古市憲寿の小説が芥川賞候補で物議…今年下半期の直木賞・芥川賞ノミネート作品発表
第160回『芥川賞』と『直木賞』の候補作品が17日に発表され、情報番組のコメンテーターやタレントとしても活躍の社会学者・古市憲寿さん(ふるいち・のりとし 33歳)が、初小説『平成くん、さようなら』(文藝春秋)で芥川賞候補にノミネートされたことが明らかになりました。
今年下半期の芥川賞候補となった6作品は、上田岳弘さん(39)の『ニムロッド』、町屋良平さん(35)の『1R 1分34秒』、鴻池留衣さん(31)の『ジャップ・ン・ロール・ヒーロー』、砂川文次さん(28)の『戦場のレビヤタン』、高山羽根子さん(43)の『居た場所』となっています。
続いて直木賞候補5作品は、アニメ化された『有頂天家族』『ペンギン・ハイウェイ』などで知られる森見登美彦さん(39)の『熱帯』、垣根涼介さん(52)の『信長の原理』、深緑野分さん(35)の『ベルリンは晴れているか』、今村翔吾さん(34)の『童の神』、真堂順丈さん(41)の『宝島』がノミネートされています。
古市憲寿さんの作品がノミネートした芥川賞(正式名:芥川龍之介賞)は、純文学の新人に与えられる文学賞で、新聞や雑誌で発表された純文学短編作品が対象とされています。
一方の直木賞(正式名:直木三十五賞)は、無名からベテランまでキャリアなどに関係なく大衆小説に与えられる文学賞で、新聞や雑誌、単行本として発表された短編、長編の大衆文芸作品の中から大賞が選ばれます。
それぞれの選考会は来年1月16日に行われ、贈呈式は2月下旬、受賞者には懐中時計と賞金100万円が贈られ、芥川賞の受賞作品は『文藝春秋』、直木賞の受賞作は『オール讀物』に掲載されます。
2015年上半期にはピース・又吉直樹さん(35)が『火花』で芥川賞を受賞し、昨年の下半期には、4人組バンドの“セカオワ”こと『SEKAI NO OWARI』のSaoriさん(本名=藤崎彩織 32歳)の『ふたご』が、直木賞にノミネートしたことで大きな話題になりました。
そして、今回は様々なテレビ番組でも活躍中の古市憲寿さんの『平成くん、さようなら』が、芥川賞候補としてノミネートされたことで話題になっており、ネット上の反応を見てみると、
これにネットでは、
- 意外に受賞しちゃったりして?
- 辞退するのが彼らしい。ぜひ。
- 話題になることで読んでみようかな。って思う人も少なからずいると思う。
- 去年はセカオワのメンバーの1人が候補に挙がっていたけど、とりあえずは有名人の名前を1人挙げとけ、みたいな風潮になってきてるのかな?
- 芥川賞も格が落ちたな。
- 話題作りとしか思えない
- 商業主義の塊に堕ちてしまった出来レースの賞
- 本を売るためのブックショーになってしまった!
- 水嶋ヒロあたりから、文学ショーレースには有名人が選出されている気がする。著者の努力もあるんだろうけど、主催者側の思惑の方が強い。
- 芥川賞もステータスというか、威厳というものが薄れてきたな。話題作りをしないと注目されなくなってきているし、なにしろ雑誌が売れなくなっているご時世ということもある。
まあ、週刊文春を出版している会社だから、話題作りは得意分野かも。 - 最近の芥川賞を見ると、話題を呼ぶために、実力のない作品や人を候補にしている気がする。又吉は良いとしても、SEKAINOOWARIのサオリの本のレベルの低さは驚いた。
などのコメントが寄せられています。
古市憲寿さんはこれまでに複数の著書を出版しているのですが、自身初となる小説『平成くん、さようなら』は、安楽死が重要テーマとなっている作品で、平成の終わりと共に安楽死を考える主人公と、その考えを受け入れられない恋人が死について考えるというシリアスな内容となっています。
古市憲寿さん自身はこの作品について、平成が終わる前に何か作品を書きたいという思いがあったとし、本屋に並んでいる平成について書いた本が多くあるものの、「全部失敗してる気がする」と思ったことから、平成という時代を物語形式で表現したと説明しています。
<↓の画像は、古市憲寿さん著『平成くん、さようなら』の写真>
そんな『平成くん、さようなら』が、芥川賞候補にノミネートされたことで注目を集めてはいるものの、ネット上では否定的な声が多く上がっているのですが、古市憲寿さん自身もコメンテーターを務めている17日放送の『とくダネ!』(フジテレビ系)で、「多分、いろんな人がムカついてると思うんですよ。なんで古市が候補なんだって。でも、そういう人は他の候補の人のも面白いので、読んでいただいて、賞が盛り上がればいいかなと思っています」
と語っています。
芥川賞や直木賞はここ数年、芸能人など注目を集めそうな人物の作品がノミネートされることが増えており、その理由の1つとして出版業界の不況などが挙げられています。
また、芥川賞と直木賞は出版社『文藝春秋』が設立した賞であるため、『文藝春秋』側が今後売り込みたい作品を候補に入れ、話題作りに利用しているのではないかとも噂されています。
実際に、ピース又吉さんの『火花』、セカオワSaoriさんの『ふたご』、古市憲寿さんの『平成くん、さようなら』はそれぞれ出版元が『文藝春秋』で、出版社側の思惑が見え隠れしているのですが、果たして古市さんは芥川賞を受賞するのか否か、どのような結果となるのか注目したいですね。
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- https://toyokeizai.net/articles/-/253799
- https://www.ajpea.or.jp/statistics/
- https://japan.cnet.com/article/35077597/
- http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1801/26/news092.html