今年1月に脳梗塞を発症し、『笑点』(日本テレビ系)などへの出演を休止している落語家・三遊亭円楽さん(本名=會泰通 あい・やすみち 72歳)が、11日に東京・国立演芸場で初日を迎えた8月の中席公演に出演し、約7ヶ月ぶりに高座復帰を果たすと共に、「高次脳機能障害」を発症していることも公表しました。
初日の中席公演にトップバッターで登場し、念願の高座復帰を果たした三遊亭円楽さんは観客の前で涙を拭いながら、「ありがとうございます。とにかくここまで上がってきまして。感極まって怪しくなるかもしれませんが。歩いて出てきて、歩いて帰れるようになるまで頑張ります。」「(落語家を)辞めちまおうと思った。代わりはいくらでもいる。でも、スタッフに『みっともなくてもいいからやりましょう』と言われた。みっともなくてもいい。死ぬまでやります」
と、生涯現役を宣言しました。
予定時間の倍近い30分ほど話し、出番を終えた後には報道陣の取材に応じ、現在の体調について聞かれると、「まぁまぁだけど、高次脳機能障害で短期の記憶は…。難しいのはよく分からないけど」と告白し、短期間の記憶が失われてしまう短期記憶障害を発症していることを明かしました。
ただ、「ありがてぇなと思ったのは、長期記憶で昔覚えた落語は忘れてないんだよ。それはスゴいなと思った。しゃべっていると、なんとかストーリーで出てくる。これなら、まだまだ。みっともない形でもやれる。スタッフも『みっともなくても構わないからやりましょう』と言ってくれる。」
と明かしています。
現在も左腕にはマヒが残っていて、移動時には車イスを使用していますが、5月に退院してからは近所を散歩するなどリハビリに励んでいるとし、今後の活動については、「演芸プロデューサーでも、落語コーディネーターでもいい。落語に関わる仕事であればやる。車イスを押してもらって、あちこちに落語を聞きに行こうと思う」
と語り、新たな活動にも意欲を見せています。
そして、三遊亭円楽さんの高座復帰、高次脳機能障害の告白などを受けてネット上では、
- 同業者にも通ぶった客にも色々言う人いるだろうから、新しい事は忘れるって逆に良かったよ。ネオ円楽、楽しみにしてます
- 続けるのも立派な選択だと思う。これから芸に凄みが出るかもしれない
- 笑点の完全復帰を期待しますが、無理は禁物で
- 高次脳機能障害とはいっても、失語症などではなかったのが不幸中の幸いだと思う。応援してます。
- この辺は考え方次第だよな…。先代の円楽さんは「みっともない」姿を見せたくないから、当代・円楽さんに名前を譲った。でも桂歌丸さんは亡くなる直前まで高座に上がり続けた。
当代・円楽さんは2人の影響を強く受けているから高座に向き合う姿勢は歌丸さんの影響が強かったのかも…。 - みっともなくなったら、公の場には出ない方が良いと思います。芸人だろうと、俳優だろうと、お茶の間の視聴者は、元気を貰いたいのです。
みっともない姿や惨めな姿を倒れる所まで見たいとは思っていません。 - また笑点で林家たい平さんとの掛け合いや、他のメンバーとの和気あいあいな姿を楽しみにしています。
- こちらも涙、涙です。笑点での毒舌楽しみにしています。決して飛ばしすぎなどの無理はしないで下さいね。人生長いのです ゆっくりとね
などの声が上がっています。
三遊亭円楽さんの高座復帰は、倒れてから約半年後の7月に発表され、その後すぐに五代目円楽一門会のイベント『三遊まつり』に出席し、体調の回復ぶりをアピールしていました。
ただ、脳梗塞の後遺症によって杖無しでの歩行が困難なほか、言語障害(構音障害)によって呂律(ろれつ)が回らない状態で、高次脳機能障害による短期記憶障害も発症しているとのことから、完全復帰にはまだまだ時間がかかるとみられます。
今後どこまで回復するかも分からないですし、元の状態まで回復させることは難しいかもしれませんが、三遊亭円楽さんは今後も落語を続けていくと明言し、そのために週3回の頻度で言語療法、歩行トレーニングなどのリハビリに取り組んでいるといいます。
現在も『笑点』への復帰を待ち望む声は多く上がっているので、いつかまた元の場所に戻れるように、これから焦らずに一歩一歩前進していってほしいですね。