1987年よりヒップホップのラッパーとして活動していたECDさん(イーシーディー 本名=石田義則)が24日21時36分に、入院先の病院で亡くなられていた事が明らかになりました。57歳でした。
これはECDさんの家族がツイッター上で明らかにしたもので、家族や友人たちに見守られながらの最期だったと報告しています。
<↓の画像が、ECDさんの訃報ツイート>
ECDさんは1987年より音楽活動を開始し、1989年にヒップホップイベント『CHECK YOUR MIKE』を主催、1990年にシングル『Pico Curie』でデビューを果たしました。
1996年7月には、当時国内最大級の伝説的なヒップホップイベント『さんピンCAMP』を主催し、日比谷野外音楽堂で開催された同イベントには、『キングギドラ(KGDR)』、『BUDDHA BRAND』、『LAMP EYE』、『RHYMESTER』、『SHAKKAZOMBIE』、『SOUL SCREAM』など、日本のヒップホップシーンを代表するラッパーたちが集結し、このイベントは後の日本のヒップホップシーンに大きな影響を与えたとされています。
ECDさんは日本語ラップの先駆者として、以降もラッパーとしての活動を続け、数多くの作品を生み出しながら執筆活動も同時に行い、多数の本も出版していました。
その他に、2000年代後半からラッパーとして様々な政治運動にも参加しており、2011年の東日本大震災後には脱原発運動に参加し、それに関連する作品も発表するなどしていました。
一方のプライベートでは、24歳年下の写真家・植本一子さん(1984年生まれ)と2008年に結婚し、女の子2人をもうけています。
<↓の画像は、妻・植本一子さん、娘2人の写真>
しかし、2016年9月に自身のツイッター上で、「先程主治医から説明を受けました。上行結腸と食道に進行癌とのことです。延命治療がんばります!」と公表し、その後は闘病生活を送りながら活動を行っており、亡くなる1週間ほど前までツイッターも更新していました。
<↓の画像は、ECDさんが病気を告白した時のツイート>
そして、24日に亡くなられていた事が明らかとなりネットでは、
- 所謂ヤンキー文化の延長線上にはない、ある意味日本らしいヒップホップを確立した立役者の一人。長生きしてほしかったです。合掌。
- 最初期から日本語ラップをけん引してイチローが出るCMの曲を歌うくらい売れた思ったらホームレスに、でも結婚して音楽と政治的な活動もするようになって復活したなと思ったら病気に。とにかく良くも悪くも本当に色んな事があり続けた人だったなと思う。安らかに。
- ロンリーガールやsummer madness、cutting edge等大好きな曲が沢山ありました。日本のhiphopの礎となった方だと思います。心よりご冥福をお祈りいたします。
- ロンリーガールもブッダの人間発電所も大好きだった。晩年病気と戦いながら作ってた須永エクスペリエンスとの作品や加山雄三のも等身大のままのECDでグッときた。ずっと病気と戦ってきたのがそのままRAPに反映されてた。体調悪いのは知ってたけどなんか心にポカン穴が開くなぁ。デヴラージといい。
- 晩年の政治的主張に賛否両論あるんだろうけど、メジャーフォースでタイニーパンクスとかスチャダラとかとやってた頃は、本当にカッコよかったなあ。USかぶれではないラップがあった。ご冥福をお祈り致します
- HIP HOPの枠に収まらない凄い才能でした。ECDに対して陳腐な表現だけど、数少ない本物の1人でした。
などのコメントが寄せられています。
また、『さんピンCAMP』に出演するなどしていたZeebraさんは自身のツイッター上で「常に新しいヒップホップを表現した石田さんは一生FRESHでした。ご冥福をお祈りします。」、Kダブシャインさんは「そうか…とうとうお迎え来ちゃったか…。ECDがいなければ今のオレはいない。ご冥福をお祈りします。石田さん安らかに」とツイートするなど、多くのラッパーや関係者等からECDさんの死を悼む声が上がっています。
数年前から再び若者たちの間でヒップホップが流行し、フリースタイル(即興)でラップバトルを繰り広げる『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系 火曜25時26分)などの番組が人気となっていますが、ECDさんは1980年代からラッパーとして活動を始め、日本語ラップの草分け的存在として多くの方からリスペクトされています。
約3年前の2015年5月には、日本語ラップを代表する『BUDDHA BRAND』のMC・DEV LARGEさん(デヴラージ 本名=今秀明 こん・ひであき)が、45歳という若さで急死(死因は未発表)し、多くのヒップホップファンに衝撃を与えました。
ECDさんもまだ57歳と若く、現役で活動を続けていただけに病気によって亡くなられてしまったというのは残念でならないのですが、あの世でゆっくりと休んでほしいと思います。
ECDさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。