俳優・柄本明さん(えもと・あきら 69歳)の妻で、バイプレーヤーとして活躍していた個性派女優・角替和枝さん(つのがえ・かずえ 本名=柄本和枝)が27日に、「原発不明(げんぱつふめい)ガン」のため東京都内の自宅で亡くなられたことが分かりました。64歳でした。
柄本明さんが28日に所属事務所『ノックアウト』を通じて、角替和枝さんが27日に亡くなられたことを発表し、「かねてより闘病でした、妻・柄本和枝(芸名角替和枝。享年64)が10月27日午前6時17分『原発不明癌』により旅立っていきました。長きにわたり応援して下さいましたファンの皆様、及び関係者の皆様には深く感謝いたします。」
と訃報を伝えています。
葬儀は近親者のみで執り行い、お別れ会を後日開く予定で、「その際に改めてご挨拶させていただければと思いますので、今はそっとしておいていただければ幸いです。」としています。
『日刊スポーツ』の報道によれば、角替和枝さんは原発不明ガンにより約1年前から闘病していたそうなのですが、自身が主宰の45歳以上限定シニア向け演劇教室『和枝さんのお芝居入門』には顔を出すなどしていたものの、3ヶ月ほど前からは仕事を入れていなかったといい、角替さんのツイッターも7月から更新が止まっていました。
角替和枝さんは高校卒業後に上京して芝居を始め、演出家・作家のつかこうへいさんの劇団『つかこうへい事務所』を経て、柄本明さん、ベンガルさん、綾田俊樹さんが結成した『劇団東京乾電池』に入団し、その後は数々のドラマや映画、舞台に出演し、名脇役女優として活躍していました。
一方の私生活では、1981年(当時26歳)に柄本明さんと結婚し、1986年12月に長男で俳優の柄本佑さん(えもと・たすく 31歳)、1989年10月に次男で俳優の柄本時生さん(えもと・ときお 29歳)が誕生しており、仲睦まじい芸能一家として知られていました。
<↓の画像は、柄本明さん、柄本佑さん、柄本時生さんの写真>
長男の柄本佑さんは2012年3月に、俳優・奥田瑛二さん(おくだ・えいじ 68歳)とタレント・エッセイストの安藤和津さん(あんどう・かづ 70歳)の次女で、女優の安藤サクラさん(本名=柄本さくら 32歳)と結婚、昨年6月に第1子の誕生を発表しました。
<↓の画像は、安藤サクラさんの写真>
そうした中で安藤サクラさんは、10月からスタートしたNHK連続テレビ小説(朝ドラ)『まんぷく』のヒロインオファーを受け、その当時は「妻として家庭に入るべきかな」「子供を産んだら子育てに専念しなくては」と思いながら、ヒロインを演じられない悔しさも抱いていたそうなのですが、そんな時にこれまで『ハイカラさん』『あぐり』『花子とアン』など、6本の朝ドラに出演の角替和枝さんから「大厄の年だからこそ大役をやるべき」「これをやらないなら、仕事をやめちゃいなさい」などと言われ、出演する覚悟を決めたとインタビューで明かしています。
そんな角替和枝さんの訃報を受けてネット上では、
- 闘病されてたなんて全く知りませんでした。ショックです…。息子さん2人も立派に俳優として活躍されてて女優さんとしても名脇役として位置を確立されてて母親としても女優としても素敵な方だなと思ってました。ゆっくり休んで下さい。
- 闘病されていたのですか。最近見ないなあと、思っていました。才能ある夫婦だけど、息子たちも個性的で面白い俳優になった。角替さんのお手柄ですよね。淋しいです。
- 惜しいです。この人が居るとその場がただ平和じゃ無く何か有るんだろうなと人間模様を感じさせる不思議な存在を示す巧い女優の一人だったから。柄本明さんも妻として同志として大きすぎる大切な人失い気持ちが落ちてると思います。寧ろ男ってそうなんだよこんな時。御冥福お祈りします。
- 名脇役がまた一人亡くなられた。優しい人もいじわるな人も演じられる素晴らしい俳優さん。独特な声が印象的でした。サクラさんが「まんぷく」に出演するのを後押しされて、家族が支えているという記事を読んだばかりで、元気でいらっしゃると思っていたので残念
- とても残念です。残されたご家族の顔が思い浮かぶからなのでしょうか。孫が生まれて、サクラさんも大活躍、ご家族の幸せいっぱいの時に…久しぶりにこんなにガッカリきました。
など、死を悼むコメントが多数寄せられています。
現在では息子の柄本佑さん、柄本時生さんがドラマや映画などで大活躍していますが、角替和枝さんもバイプレーヤーとして非常に多くの作品に出演し、独特の喋り方や声、演技が印象に残っており、まさか1年前から原発不明ガンで闘病していることは全く知らなかったため、突然の訃報にただただ驚きました。
角替和枝さんが発症した原発不明ガンというのは、精密検査を行ってもガンが最初に発生した部位がハッキリとしない悪性腫瘍を指し、ガン全体の中でも1~5%ほどの希少ガンで、国内で原発不明ガンと診断されている患者数は約1.7万人程度だといいます。
最初にガンを発症した部位を特定できない理由はいくつかあり、原発ガンが極めて小さく増殖スピードが遅い、体の免疫によって原発ガンを死滅させたなどで、最初にガンを発症した部位が特定できないことによって、治療方針などが立てづらいガンとされています。
そして、原発不明ガンは診断時に半数以上が複数の臓器へ転移しており、様々な検査を行っても原発不明ガンとされた場合は、現在の治療法では治癒が望めず、一般的には予後不良とされていて、1年生存率は25%未満、5年生存率は10%未満、生存期間の中央値は6~9ヶ月とのことです。
もしも最初にガンを発症した部位を発見できていれば、しっかりと治療を受けてガンを克服できていた可能性はあったかもしれないなどと考えてしまい、まだ64歳だっただけに非常に残念です。
角替和枝さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。