暴露系インフルエンサー集団「Z李(ジェット・リー)」のメンバーが、住居侵入容疑で警視庁暴力団対策課に逮捕され、謎に包まれているZ李の正体に大きな注目が集まっています。
住居侵入容疑で逮捕されたのは、X(旧ツイッター)のフォロワー数が91万人超えのアカウント・Z李を運営していたと見られる会社役員・田記正規容疑者(43)のほか、総合格闘家・ANIMAL☆KOJI容疑者(アニマルコウジ 本名=宿輪幸治 33歳)、職業不詳の男ら計5人です。
逮捕容疑は、2022年11月2日16時20分~17時40分ごろまで、正当な理由がないにも関わらず東京・江戸川区内にある40代男性宅に侵入した疑いが持たれています。
この事件の発端は、Z李のXで公開していた「バブ」と呼ばれるホンダの旧車バイク(CB400T HAWKⅡ)が盗まれたことにブチギレ激怒し、フジテレビに情報提供して窃盗事件の内容が『めざましテレビ』などで取り上げられたほか、「犯人の身柄に懸賞金300万円をかける」などとXで告知して複数の情報が寄せられ、盗んだ犯人がバイクを解体し、各パーツをヤフオク!で売りさばいていたことが発覚したことから、犯人の名前や住所などを特定したうえでマンションの一室に乗り込み、その様子を写真や動画で公開していました。
<↓の画像は、盗まれた旧車バイクの写真>
事件当時犯人は不在でしたが、チャイムを何度も鳴らして部屋にいた小学4年生の子供にカギを開けさせて侵入し、1時間以上にわたって居座っており、マンション周辺には数十人の男性がいたことで目撃者が警察に通報していました。
<↓の画像は、マンションに集結した仲間たちの写真>
事件後に更新したXでは、「犯人には小さい子がいた。小学生の女の子。悪いのはあいつであって、子供は全然悪くないのに泣かせてしまった。」「泥棒でもお父さんはお父さんだろ? お前は最低だよ。子供置いて逃げたもんな。大勢で囲まれてびびるのはわかる。でもお前は娘よりも自分の身が心配だったんだな。盗んだ事よりも何よりも、俺はそっちの方が最低だと思うよ。」「お前の実家から何から、盗品売買のアカウントから手口からもう全てわかってる。本当に二度と泥棒やめろ。単車ドロの金でアンパンマンのおもちゃなんか買ってんじゃねえよ情けねえな。同じ棟の人らも、お前が夜な夜な怪しい動きしてるの知ってたよ。残されたパクりモンも、無人交番にでも置いておけ。」
などと、犯人を説教していました。
続けて、「俺も未成年の頃に原付やバイクを盗んだ事がある。つまりは因果応報だ。昔盗んだから盗まれたんだと思ってる。申し訳なかった。」「余罪を償ったら、お前ももう泥棒やめて真面目に働け。あの子を大事にしろよ。」
と綴っていました。
バイクを盗んだ男性は、自身も犯罪行為をしていたことから被害届を出すことに躊躇していたそうですが、警視庁が必死に口説き落として昨年12月に住居侵入容疑で被害届を提出し、部屋に入った5人を逮捕したといいます。
警視庁は、複数人がZ李のSNSアカウントを使い活動していたことから、『匿名・流動型犯罪グループ』(略称:トクリュウ)にあたるとみて捜査を進めているとしています。
週刊誌『週刊新潮』のWeb版『デイリー新潮』によれば、Z李のSNSアカウントは『新宿租界』というグループに所属するメンバーが共同で運営しているとみられ、某週刊誌の元記者らもメンバーとされています。
なお、新宿租界の活動内容は予想師たちによる競馬・競艇・競輪など公営ギャンブルの予想行為、食品やグッズ販売、オンラインカジノなどのアフィリエイト(成果報酬型広告)、他にホームレスへの炊き出し活動、保護猫カフェ『BAKENEKO CAFE(化猫茶屋)』の運営などもしています。
また、元暴露系YouTuber・国会議員の“ガーシー”こと東谷義和さんとも繋がっており、ガーシーさんの詐欺行為を告発後に手を組み、ガーシーさんのLINEスタンプやTシャツ販売なども手掛けていました。
新宿租界でリーダー的存在の田記正規容疑者の素性について、デイリー新潮の取材にグループ関係者は、「元々横浜でスカウトマンをしていて、歌舞伎町を舞台にスカウトマンを描いた漫画『新宿スワン』のキャラクターのモデルになったとされる人物」
としています。
Z李が注目され始めたのは約5年前とし、実業家やYouTuberらのスキャンダル、借金トラブルなどを暴露し、相手が謝罪するまでとことん追い込んでいき、成敗していく姿勢が「ダークヒーロー」として支持されてフォロワーやタレコミが増えていったといいます。
しかし、警視庁はこうした私人逮捕行為を問題視していた可能性があるほか、Z李が反社会組織と繋がっているのではないかと疑い、暴力団対策課が今回の事件を担当し、住居侵入事件をきっかけに組織犯罪を摘発しようとしている可能性があるとのことです。
『産経新聞』によると、警視庁はZ李の正体や背後関係に長年関心を寄せていたといい、主犯格の田記正規容疑者が役員を務めていたNPO法人や企業では、特殊詐欺への関与容疑で役員が逮捕されていて、犯罪への関与が疑われていたそうです。
そんな田記正規容疑者は週刊誌『週刊SPA!(扶桑社)』で、Z李名義で小説『飛鳥クリニックは今日も雨』を連載し、この作品は自身をモデルに新宿歌舞伎町を拠点とするアウトロー3人が、様々なトラブルを解決していくという内容となっていて、動画配信サービス『Lemino(レミノ)』でドラマ化されることも発表されています。
主演には俳優・森山未來さんが起用され、来年1月から配信がスタート予定となっているのですが、Leminoを運営する『NTTドコモ』はZ李の逮捕を受けて「現在報道内容について事実関係を確認しているところです」とコメントし、このままお蔵入りになる可能性もあるとデイリー新潮は報じています。
<↓の画像は、ドラマ『飛鳥クリニックは今日も雨』出演の森山未來さんの写真>
なお、Z李のXアカウントは5人が逮捕後も更新を続けており、「バイク泥棒と奥様に500万円あげました。バイク盗難被害150万、バイク探しに行くのに部屋に入った慰謝料500万つまりバブ650万+48時間」
と、被害者に慰謝料を払ったことを明かしました。
後にこの投稿は削除し、「お互い、悪いことをしあったのはたしか。向こうも務めを果たし、こっちも果たした。それだけのこと。もうこの件、彼のご家族についてとやかく言うのはやめよう、関係の無い人達を、虐める奴は、お兄さん達が、説教しに行くからな、よろしく哀愁。」
と呼び掛けています。
<↓の画像が、Z李のメンバーが逮捕後のX投稿>
バイク窃盗事件に関しては、被害者も犯罪をしていたことからどっちもどっちとの声が少なくないのですが、複数の仲間たちを集めて部屋に侵入し、トラブルに一切関係がない子供に対して、トラウマになるような恐怖を味あわせたのは非常に罪深いと思います。
そして、警視庁は住居侵入事件をきっかけに、反社との繋がりや他の犯罪行為を暴こうとしているのではないかとみられていますが、Z李の“中の人”は4年前にXで、かつて闇金をしたり、違法薬物の使用や大麻栽培などで前科前歴があることなどを明かしており、これまでの様々な言動から裏社会に精通している人物であることは間違いありません。
そのため、叩けばホコリが出てくると思いますが、住居侵入事件を入口に警視庁がどこまでZ李の核心に迫っていくのか見ものですし、ドラマ『飛鳥クリニックは今日も雨』は予定通り配信されるのかお蔵入りになるのか、今後の対応に注目していきたいです。