2011年に、小説『苦役列車』で『芥川龍之介賞』を受賞した作家・西村賢太さん（にしむら・けんた）が5日、東京都内の病院で急死したことが分かりました。54歳でした。
各報道によると、西村賢太さんは4日夜にタクシー内で体調不良を訴え、病院に搬送された時点で心停止状態だったといい、医師が蘇生を試みたものの再び心臓が停止し、5日午前6時32分に死亡が確認されたとのことです。
死因は現在調査中で、何が原因で亡くなったのかは現時点では明らかになっていません。
西村賢人さんのマネージメントを担当していた芸能事務所『ワタナベエンターテインメント』は公式サイトを更新し、「弊社所属の小説家西村賢太（享年54歳）が、2022年2月5日（土）に急逝しましたことをご報告いたします。これまでご支援いただきましたファンの皆様、関係者の皆様には、生前に賜りましたご厚誼に深く感謝し、謹んでご報告申し上げるとともに、故人のご冥福をお祈りいたします。」
と訃報を伝えています。
そして、西村賢太さんの突然の訃報を受けてネット上では、
- つい先日、石原氏への追悼文を拝見したばかりです。本当に突然のことで驚いています。お若いのに悲しいです。
- 大動脈乖離とかだと、急に起こって処置が間に合わなければそのまま亡くなることもあるからな…血圧高い人は気をつけて。
- 玉袋筋太郎と仲が良かった頃、呑みの番組で負けず劣らず すごい量の飲酒をしていて、体に悪そうな飲み方しているなと思った。
賞を取っても気さくで、バラエティーで中年の体力を競うような番組を出たり、自分の恥部も隠すことなく番組で話していた印象が強い - ナンシー関さんを思い出しました。作家さんは座ったまま仕事する時間が長く、それが原因なのでしょうか？
医師でも専門家でもないので、よくわかりませんが関さん共々本当に残念です。ご冥福をお祈り致します。 - 作品全部揃えたし映画も見たが、そこからは破滅型の生き方が読み取れた…こういう亡くなり方をされたのは残念だが、さもあらんとも思う。
石原さんにかわいがられていたとか聞いたような気がする。あちらで再び巡り合って、この世を嘆いてください… - 急な体調不良とは、心臓か脳かなと思ってしまうんだけど、あまりにも若い。ご家族もこんな急な別れ、向き合えないでしょうね。ご冥福をお祈りします。
など、死を悼む声が上がっています。
西村賢太さんは2003年から小説を書き始め、2004年に作家デビュー、2006年に発表した『どうで死ぬ身の一踊り』が芥川賞や三島由紀夫賞候補、『一夜』が『川端康成文学賞』の候補となり、2007年に『暗渠（あんきょ）の宿』で『野間文芸新人賞』を受賞、その後も複数の作品が文芸賞の候補に入り、2011年に『苦役列車』で芥川賞を受賞、大きな注目を集めました。
芥川賞作家として注目を浴びるようになって以降は、バラエティなど様々なテレビ番組にも出演し、過去に酒に酔った状態で暴力事件を起こして逮捕されたことや、15歳から目覚めたという性的サービスをしてくれる大人の店でのエピソードを披露しており、番組で共演した東野幸治さんからは冗談交じりに「日本で最低に心が汚い作家」と評されたこともありました。
そんな西村賢太さんは、過去の実体験などを小説に盛り込んだ私小説が人気で、「平成の私小説家」とも呼ばれており、ざっくばらんな性格、キャラクターによって親しまれていた方でした。
亡くなる直前まで作家として精力的に活動し、直近では元東京都知事で作家の石原慎太郎さんが1日に急死したことを受けて、『読売新聞』に追悼文を寄稿していました。
それから数日後に54歳という若さで突然死したことで、死因を巡って様々な憶測が飛び交っている状況ですが、西村さんは大の酒好きで、焼酎の4合瓶（720ml）を毎晩空けていることや、コンビニ飯やカップラーメンが好きだったことも明かしていたことから、不摂生が原因で心臓や脳の病気を発症したのではとの憶測が出ています。
現時点で死因は調査中とされており、以前から体調不良を訴えていたのか、何か持病があったのかなども定かではないのですが、まだまだこれからという年齢で亡くなられてしまったのは非常に残念です。
ちなみに、西村賢太さんは昨年『週刊SPA！』にて、作家としても活動するお笑いコンビ『髭男爵』の山田ルイ53世さんと対談し、いつまで生きたい？との問いに対して、「僕は独り身なので、なんの責任もありません。だから、小説が書ける限り、という感じですね。書けなくなった時が死ぬ時でいい」「長生きも必ずしも善ではありませんね。未練がましくただ生きているだけでは、恥をかくだけだし。」
と語っていました。
＜↓の画像は、昨年の対談時の西村賢太さんの写真＞
それから8ヶ月後に亡くなり、西村賢太さんはこの対談で、「まだ書きたいことは山ほどあるし、何も残せていない」「50歳になって、ようやく『真剣に生きる』ことを具体的に意識し始めた」
とも語っており、志半ばで亡くなってしまったのは悔やまれますが、どうかあの世でゆっくりと休んでほしいです。
西村賢太さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。