昨年8月に約15年にわたる連載が終了した漫画『BLEACH(ブリーチ)』の作者・久保帯人さん(たいと 40歳)が13日、今年1月以来11ヶ月ぶりにツイッターを更新し、昨年11月にツイッター上で呼び掛けていた手紙の差出人と連絡が取られたことを明らかにしました。
久保帯人さんは昨年11月17日に、連載開始から10年目のころに届いた1通のファンレターに関する話を描き、それをツイッター上で公開していました。
<↓の画像は、『BLEACH』の作者・久保帯人さんの写真>
その当時は体調が芳しくない状態が続いており、このまま連載を続けていたいいのだろうかなどと思い悩んでいたそうなのですが、そうした時に届いたファンレターの中に、名前や住所が記されていない差出人不明の手紙が混じっていたといいます。
その手紙を読むと、闘病中の男の子から送られてきたものだったといい、男の子は医師から余命1年半だと告げられていることが記されていたそうです。
<↓の画像が、久保帯人さんがツイッターに投稿した漫画の写真>
この男の子は入院中に様々な漫画を読み、中でも『BLEACH』が特に好きで、話の続きを読むことを楽しみにし、入院後初めて明日のことを考えるようになったことや、『BLEACH』が自分の世界を変えてくれ、再び生きる力を与えてくれたことなどが記されていたそうです。
しかし、この手紙は自分が亡くなってから送ってほしいと頼んだことも記されていました。
こうした手紙を5年ほど前に受け取った久保帯人さんは、投稿した漫画の最後で「この手紙の送り主を探す手伝いをして頂けませんか」と読者に呼び掛け、「住所も名前も描いてない手紙の差出人を探すなんてことが僕のわがままであることも分かっています。それでも僕は彼へのお礼が言いたいのです。このお礼の漫画を彼は読めていないのだから」と記していました。
ツイッターでは、実際に送られてきた手紙と封筒の写真も公開し、情報提供を呼び掛けていました。
この投稿から2ヶ月後の今年1月にツイッターを更新した際には、「手紙の件についてのお知らせと、一区切りの為のツイートをします。」とした上で、手紙の差出人について決定的な情報がまだ届いておらず、まだ見つかっていないことを報告。
また、多くのテレビ番組などからも協力の要請をもらったものの、「それをしてしまうとご家族が出て来ざるを得ない状況を作ってしまうように思えて、ご家族の意思を尊重するため、全てお断りさせて頂きました。」と明かしていました。
そして、この投稿から約11ヶ月後の13日に久保帯人さんがツイッターを更新し、「11月初旬、Twitterでの呼びかけから1年、手紙の差出人の方と連絡がつきました。」と報告。
連絡が取れた手紙の差出人については、「僕はてっきり差出人はご家族の方だと思っていたのですが、少年と同じ病院に入院していた友人の方でした。 頂いた連絡で詳しいいきさつを伺い、愁眉(しゅうび)を開く思いがしました。」(愁眉を開くの意味:心配ごとがなくなって安心する。)とし、数多くの情報提供に対しても感謝の言葉を記しています。
<↓の画像が、久保帯人さんのツイート写真>
このようにして、1年がかりで手紙の差出人を見つけることができたことが判明しネット上では、
- これは本当にいい話。
- 映画化決定
- 先生、この顛末を漫画にしてドラマ化しましょう
- 感動的な話をありがとうございます。アンビリーバボーで取り上げて欲しい
- BLEACHの最終回で輪廻転生らしきことを描いていたのは作者の想いがあったのだなと思うと胸が熱くなった。想いが少年に届いているといいね。
などのコメントが寄せられています。
久保帯人さんが昨年11月から投稿した一連のツイートは、合わせて約100万リツイートを記録するほどの反響を呼び、封筒に押されている消印などから、この手紙はどこから投函されたのかを予想する声などが数多く寄せられていました。
しかし、今年1月の時点で具体的な情報がまだ寄せられていないという報告があり、正直見つかる可能性は低いのではないかと思っていただけに、差出人が見つかったという今回の報告には驚くとともに、ホッと一安心しました。
ファンレターを書いた男の子は、残念ながらもうこの世にはいないのだろうと思いますが、送った手紙をしっかりと読んでくれていたことや、連載するにあたって励みになっていたことを知り、あの世で喜んでいるのではないでしょうかね。