枚を突破。
その後2014年8月にリリースしたシングル『THE REVOLUTION』についても、全シングル同様にチケット付きのCDも販売し、初週32.2万枚を売り上げていました。
しかし、チケット付きのCDについては、「コンサートチケットとセット販売されるCDの価格が市販の通常盤CDの価格と大きく乖離してきた」「実態としてコンサートチケットの付属品となっている」として、2015年6月1日付のデイリーランキングより、コンサートチケットとCDのセット販売の合算集計を終了することをオリコンが発表。
これによって、チケット付きのCDをリリースして売上枚数を伸ばすという手法は使えなくなったのですが、EXILEはコンサート会場で「EXILEメンバーと写真撮影ができるバックヤードご招待」、「EXILEメンバー直筆サイン入りスペシャルグッズ」、「EXILEメンバーサインプリント入りA3サイズポスター」などを景品として抽選会を開催。
この抽選会に参加するためにはスクラッチカードが必要となっており、会場のCD即売ブースにて、対象商品をいずれか1枚予約・購入ごとにスクラッチカードが1枚もらえるというシステムで、こうしたあからさまにファンから金を巻き上げる手法はネット上で「金ザイル商法」などと揶揄され、ファンからも不満や批判的な声が上がっていました。
こうした汚い売り方をしてきたことでイメージが悪くなり、その結果徐々にファンも離れていき人気も徐々に低下し、アンチも非常に多いわけですが、今後もAKB48のように露骨な特典商法を行っていくのでしょうね…。