1993年~1999年にかけてフジテレビ系で放送されていた料理をテーマとしたバラエティ番組『料理の鉄人』に審査員として出演し、試食の際の「おいしゅうございます」というセリフで当時注目を集めた食生活ジャーナリスト・岸朝子さんが22日、心不全のため亡くなっていた事が28日に分かりました。91歳でした。
葬儀は近親者のみで済ませており、11月14日にお別れ会を開く予定とのことです。
岸さんは料理記者の草分け的存在で、、女子栄養学園(現・女子栄養大学)を卒業後、1955年に主婦の友社で料理記者として活動し、1968年に女子栄養大出版部に移り「食と健康」をテーマにした月刊誌『栄養と料理』の編集長を10年間務め、繁華街の食べ歩き、日本各地の家庭料理を紹介するなど、グルメ記事の先駆けとなる企画を次々に打ち出し、『栄養と料理』の販売部数を倍にしました。
また料理記者時代には、様々な料理人からの取材の結果、料理のレシピで使われる大さじ・小さじなどの分量の規定を考案しています。
その後1979年に、女性ばかりの編集プロダクション「株式会社エディターズ」を設立して独立し、料理・栄養に関する雑誌、書籍を多数出版し、1993年からは『料理の鉄人』に「料理記者歴40年」の審査員としてレギュラー出演し、「おいしゅうございます」という表現がブームに。
2004年には、食べ歩きの経験を活かした著書『東京五つ星の手みやげ』を刊行し、30万部を超すベストセラーとなりました。
晩年も全国の料理店などを精力的に取材しており、雑誌等に記事を掲載、また岸さんは若い世代の食生活に危機感を持っており、講演会では食の大切さを訴えていました。
そして、この訃報にネット上では、
- 料理の鉄人での存在感が印象深いです。ご冥福をお祈りします
- 91歳ですからね。美味しい料理を食べ、良い人生を過ごされたと思います。お疲れさまでした。
- 料理の鉄人での紹介ナレーション『料理記者歴40年、岸 朝子!』。御本人の試食時の言葉『おいしゅうございます』。懐かしいな。。。。ご冥福をお祈りいたします。
- 91歳なら大往生ですが寂しいですね…。料理に一生をささげた岸さんに匹敵する人ってこれから出ないかもな…。ご冥福をお祈りします
などのコメントが寄せられていました。
『料理の鉄人』が終了した後はほとんどテレビ番組で観ることは無くなっていましたが、岸さんの「おいしゅうございます」という言葉は強く印象に残っており、もうあの言葉を聞けないというのは寂しいものがありますね…。
岸朝子さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。