昨年メジャーデビュー25周年を迎えた人気ロックバンド『GLAY(グレイ)』が12日、出身地・北海道函館市内の「恵山(えさん)道立自然公園」で無観客ライブを行い、その模様をYouTubeで配信し大きな反響を呼ぶ中で、必要な許可を得ることなく公園内で撮影を行った疑いが浮上し、北海道が制作会社を行政指導する方針を明らかにしました。
『NHK』や『函館新聞』の報道によれば、GLAYは7月下旬に、恵山道立自然公園の火口原駐車場から山頂へ少し進んだ右手の砂防ダム付近で無観客ライブの模様を撮影、8月12日にYouTubeへ動画をアップしました。
そこは一般客も立ち入り可の場所ですが、撮影などの行為には許可が必要といい、「自然公園内の特定の区域にステージなどの工作物を設置する場合は、道の許可が必要と条例で定められているのに対し、制作会社からの申請はなかった」
とのことです。
YouTubeにアップされた動画のエンドロールでは、「函館市恵山支所」がサンクス欄にクレジットされていたものの、北海道の振興局によれば、YouTubeに動画がアップされたことで事実を把握したといいます。
そして、北海道渡島総合振興局が17日に撮影現場を調査したところ、「地面に穴が掘られたり、草木が倒されたりするといった原状復帰が必要な状況は認められなかった」
ものの、事前に許可を得ずに動画撮影を行った疑いがあるため、制作会社に対して撮影の経緯を聞き取り、再発防止を求めて行政指導を行う方針といいます。
このトラブルについてGLAYの宣伝などを担当する会社は、現在事実確認中で、対応も協議していると回答したとしています。
なお、函館市の恵山支所によれば、動画撮影にあたって7月中旬に制作会社の方から「恵山でロケを行いたい」との相談を受けて現場を案内した際に、制作会社には「恵山道立自然公園内にステージを設置する場合は道の許可が必要」だと伝え、その後制作会社側からは「許可を申請中という内容の連絡を受けた」といいます。
一方で制作会社の担当者は、「北海道の担当者に事前にドローン撮影の相談をした際、ステージを設置することも伝えたが、必要な手続きについて道側から説明がなかったので、許可の申請はせず、問題もないと考えていた。道とは認識の相違があったと考えている」
と説明しています。
また、GLAYの所属事務所側は、「制作会社からは撮影の許可は大丈夫だと聞いていたので、北海道に申請を出していなかったことに驚いている。経緯や事実関係について確認を進めている」
と回答し、困惑している様子です。
そして、GLAYの無観客ライブを巡るトラブルに対してネット上では、
- 全く相談せずにあれだけの撮影をしたと言うのは考えにくい。道職員も中途半端な回答をしたからこのような事象が生じたのでは。
- ファン目線だから偏っているのは承知の上でだが、常にファンだけでなくスタッフや周囲に気を配る彼らがそんなことを無許可ですると思えない。
報告はしていたが道の担当者から必要書類などの指示がなかったようだし、いろんなすれ違いがあったのだろうけど…その落ち度を少しでも認めたうえで訴えてほしいな。 - これは役所は悪くないと思うな。GLAYがドローン撮影の許可を得に来たら、当然ステージ設営とかの許可も申請してると思うわなあ。
- 説明がなかったから申請せずに好き勝手にセット組んでやったとかプロの仕事じゃないわ。
当然GLAYのメンバーは「撮影許可を得たもの」と聞かされていたのだろうが、仕切っていた制作会社とやらはどんな素人なのかと。 - GLAYのような大きく名の知れたグループなのに制作会社はなんて事をしてくれたんだ。
アーティストは現場に行き歌ってって言うのが仕事で、許可などは取れたものだと思ってると思うし。 - ちゃんと許可をもらったうえでの撮影だったと会員制ブログに書かれていますが……制作会社がメンバーに嘘を言っているということですかね?
- 某自治体で公園に係る許可の事務をしていました。公園使用許可と公園占用許可は似て非なる別物。
単なる撮影であれば前者で良いですが、工作物を置くならば後者の許可が必要になります。
行政指導をするほどの根拠があるということは、占用許可を出していなかったのでしょう。使用のみの許可が下りていたと考えられます。 - 公共の場である公園に一時的にでも設営するなら、何らかの申請や許可が必要なんて業者には初歩中の初歩的な知識でしょう。
役所は初歩的な話は当然分かっている前提で、ドローンの相談を受けただけという認識なんでしょう。 - 例え道側から説明がなかったとしても、ステージ設営の許可が必要ないなんてあり得ないんだから、自分から聞くべき
ただのYouTuberならまだしも、ちゃんとした制作会社なんだから普通は調べるくらいするよねぇ
などの声が上がっています。
公園内でそこそこの規模のライブ映像を撮影するにあたって、しっかりと許可取りせずに撮影を行っていたというのは驚きで、制作会社側は「必要な手続きについて道側から説明がなかったので、許可の申請はせず、問題もないと考えていた。」と説明していますが、許可取りについて説明が無いことに疑問を抱き、改めて確認などは行わなかったのでしょうかね。
制作会社側と北海道の担当者の間では、実際にどのようなやり取りを経て、動画撮影に至ったのか経緯の詳細が明らかになっていないことから、どこに問題があったのかは分からないのですが、現時点で出ている情報を見る限りでは、制作会社に落ち度があったように見えます。
撮影場所の許可申請に関してGLAY側はノータッチで、「制作会社からは撮影の許可は大丈夫だと聞いていた」と所属事務所が回答しているため、GLAY側も被害者と言っても過言ではないように感じますが、こうしたトラブルが発生してしまったからにはGLAYへの影響は避けられず、非常に残念な形になってしまいましたね。
制作会社は今後行政指導を受け、どこに問題があったのかをしっかりと認識した上で、再発防止に取り組んでもいらいたいです。