毎年恒例となっている『2016ユーキャン新語・流行語大賞』(現代用語の基礎知識)の表彰式が1日に行われ、年間大賞とトップテンがついに発表されました。
今年の年間大賞に選ばれた言葉は、今年25年ぶりのリーグ優勝を果たしたプロ野球『広島東洋カープ』の緒方孝市監督が、2試合連続のサヨナラホームランを打った鈴木誠也選手を表した「神ってる」で、昨年大賞を受賞した「トリプルスリー」に続き、2年連続でプロ野球界から誕生した流行語が大賞を受賞しました。
トップテンにランクインしたのは、ベッキーさんと『ゲスの極み乙女。』の川谷絵音さんの不倫騒動などを表現した「ゲス不倫」、お笑い芸人の古坂大魔王さん扮するキャラクター・ピコ太郎さんが発表した楽曲「PPAP」、サッカー日本代表・長友佑都選手が、現在交際中の女優・タレントの平愛梨さんのことを表現した「(僕の)アモーレ」(イタリア語で愛する人の意)。
世界的なブームとなったゲームアプリ「ポケモンGO」、邦画の歴代興行収入3位となる194億円を突破した大ヒットアニメ映画『君の名は。』により、一般にも広まったアニメの舞台となった場所などを巡る行為「聖地巡礼」、その他に「保育園落ちた日本死ね」、「マイナス金利」、「盛り土」、「トランプ現象」といった政治・経済関連の言葉もランクインしてます。
【『2016ユーキャン新語・流行語大賞』の大賞受賞語、トップテン受賞語】()内は受賞者
「神ってる」(広島東洋カープ・緒方孝市監督、広島鈴木誠也外野手)
「聖地巡礼」(ディップ株式会社)
「トランプ現象」(受賞者なし)
「マイナス金利」(日本銀行)
「ゲス不倫」(週刊文春編集部)
「保育園落ちた日本死ね」(山尾志桜里衆議院議員)
「盛り土」(受賞者辞退)
「ポケモンGO」(株式会社ナイアンティック、株式会社ポケモン)
「(僕の)アモーレ」(インテルミラノ・長友佑都、平愛梨)
「PPAP」(ピコ太郎)
今年で33回目となる『新語・流行語大賞』は、『現代用語の基礎知識』(自由国民社)の編集部の調査によって候補語を選出し、東京大学名誉教授・姜尚中さん、歌人・俵万智さん、女優・室井滋さん、マンガ家・タレントのやくみつるさん、クリエイティブ・ディレクターの箭内道彦さん、『現代用語の基礎知識』編集長・清水均さんの7人からなる選考員会によって、その年の『新語・流行語大賞』が選出されます。
2015年は「トリプルスリー」と「爆買い」、2014年は「ダメよ~ダメダメ」と「集団的自衛権」、2013年は「お・も・て・な・し」、「じぇじぇじぇ」、「今でしょ!」、「倍返し」、2012年は「ワイルドだろぉ」、2011年は「なでしこジャパン」、2010年は「ゲゲゲの~」が大賞を受賞しています。
そして、今年の結果に対してネット上では、
- 神ってるなんて全然流行ってないし、野球みてない人は知らんだろ
- 去年もそうだけど、野球を無理矢理からませた感じだね
- ごく一部の世界じゃなくて、ちゃんと流行してる言葉選べよ
- 去年に続いて今年も不可解な大賞だな。使ってる奴や話題にする奴に出会ったことないし、ネットでも目にしないわ。
- 二年連続でプロ野球関係…正直、昨年のトリプルスリー同様にプロ野球に興味のない人は知らない人多いような気がしますが…野球好きのやくみつるのゴリ推しじゃないかと思ってしまいます。
- やくみつるが決めてる時点でアウトだし、もう今年で終わりにしたら
- 今年はゲスでしょう。
- 昔のほうがまともだった。全然時代を反映してないし、なんじゃこりゃ。
- ネガティヴなものを消去した結果…って感じかな。正直、野球ファン(もっと言えばカープファン)以外はポカーンだろうね。
など、今年も大賞語に対して批判的なコメントが殺到しています。
選考委員の姜尚中さんは今回の表彰式で、「今年は不確実な時代の中、非常にとがった、過激な言葉が多かった。ネット社会の増幅装置が言葉をとがったものにしているのでは。もう少しホンワカした言葉も選びたいなと思いました」と語り、室井滋さんも「先行きに少なからずとも不安を抱えているひとりとして、私としては『(僕の)アモーレ』や『神ってる』のようなホンワカ夢のある新語を応援したいと思う」とコメントしています。
ネガティブな語を排除し、明るい話題に関する語を大賞にということで「神ってる」が大賞に選出されたのだと思われますが、昨年の「トリプルスリー」と同様に、野球ファンの間では流行した言葉なのかもしれないものの、それ以外ではそこまで話題にはなっておらず、流行語とするのは少し無理があるのではないかと思いますし、「神ってる」だけでなく、それ以上に話題になった「ゲス不倫」や「文春砲」といった語についても、大賞を受賞させても良かったのではないかと個人的には思います。
昨年に続き今年もネット上では批判的な声が殺到しており、炎上状態になっているのですが、果たして来年はどのような言葉が生まれ、『新語・流行語大賞』を受賞するのかに注目したいです。