1996年放送のスーパー戦隊シリーズ『激走戦隊カーレンジャー』（テレビ朝日系）で、志乃原菜摘／イエローレーサー役を演じた女優・本橋由香さん（もとはし・ゆか）が46歳の若さで亡くなり、死を悼む声が上がっています。
本橋由香さんの訃報は、所属していた演劇ユニット『lovepunk』の主宰者で映画監督・高原秀和さん(62)が伝え、5月31日午前8時43分に亡くなったとしています。
死因となった病名は2021年に公表した「原発不明ガン」とし、「水曜日に体調が急変して帰らぬ人となりました。葬儀は家族葬とのことですので、お知らせすることはできません。また改めて本橋由香のことを伝えられたらと思います。今はひたすらに悔しいです。」
と綴っています。
＜↓の画像が、高原秀和監督のX投稿写真＞
そして、本橋由香さんの訃報を受けてネット上では悲しみの声が相次いでおり、また多くの共演者もSNSを通じて追悼コメントを寄せており、『激走戦隊カーレンジャー』で八神洋子／ピンクレーサー役を演じた同い年の来栖あつこさん(46)は、「毎年お互いの誕生日に連絡を取り合って『おめでとう』って言ってくれるゆかゆかに、『待ってるよ』っていうと、『来月すぐに追いつきますよ』って言ってくれる恒例のやり取り。『おばーになるまで生きるよ』って言ってたんだけどな。先にいっちゃうのは、寂しいよ。（中略）『ゆかゆかの分まで』なんて大それた事は言えませんが、おばーになるまで、1日1日大切に生きようと思います。もうつらくないよ。ゆっくり休んでね。ゆか」
と綴っています。
本橋由香さんと来栖あつこさんは誕生日が1ヶ月違いで、2020年にはYouTubeで共演していました。
陣内恭介／レッドレーサー役を演じた岸祐二さん(53)はブログを更新し、「由香へ 思い返せば95年のオーディションで会ってから29年、まさに”家族”だったね…。にいちゃん、と呼んでくれた唯一の人。菜摘はクールで気が強く、しっかり者。だけど由香は、気取らず、誰よりも人懐こくて甘えん坊。年上組のめちゃくちゃな演技プランを楽しそうに喜んで受け入れてくれ、監督やスタッフを笑わせ、唸らせ、ふにゃふにゃの笑顔でみんなに幸せを分けてくれていました。会えなくても、ずっと活躍を心から応援し、誇りに思っていたよ。」
と、ドラマで共演当時を振り返っています。
＜↓の画像は、カーレンジャーで共演当時の写真＞
(左から）ブルーレーサー／土門直樹役の増島愛浩さん、本橋由香さん、来栖あつこさん、岸祐二さん、グリーンレーサー／上杉実役の福田佳弘さん
続けて、「僕の演出する舞台に出演してくれた時は、貫禄すら感じられて逞しく、本当に立派な女優さんになっていました。映像でもイベントでも、また5人集まりたいね、って言ってたのに…もう会えないなんて、悔しいよ、悲しいよ、由香。（中略）いつかそちらに行ったらまた会って笑おうぜ。それまでは、あなたの様に、今を、みんなを大切に生きようと思う。“いつまでも”家族だよ、またね」
と綴っています。
＜↓の画像は、2017年撮影のカーレンジャー出演者等の写真＞
(左から）増島愛浩さん、本橋由香さん、岸祐二さん、戦隊シリーズの助監督・荒川史絵さん、福田佳弘さん
本橋由香さんは1993年に女優デビューし、1996年からカーレンジャーで志乃原菜摘／イエローレーサー役を演じ、その後も舞台を中心に活躍を続け、昨年放送の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に敵のソノナ役を演じ、戦隊シリーズに再出演していました。
＜↓の画像は、本橋由香さんがカーレンジャー出演当時の写真＞
女優として活動を続ける裏で3年前から闘病生活を送っており、2021年8月に自身のブログで、原発不明ガンと診断されたことを公表しました。
原発不明ガンとは、最初に悪性腫瘍が発生した部位を特定できない希少ガンで、ガン全体の3～5％ほどを占め、好発年齢は65歳以上とされています。
ガンが最初に発症した部位を特定できないことで治療方針が立てづらく、そして一般に予後は不良とされており、1年生存率が25％未満、5年生存率は10％未満ともいわれ、俳優・柄本明さんの妻で女優・角替和枝さんも2018年に、原発不明ガンで約1年の闘病の末に64歳で亡くなりました。
本橋由香さんは原発不明ガンを公表後、自身のブログで抗ガン剤治療など様々な治療を受けていることを報告し、昨年1月に退院後も入退院を繰り返しながらも女優業を続けていました。
ブログやXは4月まで更新を続け、舞台への出演を報告しており、その時点では元気そうな様子だっただけに突然の訃報には驚きましたし、まだまだこれからの46歳という若さでこの世を去ってしまったのは残念でなりません。
本橋由香さんの御冥福を心よりお祈り申し上げます。