現在も続く人気アニメシリーズ『ルパン三世』の原作者で漫画家のモンキー・パンチさん(本名=加藤一彦)が、11日19時26分に「誤嚥(ごえん)性肺炎」により亡くなられていたことが明らかになりました。81歳でした。
故人の遺志により葬儀は近親者のみで営まれ、偲ぶ会が後日開かれる予定といいます。
モンキー・パンチさんの訃報を受けて日本テレビは、19日の『金曜ロードSHOW!(金曜ロードショー)』(金曜21時)で1978年公開の劇場版第1作『ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)』を放送することを発表しています。
<↓の画像は、金曜ロードショーで放送される『ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)』の写真>
各報道によると、モンキー・パンチさんは2、3年ほど前から体調を崩し、出身地の北海道浜中町で毎年参加していたイベントにも欠席しがちだったそうなのですが、2017年のイベントには車イスに乗って出席し、「僕だけの力でなく、いろんな方に手伝ってもらったから。100年続けばいいな」と話していたそうです。
モンキー・パンチさんは1937年5月に漁師の家庭に生まれ、漫画家・手塚治虫さんの作品に影響を受けて学生時代から漫画を描き始め、高校卒業後すぐに上京し、「加東一彦」というペンネームで貸本専門の出版社で漫画家のアルバイトをしながら、同人作家として活動していました。
そして、1965年に本格的な漫画家デビューを果たし、1966年には漫画誌『漫画ストーリー』(双葉社)の清水文人編集長からペンネームを「モンキー・パンチ」に改名するよう命じられ、当初はこの名前が気に入らず、1年ほどで変える予定だったそうなのですが、この名前で発表した『ルパン三世』が大ヒットしたことにより、その後もこの名前を使い続けたといいます。
<↓の画像は、『ルパン三世』の登場キャラクター写真>
ちなみに「モンキー・パンチ」の由来は、モンキー・パンチさんの画風がアメリカの漫画から影響を受けたもので、日本人らしくないことから、編集長が「国籍不明の名前にしよう」と提案し、さらにモンキー・パンチさんが『西遊記』好きだったことで「モンキー(猿)」、さらにイギリスの風刺漫画雑誌『パンチ』を組み合わせて「モンキー・パンチ」となったそうです。
改名後に大ヒットした『ルパン三世』は、1971年10月には日本テレビ系の読売テレビでアニメ化され、現在でもアニメの新作が製作されるほどの日本を代表する作品となっています。
モンキー・パンチさんは漫画家として活動しながら、66歳の時に「きちんとした勉強をしないと、これ以上先に進めない」と考えて東京工科大学大学院メディア学研究科メディア学専攻に入学、2005年に卒業後は、大手前大学人文科学部メディア・芸術学科マンガ・アニメーションコースの教授に就任、2010年には東京工科大学メディア学部客員教授となりました。
2015年には東京アニメアワード2015・アニメ功労賞を受賞し、2017年には専門学校札幌マンガ・アニメ学院顧問に就任するなど、晩年も精力的に活動しており、CGを使用した3Dアートの研究などを行っていました。
そんなモンキー・パンチさんの訃報にネット上では、
- ルパン三世ど真ん中の世代です。まだまだ続編が見られると思っていたのですが残念
- 『ルパン三世』は日本アニメ史上五指に入るといってもいい作品。楽しませてもらいました。
- 寂しい……ありがとうございました。御冥福を御祈りします。
- 誰にでもいつかはやってくる死であるが、平成とともに今年は特に多くの著名な方々が鬼籍入りしてますね。残念ですが御冥福を御祈りします。
- ショックです、寂しい。ここのところ寒暖差が激しいから体調も崩しやすいですね。
ルパン三世という日本の宝をのこしていただきありがとうございます。ご冥福をお祈り申し上げます - 原作はかなり大人向けの作品だったけど、アニメ化されてからは国民的キャラになった。素晴らしい作品をありがとうございました。ご冥福をお祈り致します。
金曜ロードショーでカリオストロの放送やるかな… - 先生!ありがとうございました!ルパン三世は、ずっと心の中にいます!
あっちには、仲間が、いっぱいいるからルパンは、ずっと、つづきますね!ルパン三世あの世編お願いします!
など、突然の死を悼むコメントが寄せられています。
モンキー・パンチさんの姿を見たのは数年ほど前に行われたイベント、もしくはテレビ番組か何かでしたが、その時はまだまだ元気そうだっただけに、突然の訃報に驚くと共に寂しさがこみ上げてきます。
モンキー・パンチさんの代表作で不朽の名作『ルパン三世』は、アニメ化だけでなく実写ドラマ・映画化されるほどの人気作で、主人公のルパン三世をはじめ、次元大介、石川五エ門、峰不二子、銭形幸一といったキャラクターたちは年齢性別を問わず、非常に多くの方から愛されており、日本の漫画・アニメ界を代表する作品であることは間違いないため、モンキー・パンチさんが亡くなった後も新たな作品が生み出されるかと思います。
5月31日には『ルパン三世』シリーズの最新映画『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』が公開予定となっており、15日にはアフレコが終了したという発表があったばかりで、映画の公開前にモンキー・パンチさんが亡くなられてしまったというのは残念です。
アニメ版の第1シリーズからルパン三世の声を担当していた山田康雄さん(享年62)は1995年3月、銭形警部を担当の納谷悟朗さん(享年83)は2013年3月に亡くなられるなど、声優陣も相次いでこの世を去っており、作品を支えてきた方たちの訃報は非常に寂しく辛いものがありますね…。
モンキー・パンチさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。