30年以上にわたって連載の人気漫画『ベルセルク(BERSERK)』の作者・三浦建太郎さん(みうら・けんたろう)が、病気で急死していたことが明らかになりました。54歳でした。
『ベルセルク』を発行する出版社『白泉社』の発表によると、三浦建太郎さんの死因は「急性大動脈解離」で、2週間前の5月6日14時48分に亡くなられたとのことです。
告別式は家族にて執り行われたとし、「三浦先生には、永年にわたり白泉社で『ベルセルク』をはじめとする人気作品の数々をご執筆いただきました。現在もヤングアニマルにて同作を、一昨年からはヤングアニマルZEROで『ドゥルアンキ』を連載中でした。読者の皆様には、三浦先生の作品をご愛読いただきましたことを深謝いたしますとともに、謹んでご逝去のご報告をお知らせ申し上げます。」
としています。
<↓の画像が、急死した三浦建太郎さんの写真(2019年12月撮影)>
また、『ベルセルク』を連載している『ヤングアニマル』の編集部もコメントを発表し、「突然の訃報に接し、ヤングアニマル編集部は深い悲しみに包まれています。この受けいれがたい事実をどのように捉えたらいいのか。正直、言葉が見つかりません。思い出されるのは、編集部の人間に会うと、いつも朗らかにご自分の好きな漫画やアニメ、映画の話などを楽しく語っていた時の笑顔ばかりです。我々は三浦先生の怒った顔を見たことがありません。いつも楽しそうな少年のような方でした。どうかファンの皆様、関係者の皆様、三浦先生の楽しそうな笑顔を想像していただき、ヤングアニマル編集部と共に静かにご冥福を祈っていただければと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。」
と綴っています。
なお、9月に開催が延期された展示イベント『大ベルセルク展』は、現時点では開催予定ながら、後日改めて詳細を発表するとしています。
そして、『ベルセルク』の作者・三浦建太郎さんの突然の訃報に対してネット上では、
- ベルセルクも未完の大作になってしまった…
- ベルセルクが未完のまま終わってしまうなんて、、、。やはり長期連載作は未完になるリスクが高いな。頼むぞ、冨樫
- 生きている間に完結しないであろう漫画の筆頭だったベルセルク。それにしても若すぎるし、本当に残念
- ベルセルクのストーリーが壮大なだけに、読者が亡くなっても完結しないなんてネタで取り上げられることも多かったけど、こんな形でそうなってしまったのは残念。それにしても54歳は若すぎる
- 恐れていた未来のひとつが現実となってしまった。ベルセルクのファンとしては残念で仕方ない。
弟子に構想を託していることに一縷の望みを抱きつつ、ご冥福をお祈りします。 - ベルセルク、なかなか出なくて、ブーブー文句言いながら、大いに期待している自分がいた。
初めて読んだときは、ここまで描いていいのかと、衝撃を受けたのを覚えています。
自分のなかでは、ダークファンタジーの先駆者的存在でした。御冥福をお祈りいたします。 - こんな形で完結を迎えるのは本当に残念です。ガッツの活躍はもちろん、ゴッドハンドや新生鷹の団のこれからも楽しみにしていたし、もっと作品の続きが読みたかった。
三浦先生、長きに渡る漫画家生活お疲れさまでした。
などの声が上がっています。
三浦建太郎さん原作の『ベルセルク』は、中世ヨーロッパの世界観をベースとした剣と魔法の世界を舞台に、巨大な剣を持つ主人公・ガッツの復讐の旅を描いたダークファンタジー作品となっています。
漫画の連載は1989年から、『ヤングアニマル』の前身である雑誌『月刊アニマルハウス』で不定期連載がスタートし、同誌の休刊により1992年から『ヤングアニマル』で連載を続けており、壮大な世界観や緻密な描写によって国内だけでなく、海外でも人気が高く、コミックスの累計発行部数は4,000万部を超えています。
<↓の画像は、漫画『ベルセルク』の写真>
(『ベルセルク 第1巻』無料試し読みページ[BookLive])
1997年には『剣風伝奇ベルセルク』とのタイトルでテレビアニメ化、2012年には3部作で劇場アニメ化され、2016年にも2度目のアニメ化がされるなど、現在も高い人気を得ている作品です。
ただ、三浦建太郎さんの体調不良などを理由に、年単位で休載することもあることから、現在までにコミックスは40巻までしか発行されておらず、40巻が発行されたのも2018年9月となっており、三浦建太郎さん自身が「死ぬまでに頭の中を全て出せるのか」と不安を明かすほどでした。
三浦建太郎さんがそうした不安を漏らしていたこともあり、完結するのか不安な漫画の筆頭として『HUNTER×HUNTER』と並んで挙げられていました。
そして、三浦建太郎さんがまさかの「急性大動脈解離」により、54歳の若さで急死していたことが判明し、多くの読者から困惑、悲しみの声が上がっています。
4月28日には、漫画『緑野原学園』シリーズ等で知られる星野架名さんが、病気によって57歳で亡くなられており、不規則な生活やストレス等が原因なのかは不明ながら、50代で亡くなる漫画家は少なくありません。
それにしても、54歳で亡くなるというのはあまりにも早すぎますし、『ベルセルク』や『ドゥルアンキ』が完結せず、志半ばでこの世を去ってしまったのは非常に残念でなりませんが、30年以上にわたって連載を続けてきた分、これからゆっくりと休んでもらいたいです。
三浦建太郎さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。