元女優の服飾評論家・エッセイストで、『サントリー』の緑茶CMなどに出演していた市田ひろみさんが、1日17時50分に亡くなられていたことが分かりました。90歳でした。
『京都新聞』によると、市田ひろみさんの死因は「急性呼吸不全」で、1日に京都市上京区内の病院で息を引き取り、葬儀・告別式は4日に近親者で執り行ったとのことです。
『デイリースポーツ』の取材によると、市田ひろみさんは昨年8月に自宅で転倒し股関節を骨折、約3ヶ月入院後は施設でリハビリをしていたそうです。
そして、1日夕方に容態が急変して緊急入院し、急性呼吸不全で急死したとのことです。
市田ひろみさんの訃報を受けてネット上では、
- 上品で優しい口調の京都の言葉は和ませてくれる素敵な方でした。何だか寂しいです。御冥福をお祈りします。
- 一時、よくテレビでお見かけしましたよね。もう90歳になられてたんですね。
粋な京女と言うイメージでした。お着物がとてもお似合いで、品のある方でしたね。 - 女性として憧れる素敵な方でしたね。決してお高くではなく、身近にいるような感じ。ドラマでは素敵な女優さんでした。
お着物が似合う、本当に素敵な方でした。ご冥福をお祈り致します。 - すごく残念です。以前に「やまとなでしこ」って言葉が流行った時に、私はこの方を思い出しましたよ。そんな日本女性だったな
- 今ちょうど『京都迷宮案内』の再放送をテレ朝でやっているところ。まさかお亡くなりになってしまったとは。
橋爪功、北村総一朗との3人の掛け合いが好きだった - 京都迷宮案内の女将さんの印象が1番強い。はんなりとした口調や芯のある立ち振る舞いに、京都のお母ちゃんってこんな感じなのかなと勝手に思っていました。
もうあの声が聞けない、もうあの笑顔が見られないと思うと、本当に寂しいです。
などの声が上がっています。
市田ひろみさんは、京都府立大学女子短期大学部を卒業後、『ヤンマーディーゼル』に3年勤め、映画会社『大映』にスカウトされて芸能界入り、1950~1960年代にかけて数多くの映画に出演していました。
<↓の画像は、大映女優時代の市田ひろみさんの写真>
女優引退後には美容師の母親と共に美容室を開業したほか、服飾評論家としても活動し、着物教室や着物ショーなどを行い、1993年からは『サントリー』のお茶のCMシリーズに出演し、CMではハリウッド女優のメグ・ライアンさん、歌舞伎俳優の松本幸四郎さん等とも共演しており、京都弁でまくし立てる語り口で人気を集めました。
また、橋爪功さん主演のドラマ『京都迷宮案内』シリーズ(テレビ朝日系)に出演し、主人公等が下宿する旅館の女将役を演じるなど、1990~2000年代にかけて再び女優としても活動し、2017年には23年ぶりにトーク番組『徹子の部屋』(同)にゲスト出演していました。
プライベートでは独身を貫き、晩年まで様々な活動を行っていました。
<↓の画像は、2017年に『徹子の部屋』出演時の写真>
市田ひろみさんは、かつて出演していたお茶のCMが強く印象に残っていますが、その後も様々なドラマやテレビ番組などに出演し、2001年には着物着付師として厚生労働省の「現代の名工」にも選出され、2016年には日本の伝統文化の継承に貢献したとして「文化庁長官表彰」を受けました。
ここ最近はメディア露出は減っていたものの、服飾評論家として和装文化を海外に発信する活動や、講演活動などを精力的に行っており、今年7月で90歳になっていたというのは驚きましたが、少し前まで元気そうな様子だっただけに突然の訃報には驚きましたし、寂しさを感じますね。
市田ひろみさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。