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演出家・蜷川幸雄が亡くなる。肺炎を患い体調不良が続きこの世を去る。灰皿を投げるエピソードが有名で、藤原竜也や宮沢りえを育てる

人気演出家・蜷川幸雄が死去。享年80歳。世界のニナガワがこの世を去り、長女の蜷川実花らから追悼コメント

日本を代表する演出家で映画監督の蜷川幸雄さんが12日13時25分に、肺炎による多臓器不全のため亡くなったことが明らかとなりました。享年80歳。

蜷川さんが所属する『舞プロモーション』が公式に訃報を発表しており、「演出家・蜷川幸雄が永眠いたしましたのでお知らせいたします。」「昨年12月半ばに軽い肺炎を起こし入院いたしました。現場に復帰しようという強い意志のもと治療、リハビリをしておりましたが、本日(2016年5月12日)肺炎による多臓器不全の為、午後1時25分に永眠いたしました。80歳でした」

通夜は15日18時、告別式は16日正午、いずれも東京・南青山の青山葬儀所で行われるとのことです。

蜷川さんは海外の古典から近代劇に至るまで多岐にわたる作品を演出し、1980年代より海外公演も多数行っており、国内だけでなく海外でも高く評価され、“世界のニナガワ”とも呼ばれていました。

代表作は、『身毒丸』『ムサシ』『海辺のカフカ』『NINAGAWA・マクベス』『ハムレット』など数多く存在し、2001年には紫綬褒章、2004年には文化功労者、2010年秋には文化勲章を受章。

この他にも、様々な国内外で多数の受賞歴があるのですが、昨年12月中旬に体調を崩すと、軽度の肺炎と診断されて入院。

今年1月上旬からは、自身の半生がモチーフになっている舞台『蜷の綿 Nina’s Cotton』(2月、彩の国さいたま芸術劇場)の稽古に入る予定だったものの、体力の回復が不十分だったことから公開の延期が決定。

その際に蜷川さんは、「50歳離れた藤田貴大さんが時間をかけて、ぼくのことを戯曲に書き上げてくれました。恥ずかしい気持ちはあるのですが、とても面白いので、演出しようと決意していただけに、悔しい気持ちでいっぱいです。早く回復して劇場に戻ります」と復帰に意欲を示していましたが、残念ながらそれは叶いませんでした。

そして、この突然の訃報に対してネット上では、

などのコメントが寄せられています。

また、蜷川さんの長女で写真家・映画監督の蜷川実花さんはインスタグラムを更新し、「今日、父が逝ってしまいました。最期まで闘い続けたかっこいい父でした。父の娘でいられたことを誇りに思います」とコメント。

蜷川さん演出作品に多数出演している元バレーボール女子日本代表の大林素子さんは、ツイッターで「信じられません。先生、うそでしょ(涙)」とツイート。

女優・須藤理彩さんは、「ショック過ぎて何て言ったらいいのか分かりません。蜷川さぁーーん!『女優やめちまえーーッ!』とか散々なこと言われ放題で、靴投げられそうになったり、でも1000回に1回褒めていただいたことも、すべてが私にとっての財産です。ありがとうございました!!」。

俳優の山西惇さんは、「(蜷川さんが芸術監督を務めたシアター)コクーンからの帰り道に、こんな悲しいニュースが届くなんて。一緒にお仕事する夢は叶わなかったが、本当にたくさんの叱咤と激励と希望を、舞台を通じて僕は勝手に受け取らせていただいていました。蜷川さん、どうぞ安らかに」。

女優・池谷のぶえさんは、「蜷川さん…ご冥福をお祈りいたします。厳しく温かく、ありがとうございました」と、それぞれがツイッター上で追悼しています。

蜷川さんは近年、健康なときにも車椅子や酸素ボンベを用いて演出活動を続け、かなり痩せて別人のように変わってしまっていたことから心配していたのですが、やはり良くない状態だったようですね…。

蜷川さんといえば俳優に対してかなり厳しい演出家として知られており、役者に対して灰皿を投げ付るといったエピソードがよく語られていますが、蜷川さんは日本を代表する舞台演出家で、藤原竜也さんや宮沢りえさんら多くの方々を舞台俳優に育て上げた実績のある方であるため、亡くなってしまったというのは非常に残念です。

蜷川幸雄さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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