2019年末をもって芸能界を引退した元グラビアタレント・森下千里さん(もりした・ちさと 40歳)が、衆議院議員総選挙の宮城県第5区に自民党から出馬し、6万1,410票を獲得するも落選、比例選での復活当選も逃しました。
森下千里さんは愛知県名古屋市出身で、自民党の公認候補として宮城5区から出馬したことに対しては疑問の声が多く上がり、今年3月に出馬表明してからネット上で物議を醸していましたが、これまで特に縁もゆかりもなかった地で6万票以上を獲得し、得票率は43%を超えていました。
ニュースサイト『AERA dot.』はこの結果に対して、森下千里さんの健闘ぶりを称える声が多く上がっていること、県民からは「次は勝てる」と期待の声もあるとしています。
森下千里さんは今年3月に、自民党の宮城県第五選挙区支部長に選出されて出馬を表明し、4月上旬に母親と共に東京から宮城県石巻市に移住して街頭演説を行っていました。
そんな森下千里さんに対して、宮城県在住の50代女性は『AERA dot.』の取材に、「今回の選挙は時間がなさすぎた。あと4年間は長いかもしれないが、地元の人達とコミュニケーションを取って地道に活動をすれば、次の選挙で安住さんに勝てる可能性は十分あると思う」
と語ったとしています。
また、地元のテレビ関係者は、「宮城5区は安住氏の地盤で、自民党候補は誰が出ても厳しい状況だった。ましてや名古屋出身の森下さんは落下傘候補で宮城との結びつきが薄い。正直無謀な戦いだと最初は感じました。その中で6万票以上の得票数は大健闘です。石巻に移住して辻立ちを毎日続けた姿勢に有権者の印象が変わりましたね。最初は街頭演説していても通り過ぎる人が多く、タレントという物珍しさで見る人も多かったが、猛暑で汗が流れる中でも髪を振り乱して東北の復興を訴え続けると、多くの人が足を止めるようになった。地元の産業に携わる人たちとも意見交換し、『勉強させていください』と低姿勢だったと聞きます。タレントからの政治家転身は冷ややかな視線で見られることが多いですが、森下さんはよく頑張ったと思います」
と、森下千里さんの健闘を讃えています。
これに対してネット上では、
- タレント議員はいらない
- 勝てるか負けるかの前に、政治家になったときに何ができるかを示してほしい
私の知る限りタレント議員が客寄せパンダになる以上の効果を見たことがない。蓮舫に限っては日本政治の足を引っ張る有様。 - まずは市議なり県議なりで経験と勉強をしてから国政ではダメなのか。いきなり国政に挑戦は正直いい印象を与えないと思う
- 自民党の今井絵理子みたいに「当選してから勉強します」とかふざけたことさえ言わなければ、別にタレントだろうとスポーツ選手だろうと実力があれば構わない
- 「次は勝てる」と言うが、注目されることに慣れている人が、約4年間何の縁もない地方で、地味に冷や飯を食い続けられるのか疑問。
今回は短期間で注目を浴びることができたから頑張れたのだと思う。 - 世襲や高学歴だけの議員も嫌だけど、やっぱりタレントやスポーツ選手出身はやだ。頑張ってます!低姿勢です!真面目で勉強熱心です!ってだけで政治家になれるんなら誰でもなれる。
もし政治家になりたいのであれば、議員になる前に色々社会的経験を積んで立候補して欲しい。今井恵理子みたいなのは本当に勘弁して欲しい。 - 森下さんの演説をYouTube動画で拝見しましたが、非常に政策を勉強されているし、地元の人たちに訴える力も強いと思いました。
やたら、タレント議員だとレッテルを貼られがちですが、この人は議員候補として着実に成長されていると思います。次はぜひ当選して欲しいです。 - 6万人が支持してくれたっていうのは凄いと思うが、本気で政治に取り組むつもりなら、市議なり県議なりで政治に対する実績を積んでから国政への方がいいんでは。
6万人が認めたのは話題性だけではないはずなので。
などの声が上がっています。
森下千里さんが政治を志したきっかけは、2011年の東日本大震災だったそうで、森下さんは当時、芸能人の仲間たちと何度か炊き出し等に参加し、その後に永田町関係者と会う機会が増え、過去の炊き出しやチャリティー活動への参加経験から、被災地への復興に尽力していきたいとの思いがあったため、宮城5区で候補者を公募するということを聞いて立候補したとのことです。
森下千里さんの祖父と叔父は富山の町議だったそうで、祖父たちの背中を見て育ったことや、タレント時代の仲間に政治色が強いラサール石井さん、石田純一さんといった人達がいたことも政治を志す1つのきっかけだったようです。
ただ、森下千里さん自身はタレント時代から特に政治色があったわけではなく、芸能の仕事が減ってからは手あたり次第に様々なことをしていた印象で、小説を書いたり、趣味のゴルフ・釣り関連の活動をしたり、起業してピラティスのスタジオ運営などを行っていました。
そうした中で突然、昨年11月から再開したツイッターで政治関連の発言をするようになったことから、周囲に担がれたことで政治家を志すようになったのではないか、単に知名度を活かしての出馬だったのではないかと思ってしまうものの、縁もゆかりもない地での選挙で6万票以上を獲得したのはすごいと思います。
森下千里さんは昔からかなりの努力家で、上昇志向が強く根性もあったとされているので、今回の衆院選では落選となったものの、政治家になるためにここで諦めることなく、引き続き政治の勉強も重ねていくのでしょうかね。