密状態で観客が大声を出したり、会場で酒類の提供が行われるなど、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策が不十分だったとして、大炎上騒動に発展した国内最大級のヒップホップ・R&Bの野外フェス『NAMIMONOGATARI 2021(波物語2021)』の参加者から、新型コロナ感染者が複数出ていることが明らかになりました。
愛知県と名古屋市では、フェス参加者を対象に1日から無料でPCR検査を実施しており、愛知県の大村秀章知事によれば、6日までに愛知県と名古屋市に合計958人から申し込みがあり、現時点で2人の感染が確認されたことを明かした上で、「(検査キットを送るなどの)タイムラグもあるし、まだまだこれからでしょう」と語っています。
なお、8月29日に開催された『NAMIMONOGATARI 2021』は6,000枚のチケットが販売されたほか、スポンサーには2,000枚のチケットが配布されていたことが明らかになっています。
<↓の画像は、密状態になっていた『NAMIMONOGATARI 2021』の会場写真>
愛知県の公式サイトでは8日までPCR検査の無料受付を行い、全体的な結果は12日以降に分かる見込みで、県が検査結果をまとめて報告するとのことです。
さらに愛知県稲沢市が6日に、『NAMIMONOGATARI 2021』に参加した20代の男性消防士が、フェスに参加してから3日後の9月1日に鼻水が出るなどの症状があり、2日に新型コロナの感染が判明したことを発表しています。
稲沢市の消防本部は、男性のフェス参加と新型コロナ感染の因果関係は不明としており、「感染経路にございましては不明です。野外フェスから、感染したっていうことはわかりませんので公表はしていません」
とコメントしています。
この消防士は症状があらわれるまでの2日間勤務していたものの、濃厚接触者に認定された人はいないそうです。
そして、少なくともフェス参加者から3人の新型コロナ感染者が出ていることが判明しネット上では、
- フェス参加者の医療費は主催者負担にして欲しい
- 氷山の一角でしょ。たった2人なわけがない。PCR検査受けなきゃ陽性者は増えないから
- わざわざ行って 密になり飛沫浴びて、職場や学校や家庭にもちかえる。こんな人達がいるから、いくら気をつけても感染がおさまらない。
- もし参加してても、今の状況を見ると体調に異変を感じてもよほど酷くならなければPCR検査に申し出ないんじゃない。批判を浴びるのは目に見えてるし。
やったもの勝ちになってしたら後に続く不届き者が現れるから、しっかりと調査して厳正に対処していただきたい - 消防署で濃厚接触はいないなんてありえない。事務室、トイレ、洗面台、風呂場、寝室をともにしているんだからありえない。
マスクしてるから濃厚接触ではないっていう線引きしてないで、全員検査して陰性証明したらどう? - 消防士のプロ意識が薄いのは確かだけど、消防士だからこそフェスに行ったことを勇気を持って報告したと思う。
3日後に発症なら恐らくフェスだろうけど、あくまで感染経路は不明なわけで、フェスに行ったことを隠し通そうと思えばできたはず。 - まだ多くの陽性者がいるはずだし、検査費用は全額主催者に請求して払わせるべき。
陽性者が出て実害が出ているのに、意図して密にしてチケット売りさばき、酒類販売の自粛にも応じず、酒提供しているのに全く請求しないなんて許されない。検査費用の愛知県の税金負担は、全くおかしい。 - PCR検査は濃厚接触者でなければ実費でしょ?陽性者の参加有無が不明な状態で無料実施はおかしいんじゃないの?
検査機関や税金の負担を増やしてどうするの?主催者or参加者個人の負担で検査すべき。 - 今頃検査しても期間が経ってしまい、フェスでの接触とは言い切れないので無駄な調査だと思う。
本気ならば、緊急事態宣言下における知事の権限で、チケット販売のデータベースを利用して参加者を洗い出すなどの方法を早急にとったでしょ
などの声が上がっています。
今のところフェス参加者からPCR検査の申込みがあったのは8000人中1000人弱で、このうち何割の検査結果が出ているのかは不明ですが、すでに3人の陽性者が出ているとのことは、数十、数百人単位の新型コロナ感染者が出ていたとしてもおかしくなさそうですね。
『NAMIMONOGATARI 2021』は県からの要請を無視して、5,000人の上限を大幅に超える約8,000人規模でフェスを強行開催したほか、酒類の提供も自粛するように県側は要請していたものの、赤字回避のために販売していたことなどが明らかになっており、来場者のマナーの悪さはもちろんのこと、主催者側に大きな問題があったことが現在までに明らかになっています。
そして、愛知県では事実関係の検証を行うために、第三者委員会を設置してフェスの実態を明らかにするとしていますが、このような事態になる前にフェス開催を防ぐことはできなかったのかと思いますし、フェス参加者のPCR検査を無料で行っているものの、その費用に関してはフェス主催者に請求するべきなのではとも思います。
愛知県では他にも、名古屋で3~5日にかけて開催されたロックフェス『TREASURE05X 2021』で、新型コロナ感染者が出ていたことが明らかになっており、大村秀章知事は『NAMIMONOGATARI2021』の実態を明らかにした上で、「(今後のイベントでの)感染防止対策を訴えていきたい」としていますが、早急に適切な対応を行ってもらいたいです。