アニメ『ふたりはプリキュア Splash☆Star』のチョッピ、『ひだまりスケッチ』シリーズの吉野屋先生、『ハヤテのごとく!』の鷺ノ宮伊澄、『這いよれ! ニャル子さん』のクー子の声などを務めていた事で知られる人気声優・松来未祐さん(本名=松木美愛子 まつき・みえこ)が、10月27日に38歳の若さで亡くなられていたことが11月2日に明らかとなりました。
しかし、松来さんが患っていた病名、死因については明らかにされておらず、ネット上では様々な憶測が飛び交っていましたが、15日に松来さんのブログ上で病名と死因が公表されました。
ブログは「松来未祐を応援してくださった皆様へ」とのタイトルで、「昨日12月14日、松来未祐の四十九日が無事に終わりました」と報告し、「ご遺族の『同じ病気の一人でも多くの人が、早期発見により助かって欲しいので、病名を公表したい』」と病名公表の経緯を説明し、病名は「慢性活動性EBウイルス感染症」、死因は「悪性リンパ腫」だったと明らかにしています。
また、松来さんのこれまでの経緯について綴られており、松来さんは体調不良が続き検査を重ねていたものの、原因が分からないまま6月30日に急性肺炎によって緊急入院することになったと説明しています。
その後の精密検査の結果、「慢性活動性EBウイルス感染症」という非常に症例が少なく、難病指定もされていない病気を患っていることが明らかとなり、そこから松来さんの闘病生活がスタートしたといいます。
9月4日には一時退院が認められたものの、同18日に再入院し、10月27日22時18分に亡くなられ、最終的な死因は「悪性リンパ腫」だったと説明しています。
そして、スタッフは「辛い治療にもいつも前向きに立ち向かっていて、必ず完治して復帰できると信じておりました。」とし、「本人も、いつか手記を出して同じ病気に苦しむ人の支えになりたいと考えていました 今回の公表を機に、より多くの方に『慢性活動性EBウイルス感染症』という病気を知っていただき、早期発見と治療法の進展に繋がることを願っております」「松来未祐を支えてくださった全ての方々に、スタッフ一同、心より感謝申し上げます」
としています。
さらに松来さんの両親によるメッセージが最後に記されており、「娘の闘病生活については頭が下がるほど立派でした。ただ、ただ、仕事に復帰したい一念だったと思います。亡くなる直前まで意識はあったようで、言葉を発することはできませんでしたが、こちらの問いかけにはコックリと頷いていました。声優仲間の他ご縁のあった方々からの多大なご協力、ご支援、ご厚情に親として驚くとともに感謝に堪えません。また、これまで長い間、松来未祐を応援してくださった多くのファンの皆様、本当にありがとうございました」
と、ファンに感謝のメッセージを送っています。
これに対してネット上では、
- アニメファンの私にとっては、今年一番辛いニュースだったな…まつらいさんが声やってたアニメ、いくつか録画してあるから、もう一度見てみますよ。
- もうなんて言ったらいいのか・・・・。つらかったでしょうね。ご家族の方もご本人もほんとに悔しかったと思います。あの独特の声が大好きでした。ご冥福をお祈りします
- 一人の声優が亡くなって惜しまれること、悔やまれることは多々あるけど、これだけ大きな話題になることは稀じゃないだろうか。それだけ、好かれた声優さんだったんだよね。
- この公表で遺族の意向通り関心が高まり、将来の治療法につながると良いですね
- やっぱりわかってたんだろうなぁ…番組で今年結婚できるか占いした時に涙ぐんでたのもんなぁ…
- 大好きな声優だった… 本当に悲しい…
- 本人も、ご両親も、周囲の人も偉いね。この病気を知って貰うために敢えて公表とか。早く治療法が見つかると良い。
などのコメントが寄せられています。
悪性リンパ腫という病気は聞いたことがあるものの、慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)という病気を今回初めて聞いたのですが、この病気は現在有効な治療が確立されておらず、最終的に多臓器不全や悪性リンパ腫等を発病することによって高い致死率を示している難病。
EB(エプスタイン・バー)ウイルスは大多数の人が感染しているウイルスで、風邪などの軽症のウイルス感染症に似た症状を起こすそうなのですが、体に免疫が出来ることによって最終的には治癒して問題とはならないのだそうで、日本人の90%以上がEBウイルスに対する抗体があるとのこと。
しかし、非常に稀なケースとして、免疫で制御されていたウイルスが何らかのきっかけによって体内で再活性化をきたし、持続的にリンパ球内に感染を生じ、体内の免疫制御が不能となり、慢性的にウイルスが増殖活動して重症化してしまうことがあり、これが慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)という病気なのだそうですが、欧米では症例が少なく、日本をはじめとしたアジア地域での症例が多いせいもあり、世界的に研究がほとんど進んでいないといいます。
ご遺族の意向によって松来さんが患った病名が公表され、多くの方がこの難病の存在を知り関心が高まっていますが、これによって1日も早く有効な治療方法が見つかることを願うばかりです。