昨年末に現役引退を表明したフィギュアスケートアイスダンスの元日本代表選手で、フィギュアスケーターのクリス・リードさんが日本時間3月15日午前0時20分に、アメリカ・デトロイトで30歳の若さで急死していたことが明らかとなり、フィギュアスケート界に衝撃を与えています。
日本スケート連盟の発表によると、クリス・リードさんの死因は「心臓突然死」で、スケート連盟の長島昭久会長は、「突然の訃報に大変驚いております。長年に渡り日本のアイスダンスの発展に貢献していただいたクリス・リードさんに改めて深く感謝の意を表しますとともに、ご家族の皆様に心からお悔やみを申し上げ、リードさんのご冥福をお祈りいたします」
とのコメントを発表しています。
クリス・リードさんはアメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフで、1989年7月7日にアメリカ・ミシガン州で生まれました。
<↓の画像は、クリス・リードさんの家族写真>
2歳年上の姉キャシー・リードさん(32)とパートナーを組んでアイスダンスを始め、2006年-2007年シーズンから日本を拠点に活動し、2007年から全日本選手権で4連覇などの成績を残しました。
また、日本代表として2010年のバンクーバー五輪(17位)、2014年のソチ五輪(21位)に出場しました。
<↓の画像は、クリス・リードさんと姉キャシー・リードさんの写真>
2015年4月にはキャシー・リードさんが現役引退を発表したことから、現在は高橋大輔選手とパートナーを組んでいる村元哉中選手(むらもと・かな 27歳)とパートナーを組み、全日本選手権3連覇のほか、2017年の国別対抗戦(団体)で優勝し、2018年の平昌五輪にも出場、日本勢では過去最高記録に並ぶ15位の結果を残しましたが、2019年末をもって現役を引退しました。
<↓の画像は、クリス・リードさんと村元哉中選手の写真>
昨年末に現役引退をYouTubeで表明した際には今後について、「新たな目標が見えてきた。日本のアイスダンスを世界レベルに持っていきたい」と、日本で後進の指導に当たる考えを示し、キャシー・リードさんと共に後進の指導を行っていました。
そして、3月11日に更新したブログでは、キャシー・リードさんと共に近日中に来日することを報告しており、「日本にいくじゅんびをして せんしゅう ぼくのあぱーとのものと たくさんのたのしい エクササイズのもの日本におくったです!これから キャシーといっしょに 日本のアイスダンスをニューエイジにする あたらしいむずかしいジャーニーのはじまりです たのしみだよ!でもこのコロナウィルスで日本にいくのがおくれます。はやくコロナウィルスがなくなってほしいな…みんなきをつけてね」(原文ママ)
と綴っていました。
しかし、それが叶うことなく3月15日に心臓突然死によって急死していたことが17日に発表され、これに対してネット上では、
- どういうこと、、信じられない
- まだ若いのに…アイスダンスを引っ張ってくださった方が…
- これからの日本スケート界を支えるはずだったのに…残念でならない
- 突然すぎて言葉にもなりません。日本のアイスダンス界を背負って人生をかけてくれたことに感謝します。ありがとうございました。
- 驚きを隠せない。あまりにも若過ぎる。お姉さんのキャシーと一緒に日本のアイスダンスの発展に力を貸していただきたかった。残念。
- 信じられないし信じたくない。ブログでも日本に来るのをとても楽しみにしてたのに、まだ若いのにこんなに突然に
キャシーと一緒に日本のアイスダンス界の発展にこれから貢献してくれるはずだったクリス、ご冥福をお祈り致します - 本当にショッキングなニュース。アメリカ生まれながらお母様が日本人ということで日本代表としてオリンピックに出てくれた。
昨年末引退されて、このブログの記事から見るにこれからは日本でアイスダンスのレベルアップに貢献してくれたであろうのに。
これだけ楽しみにしてくれていたのだから、最後に日本の地を踏んで欲しかった…
などと死を悼む声が上がっています。
トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんはツイッター上で、「クリス…突然のことで信じられず、言葉も見つかりません…心よりご冥福お祈りいたします」
と投稿しています。
2010年のバンクーバー五輪に出場した織田信成さんは、「クリスの訃報に、とてもショックで未だ信じられません。アメリカで一緒に練習していた時、クリスはスケーティングやトレーニング方法についていつも優しくアドバイスをくれました。一緒にオリンピックに行く事が出来たのは僕の誇りです。安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈りいたします」
と綴っており、その他にも多くのフィギュアスケーターたちから続々と追悼コメントが寄せられています。
また、クリス・リードさんの妹で、アイスダンス・ジョージア(グルジア)代表のアリソン・リードさん(25)は、「皆さんにこれを伝えるには深い悲しみがあります。私の兄、かっこよくて優しく、カリスマ的な存在の愛するクリスが先週末亡くなりました。言葉でこの痛みを言い表すことはできません。クリスは澄んだ魂の持ち主でした。彼は喜びと笑いであらゆる心のスペースを満たしてくれました。いつだって、どうやったら私が笑顔になるか分かっていたのです」
と綴っています。
元パートナーのキャシー・リードさんは、クリス・リードさんとの写真のみを投稿し追悼しています。
フィギュアスケート界では2018年7月にも、カザフスタン代表でソチ五輪・銅メダリストのデニス・テンさんが強盗の襲撃に遭い、25歳という若さでこの世を去っており、世界のフィギュアスケートファンに衝撃を与えました。
クリス・リードさんの訃報も同様に動揺が広がっており、死因となった心臓突然死についてなのですが、それまで健康だった人が24時間以内に突然亡くなってしまう病気で、健康で若い運動選手の10万人に3人の頻度で亡くなっているとのデータがあり、男性の発症数は女性の10倍とも言われています。
日本では年間6~8万人が心臓突然死で亡くなっているとされ、発症原因としては心筋梗塞、心筋症、弁膜症、心不全といった心臓病、遺伝性の不整脈などによって心臓が突然正常に動かなくなり、多くは1時間以内で死亡し、アメリカでは毎年40万人以上が亡くなっているそうです。
クリス・リードさんは不整脈などがあったのかは不明ですが、来日するために準備を進めている中で、このような病気で突然この世を去ってしまったのは残念でならないものの、あの世でゆっくりと休んでもらいたいです。
クリス・リードさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。