新垣結衣さんが主演を務め、昨年大ヒットしたTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』（略称：逃げ恥）のエンディングで、出演者たちが星野源さんの楽曲『恋』に合わせて踊る「恋ダンス」が社会現象となり、YouTubeには多くの「踊ってみた動画」が投稿されていましたが、星野さんが所属するレコード会社側が動画の削除を呼び掛けており、9月1日からは動画の削除手続きがスタートすることも発表しています。
恋ダンスの踊ってみた動画はYouTubeに数多く投稿され、社会現象とも言われるほどの大ブームになりましたが、その大きなきっかけとなったのは、楽曲の販売元であるレコード会社『ビクターエンタテインメント』内のレーベル『SPEEDSTAR RECORDS』が、ドラマ放送中の昨年11月に「CDや配信で購入いただいた音源を使用し、ドラマエンディングと同様の90秒程度の“恋ダンス”動画をドラマ放送期間中にYouTubeに公開することに対し、弊社から動画削除の手続きをすることはございません。」と、一定の条件付きで『恋』の音源使用を公式に特例で許可したことにあり、これによって様々な動画が投稿されました。
＜↓の画像は、ドラマ出演者たちの恋ダンスワンシーン＞
しかし、すでにドラマの放送は終了したため、今年に入ってから新たなアナウンスがあり、「個人・非営利を目的として “恋ダンス”動画を制作し、公開していること。」「使用される『恋』の音源は、お客様がCDや配信でご購入いただいた音源であること」「動画で使用されている音源の長さがドラマエンディングと同様の90秒程度であること。」といった条件を満たし、その他に営利目的などではない場合、今年8月末までは「著作権法に基づく動画削除の手続きは行いません。」と報告。
その上で、9月1日以降には「弊社基準に従い手続きを行う予定ですので、2017年8月末日までにお客様ご自身で“恋ダンス”動画の公開中止・削除を行っていただきますよう、お願いいたします。」とアナウンスしていました。
そして、タイムリミットが過ぎたことを受け、『SPEEDSTAR RECORDS』は改めて恋ダンス動画に関するコメントを発表し、事前にアナウンスしていた通り、動画の削除手続きを始めることを報告しており、「弊社からの削除手続きが始まる前に、可能な限りお客様ご自身で“恋ダンス”動画の公開中止・削除の作業を行っていただきますよう、お願いいたします。」と、自主的な削除をしてほしいと改めて呼び掛けています。
また、最後には「たくさんの皆様に楽しんでいただきましたこと、スタッフ一同感謝と御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。引き続き、星野源の応援をよろしくお願い申し上げます。」と、感謝の言葉も綴っています。
- 星野源『恋』公式MV（YouTube）
なお、1日18時の時点でYouTubeで「恋ダンス」と検索すると、48万件以上の動画がヒットし、現在も数多くの踊ってみた動画が残っているものの、今後これらの動画は全て削除されるのですが、これに対してネット上では、
- 何回か見てしまう作品もある。別にいいじゃんか、と思いますがね。
- 売上に繋がるときは容認。もう流行も終わったし、これからCDも売れないだろう。となれば著作権で削除。あー、ちっさいなぁ。みんなCDも買わなくなればレコード会社もジャスラックも真っ青だな
- こんなの逆効果だよ。アナ雪とか初音ミクとかお客さんが積極的に盛り上げてくれたから成功したのになあ。わかってない
- みんなで盛り上がってなんぼなのに、役割が終わったからダメっていうのは分からないねぇ。まぁ、ビクターエンターテインメントはPVにも途中でＣＭ入れたりとか、やり方がせこい。
- もう見る人もあんまり居なさそうな今になって削除依頼を出すことにどれほどの意味があるんだろう
- 踊ってみた動画で流行にまでなったのに、ドラマ終わって必要なくなったらポイかよ。やり方が汚い。
などと批判的なコメントも寄せられています。
しかし、音源の使用許可を正式発表した当初から期限付きであることを明記しており、ドラマ終了後もしばらく動画公開を許可するなどの寛大な対応を取っていることから、
- なぜ否定されるのかがわからん。会社側が言ってる事は非常に正論なのに
- ドラマ終了までと言っていたのを、最近まで引き伸ばしてくれていたのか。批判するのはお門違い。
- そもそも無許諾で使えることが特例だったんだし、これが当たり前と思っちゃいけない
- 逃げ恥が終わるまでだと思ってた。そう告知してたし。今までフリーだった事にちょっとびっくり！
- 最初から期間限定だったはず。これまで黙認してくれてたことですら文句ある人がいるのが不思議。
- 一年間も楽曲の使用を無料で許可し、しかも削除する前に何度もお知らせしているのに…何故文句を言う人が居るの？
- 本来なら一切曲が使えないところを星野源やレコード会社が融通を効かせて曲を使った動画投稿を期間限定で認めてあげてたんだよ。しかもとっくにドラマが終わってる2017年の8月いっぱいまで。これはむしろ感謝すべきことだと思う。
などのコメントが寄せられており、今回の件については賛否両論となっています。
通常、レーベル側が楽曲の使用を正式に許可するということはなく、今回の対応については特例で、権利者の許可なく音源などを動画共有サイトなどにアップする行為については著作権法違反になります。
また、独創性のあるダンスについても著作物に該当するとされているため、恋ダンスの踊ってみた動画の削除を求められた場合には応じる必要があり、もし強制的に削除されたとしても文句は言えません。
ちなみに、著作権保有者が動画投稿者を告訴し、損害賠償請求、配信の差止請求（投稿の削除）を求めた場合、10年以下もしくは1000万円以下の罰金という重い刑が科されることになるため、今後動画が削除されたからといって、YouTubeなどの動画共有サイトに動画を再アップしないよう注意してほしいですね。