手足・のど・舌の筋肉の萎縮と筋力の低下をきたし、発症した方の半数が発症から3年~5年で呼吸筋麻痺によって死に至る難病で、未だに有効な治療方法が見つかっていない「筋萎縮性側索硬化症」(ALS)の、治療研究を支援するために現在世界中で広まっているチャリティキャンペーンの「アイス・バケット・チャレンジ」。
これは指名を受けた人が、バケツに入った氷水をかぶり24時間以内にFacebookやTwitterなどのSNSでその動画を公開するか、100ドル(約1万円)をALS協会に寄付をするかを選択、そしてその後また3人の挑戦者を指名してこのチャリティを波及させていくというもので、レディー・ガガやジャスティン・ビーバーなど海外の有名人の間で最初話題となり、今日本でも芸能人以外にソフトバンクの孫正義社長や、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授らが参加するなど広まりつつあるのですが、これに対してタレントの武井壮さんなどが異論を唱え話題になっています。
武井さんはロンドンブーツ1号2号・田村亮に指名されたことを8月21日に自身のTwitterで明かしたうえで「思うところあって氷水はかぶりません!」と、宣言。
さらに「その代わりにALSに限らない難病支援や(中略)さらに東北で被災された方々への寄付などにその思いを回します!!」とツイートしました。
武井さんは以前から、今回のチャリティー行為に対し疑問を持っていたようで、7月14日にもTwitterで『Facebookでアイスウォーターチャレンジっていう動画を掲載した人を片っ端から友達削除する朝5時。。。』と、つぶやいていました。
また、武井さん以外にも大江千里さんがこのチャリティーを疑問視しているようで自身のブログで、次のように語っています。
(↓の画像が、大江千里さんの写真)
「僕は否定するつもりはないけれど」と前置きしつつも、「レデイーガガがやっているからとか、ハリウッドのセレブがやってるからとかで、そのままやっちゃう日本の芸能人ってけっこういるじゃないですか?底が浅いなってつくづく思う(笑)物事の本質を理解できてない」
これにネットでは、
- これは正論
- パフォーマンスありきって、なんなんだろうね
などの賛同する声があがっています。
現在、日本だけでなく世界でもこのやり方に対し疑問視する人が出てきていますが、今後このチャリティー活動はどうなっていくのでしょうか。
これにネットでは、
- 治療法もないのに集めた金はどうするつもりなんですかねえ、それよりは金さえあれば確実に治療し回復できる病気に寄付した方が効率的だと思うんだが
- 氷水かぶるか100ドル払うか両方やってもいいって、どっちも嫌だっていうことはできないのか。完全な恐喝だろこれ
- 今のこのムーブメントの何がムカつくかってさ、金がある人→寄付して貢献、金に余裕がない人→氷水被って次の人を指名し、病気の認知に繋げて貢献っていうことを意図したものなのに、金に余裕のある奴、つまり糞有名人達が寄付しつつパフォーマンスとして氷水被っちゃってんだよ。もうこれ回ってきた人は金に余裕があるなし関係なく氷水被らなきゃいけない空気になってしまってる
- ぶっちゃけ、個人的には武井と同じく冷めた目で見てる方だけど、こういうのをすぐ偽善とか言って叩く一般人が大勢現れるから、日本でチャリティ文化が広まらないんだと思う。なんでもっと心に余裕がないのかね
- 指名制度があるせいで、チェーンメール+半強制感がある。だからこのシステム賛同出来ない。あと氷水頭からかぶるのは体に良くない。
などのコメントがありました。
ALSがどういう病気であるかということを知ろうともせず、ただ話題になっているからという理由で挑戦し、ただそれを楽しんでいるようにしか見えないので批判的な意見が出るのもしょうがないことですね。
そしてこれに対して武井さんが若干怒りをあらわにし、支持を集めているようですが、武井さんの兄である情さんさんは俳優を志していたものの、24歳の時に亡くなっています。
これは末期ガンによるもので、そうしたことから武井さんはこのチャリティーイベントの本質とずれてしまっている今の現状が、許すことが出来なかったものと思われます。
ですがこのチャリティイベントの波及によって、支援団体への8月の寄付金は約1560万ドル(約16億円)と、昨年同時期の180万ドルと比べて10倍近くの大幅増加をしており、決して悪い面だけではありませんので否定は出来ません。
しかし、氷水をいきなりかぶることで心臓麻痺を引き起こす可能性もあるので、安易にチャレンジすることだけは止めてもらいたいですね。