NHK・Eテレで放送されている子供番組『にほんごであそぼ』等に出演し人気を集めていた浪曲師の国本武春さん(本名=加藤武)が、脳出血による呼吸不全のため、24日に亡くなられた事が明らかとなりました。55歳でした。
通夜、葬儀・告別式は近親者で営まれ、後日、お別れの会を開く予定とのことです。
国本さんは浪曲師の父・天中軒龍月さん、母・国本晴美さんのもとで育ち、1980年に浪曲の三味線曲師の東家みさ子さんに師事し、翌1981年に浪曲師の東家幸楽さんに入門。
曲師が弾く三味線の伴奏に演目を語るという従来の浪曲にとどまらず、三味線の弾き語りスタイルで活躍し、古典浪曲だけでなく、ロックやブルース、カントリーなど様々な音楽ジャンルを取り入れた独自のスタイルを確立。
- 国本武春 in 道頓堀ZAZA(YouTube)
1995年に、文化庁芸術祭賞演芸部門新人賞と浅草芸能大賞、1998年に花形演芸大賞、1999年に芸術選奨文部大臣新人賞など数多くの賞を受賞しており、日本浪曲協会副会長を務めていました。
これまでに浪曲師として多くのCDやDVDをリリースし、その他にも1999年にNHK大河ドラマ『元禄繚乱』や『にほんごであそぼ』などの子供番組にも出演。
さらに、アニメ『おでんくん』(NHK)などの作品では声優を務め、2002年には宮本亜門さん演出によるブロードウェイ・ミュージカル『太平洋序曲』に出演するなど、幅広い分野で活躍していましたが、12日に東京・亀戸での公演のリハーサル中に脳出血で倒れ、救急搬送されて入院していました。
そんな国本さんの突然の訃報にネット上では、
- ギターの弾き語りのようでカッコよく浪曲を若い世代に伝えられる人だった。早すぎる。残念。
- にほんごであそぼでこの方の曲を聴いて、浪曲も面白そう…と興味が持てました。まだこれからというときに残念です。心からご冥福をお祈りいたします。
- 今年は各界の将来を嘱望された若手の方々の他界が多かったのに、最後の最後まで・・・
- うなりやベベン…いつも、にほんごであそぼ 見てるのに︎悲しすぎる…
などのコメントが寄せられています。
国本さんは2010年12月に突然40度の高熱を発し、病気をおして高座に出たものの口演中に倒れて1ヶ月以上入院しており、その時には医師からからは「浪曲に限らず社会復帰も難しい」と告げられ、さらには体重は20キロ減るなどしたそうなのですが、2011年に仕事を徐々に再開していき、以前の様に精力的な活動をしていました。
そうしたことから、あまりにも突然の訃報に驚くばかりで、これからの活躍に期待されていた方だけに非常に残念です。
国本武春さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。