バイプレーヤーとして活躍していた俳優・斎藤洋介さん(さいとう・ようすけ)が、19日午後に急死していたことが明らかになりました。69歳でした。
所属事務所『アクトレインクラブ』によると、斎藤洋介さんは約2ヶ月前に咽頭ガンの切除手術を受け、先週から再発を防ぐための放射線治療を開始したそうなのですが、19日夜に自宅で夕食をとった後に体調不良を訴え、病院へ搬送中に心肺停止状態となり、その後死亡が確認されたといいます。
所属事務所の関係者はスポーツ紙の取材に対して、「直接の死因は私たちも分かっていませんが、咽頭ガンが引き金となったことは事実です」「一昨日(18日)に会ったばかりで、その時は元気だった。急なことで、まだ実感がわかないです」
と語り、葬儀は「家族の意向やコロナ禍ということで静かに見送りたい」とし、近親者のみの家族葬を行う意向を示しています。
事務所関係者は亡くなる前日の18日に斎藤洋介さんと会い、今後の仕事について話し合いを行ったそうで、新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状況などから、年内は治療に専念して来年から仕事を再開しようと話していたものの、翌日に突然体調不良を訴えて急死したとのことです。
斎藤洋介さんは名古屋出身で、名古屋学院高校(現・名古屋高校)を卒業後に明治大学へ進学、大学時代には落語研究会に所属し、落研では俳優・タレントの三宅裕司さんと出会い、大学卒業後には三宅さん等と共に、『劇団スーパー・エキセントリック・シアター(劇団SET)』を立ち上げましたが、1979年ごろに退団しました。
<↓の画像が、若かりし頃の斎藤洋介さんの写真>
1979年にNHKドラマ『男たちの旅路』の第4部「車輪の一歩」でドラマデビューし、1980年に『1年B組新八先生』(TBS系)、NHK大河ドラマ『獅子の時代』、1981年に『2年B組仙八先生』(同)に出演。
その後も1980~1990年代にかけては、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『おしん』『澪つくし』『春よ、来い』、NHK大河『武田信玄』『翔ぶが如く』『炎立つ』、『人間・失格~たとえばぼくが死んだら』(TBS系)、『聖者の行進』(同)、『若葉のころ』(同)、『家なき子』(日本テレビ系)、『古畑任三郎』(フジテレビ系)など、数多くのドラマや映画に出演し活躍していました。
2000年代以降も、『ドラゴン桜』『ウルトラマンメビウス』『アンナチュラル』『相棒』『7人の女弁護士』『サラリーマン金太郎』『臨場』『東京タワー』『最上の命医』などに出演。
また、『笑っていいとも!』(フジテレビ系)、『SMAP×SMAP』(同)、『大!天才てれびくん』(NHK Eテレ)などのバラエティ番組にも出演していました。
今年は4月期放送の『特捜9 season3』(テレビ朝日系)の第3話にゲスト出演したほか、8月公開の映画『狂武蔵』に出演するなどしていました。
<↓の画像は、遺作となった映画『狂武蔵』出演の斎藤洋介さんの写真>
そんな斎藤洋介さんの突然の訃報に対してネット上では、
- 69歳か…まだ早いなぁ。これからももっと見ていたかった役者さんだった
- 信じられません。残念です。本当に名脇役、どの時代にも斎藤さんが居ました。ご冥福をお祈りします
- まさに名脇役。今年は本当に沢山の芸能人の方々がお亡くなりになります。みていてホッとするような身内みたいな役者さんでした。ご冥福をお祈りいたします。
- 主役は少なくても多くの方が知っている俳優さん。演技者だけでは無く、バラエティ番組等でもお茶の間を楽しませてくれた方。あの個性的な笑顔が印象的だった。早すぎです
- 俳優でありながら、バラエティでアゴのイジりも笑って応えてた姿が印象的。人柄の良さがもの凄く伝わった。もう拝見できないと思うと寂しい限り
- ここ数年、げっそりと痩せていたから、もしかしたら病身ではないかと心配していた。
公表せず、癌と闘いながら、仕事をこなし続けていた姿勢に感服するし、まさに役者魂だと思う。 - 元々お痩せになっている方ですが、先日久しぶりにテレビで見た時更にお痩せになっていてどこか具合が悪いのかなと思ってました。
スマスマでのお茶目な一面やドラマでは狂気な役も演じられて幅広い役者さんでしたね。
まだ69歳ですか。今年は俳優さんの訃報が続いて寂しいですね。ご冥福をお祈りします。
などと、多くの死を悼む声が上がっています。
また、過去に共演した俳優・佐野史郎さん、高橋克典さん、坂口拓さん、女優・松野井雅さん、元AKB48・宮澤佐江さん、放送作家・鈴木おさむさんなど、数多くの仕事関係者から続々と追悼コメントが寄せられています。
斎藤洋介さんは今年7月、歯の治療で検査を受けた際に咽頭ガンが見つかり、その後切除手術を受けたそうなのですが、その時点では末期ではなく、斎藤さん自身も前向きに治療に取り組み、電車で通院して放射線治療を受けていたそうです。
そして、18日には事務所関係者と今後の活動について話し合い、その時点では元気だったものの、翌日に体調不良を訴えてそのまま亡くなったとのことで、家族は非常に大きなショックを受けていることと思います。
斎藤洋介さんは昨年3月に、オレオレ詐欺の被害に遭ったことを週刊誌の取材で告白し、かなり気落ちしている様子でしたが、その半年後には別の週刊誌のインタビューで笑顔を見せ、「ピシッと芝居を固めて、脇役としてまわりを輝かせていきたい。僕はそんな仕事の虜になってしまったんでしょうね」との思いを明かしていました。
斎藤洋介さんはドラマや映画などで主演を務めることはありませんでしたが、バイプレーヤー(脇役)として独特の存在感を放ち、40年にわたって幅広く活躍を続けてきた方だけに、あまりにも突然の訃報には驚きましたし、非常に残念な思いでいっぱいですが、これからあの世でゆっくりと休んでほしいです。
斎藤洋介さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。