昨年10月に放送開始30周年を迎えた人気アニメ『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ系)で、オープニング曲『アンパンマンのマーチ』などの曲を歌っている双子姉妹デュオ『ドリーミング』の妹・寺田嘉代さん(てらだ・かよ)が、1月31日に「脳出血」で亡くなられていたことが明らかになりました。56歳でした。
<↓の画像左が姉・寺田千代さん、右が妹・寺田嘉代さん>
寺田嘉代さんの訃報は12日にドリーミングの公式サイト上で発表され、所属事務所『ライツ・イン』と所属レーベル『バップ』が連名で、「ドリーミングの寺田嘉代(かよ・妹)が、2019年1月31日(木)午後7時17分、脳出血のため永眠いたしました。」
と脳出血により亡くなったことを公表しました。
今後については、「寺田嘉代の思いとともに、今後もドリーミング 寺田千代(ちよ・姉)の活動は継続していく予定でおりますので、皆様にまたお目にかかれる日まで、どうか温かく見守っていただけますと幸いです。」
とし、通夜・告別式は遺族の意向により、親族と近親者のみで執り行ったそうで、後日「お別れ会」を行うと報告しています。
<↓の画像が、公式サイト掲載の寺田嘉代さんの訃報>
また、寺田嘉代さんの姉・寺田千代さんもコメントを発表しており、ドリーミングのデビュー30周年記念アルバム『それいけ!ドリーミング』が完成し、発売3日前の1月6日に嘉代さんが突然倒れたことを明かし、「それから26日後…、いつもの優しい笑顔で、やなせたかし先生の待つ“やなせ星”へと旅立っていきました」
と、2013年10月に亡くなった『アンパンマン』の作者・やなせたかしさん(本名=柳瀬嵩 享年94)の名前を挙げて、妹があの世へ旅立ったことを報告しています。
続けて、「26日間の闘病生活。これほどまでに『アンパンマンのマーチ』を深く味わい、やなせスピリットを体得できた日々はありませんでした。それは、喜びにさえ感じるかけがえのない時間でした。」
と綴り、やなせたかしさんの『絶望の隣には希望がそっと座っている』という言葉を紹介した上で、「苦難に立ち向かうその“強さ”の中にこそ、本当の生きる喜びや幸せがあることを、嘉代は教えてくれました。」
と、寺田嘉代さんへの思いを記しています。
そして、引き続きドリーミングとして『アンパンマンのマーチ』を歌い続けるといい、「新しい舞台に次々と躍り出てくる子どもたちに『勇気と希望の歌』を届けること。それが私たちドリーミングの『なんのために生まれて』だからです。ずっとずっと双子のドリーミング。二人でうたい続けていきます!」
綴っています。
<↓の画像が、姉・寺田千代さんのコメント全文の写真>
ドリーミングの寺田千代さんと寺田嘉代さん姉妹は1963年1月8日生まれで、共に国立音楽大学声楽科を卒業し、『それいけ!アンパンマン』の放送がスタートした1988年10月に、オープニングテーマ曲『アンパンマンのマーチ』とエンディングテーマ『勇気りんりん』収録のレコードでデビューしました。
<↓の画像は、ドリーミングのデビュー当時の写真>
その後も、『アンパンマンたいそう』『サンサンたいそう』『ドレミファアンパンマン』など、アンパンマン関連の楽曲を担当し、これまでに挿入歌や登場するキャラクターのイメージソングを含め約300曲レコーディングし、全国各地を飛び回ってコンサートなどを行っています。
今年1月にはデビュー30周年アルバムをリリースし、1月9・27日には「横浜アンパンマンこどもミュージアム&モール」で、ふれあいコンサートを開催すると発表していたのですが、イベント前日の8日に中止となる事が発表されていました。
1月10日に更新されたドリーミングの公式ブログでは、「公演中止のインフォメーションとなってしまい本当に申し訳ございません。アルバムの中から新曲をうたう予定で、ふたりで張りきっていたので、私たちもとても残念です。ファンのみなさまには、ご心配をおかけしていることと思います。また元気に、ママ、パパ、おともだちとうたえることを楽しみにしています」
と綴っていたのですが、この投稿から3週間後に寺田嘉代さんが亡くなられました。
死因となった「脳出血」の主な発症原因は高血圧で、その他にも先天的に血管がもろかったり、加齢によって発生する異常タンパク質が血管に溜まることによって、脳出血を引き起こす場合があるといいます。
脳内の血管が破れて出血することによって脳に様々なダメージを与え、最悪の場合には、意識障害や呼吸不全を引き起こして亡くなる危険性があり、発症から1年以内に4分の1が亡くなり、発症者の半数近くが要介助もしくは寝たきり状態になるという恐ろしい病気です。
2017年6月にはお笑いトリオ『安田大サーカス』のHIROさん2016年には女優・歌手の河合美智子さん、2007年には夫婦漫才の宮川大助・花子の大助さんが脳出血を発症しましたが、幸いにも一命を取り留めて回復し、その後仕事復帰しています。
一方でドリーミングの寺田嘉代さんは発症から1ヶ月足らずで亡くなり、詳細については不明ですが、まだ56歳と若く、つい最近まで精力的に活動しており、デビュー30周年を迎えてアルバムをリリースしたばかりで亡くなられてしまったのは残念でなりません。
姉の寺田千代さんは今後もドリーミングとして活動を続けていくとのことから、天国で活動を見守っていってほしいですね。
寺田嘉代さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。