シンガーソングライター・aikoさん(本名=柳井愛子 48歳)の“育ての親”で、会社法違反(特別背任)の罪で逮捕、起訴された個人事務所『buddy go(バディーゴー)』の元取締役・音楽プロデューサーの千葉篤史被告(58)の裁判が18日に行われ、aikoさんが証人として初出廷しました。
この事件は、2021年12月にaikoさんが代表の『buddy go』が千葉篤史被告を刑事告訴したことで捜査が始まり、グッズ仕入れ価格を事務所に水増し請求させて、約1億円の損害を事務所に与えたとして、昨年2月20日に会社法違反(特別背任)容疑で逮捕、その後起訴されました。
<↓の画像は、昨年2月に逮捕された千葉篤史被告の写真>
千葉篤史被告は2016年9月~2019年1月ごろにかけて、aikoさんのライブツアーグッズ(タオル・Tシャツ・バッグなど)を大学時代の友人が代表の芸能マネージメント会社に発注し、その代金を20回以上にわたり水増し請求させて合計約1億円の損害を与えたとされています。
<↓の画像は、aikoさんの個人事務所『buddy go』が入るビルの写真>
グッズ製作会社から直接商品を仕入れずに、友人の会社を経由し事務所に水増し請求を行い、それによって得た利益の1割を友人、9割を自身の個人口座に振り込み、ブランド品や車の購入費用などに充てていたとのことです。
この事件では友人男性も会社法違反容疑で書類送検され、容疑を認めていた一方で、千葉篤史被告は警視庁の取り調べに対して、「(友人の会社が得た)利益の9割を私の利益として受け取る契約を結んだことに間違いないが、会社法違反をしたつもりはない」
などと容疑を一部否認していました。
逮捕から1年が経ち、5月に東京地方裁判所で行われた初公判で千葉篤史被告は、「自分の利益のために会社に損害を与えたことはない」
と起訴内容を否認し無罪を主張しました。
弁護側は、グッズの仕入れ値は正当なもので会社に損害は発生していない、役員としての任務に背いていないと主張していました。
そして、18日に行われた裁判にaikoさんが検察側の証人として出廷し、千葉篤史被告との関係について、「(1998年の)デビュー前に知り合い、被告が自ら提案し(2009年に)取締役になった」「(ライブのセットやグッズ制作などを決める際は)千葉さんが絶対に確認しないといけない決まりができていた」「全てを否定されるので、逆らうと音楽制作に影響が出るので流していた」「ライブで見ている景色はずっと変わらないのに、『金が厳しい』と言われた時に、自分の中でズレが生じた」「現場の空気が重くなるくらい毎日辛かった。全てにおいて“洗脳”されていました。逆らえば音楽制作が止まってしまう恐怖がありました。」
と語りました。
aikoさんは、千葉篤史被告から事務所の経営が苦しいと言われ、合計4億6,000万円を事務所に貸していたそうです。
不正行為を千葉篤史被告に確認したことは?と問われると、「被告の支配下にあり、音楽を続けられなくなるかもしれないと思い聞けなかった」
と答えました。
事件を知った時の心境については、「最低だなと思った。絶望したし、自分の音楽を否定されたような気持ちになり、すごく悔しかった。」
などと語り、「心の底から反省してほしいです」と訴えました。
aikoさんは裁判で「今音楽を続けられていて、本当にホッとしています」とも語り、裁判後には自身のX(旧ツイッター)を更新し、「みなさん色々心配させてもてごめんね。私は元気です! ありがとう。」
と投稿しました。
<↓の画像が、裁判出廷後のaikoさんのX投稿写真>
そして、aikoさんの“育ての親”が起こした事件に対してネット上では、
- aikoは経理については当然ド素人だし、こういったスキはあったんだろうな
- 大谷もaikoもミスチルも稼ぐ人はお金のキャッシュフローを確認しないと詐欺師に騙される
- 成功したミュージシャンが個人事務所を立てて独立するとき、また信頼している知人にマネージメントを預けるとき、必ず出てくるのが「カネ」の問題。
長年苦楽を共にして心から信頼していたはずの人間が背任をしてしまう。カネは時に人を変えてしまう。裏切られたミュージシャンも、信じていたファンも、みんな辛い。。。 - aikoの21年のアルバムの曲で『ばいばーーい』ってのがあるんだけど、珍しくネガティブなトゲのある曲なんだよなぁ
一応aikoだからラブソング風にはなってるんだけど、それにしては今までに無い極端に強い歌詞なんだよね~
aikoは別れた男にそこまでごちゃごちゃ言うタイプではないから、このことだったのかもと思わせる
※歌詞一部抜粋「だったらお願い今すぐ全部返せよ」「両方上手に神様にバレない様に頼んでたの?」 - aikoさんが昔の雑誌インタビューで、契約関係もまわりを信用していて最初はきっちり結んでいなかった、みたいに答えていたことがありました。
そういう天才肌の隙間に介入して本人を裁判に出廷させ、証言させるような事件を起こした千葉ってひとは、酷いな。 - ずっと信頼していた人に裏切られるなんて、どれだけ辛かっただろうと思う。
被害額は立件されているよりずっと大きいと思う。aikoや関係者ファンに対して、贖罪の気持ちを一生持ってほしい。
などの声が上がっています。
千葉篤史被告は元々、aikoさんが所属するレコード会社『ポニーキャニオン』の有名プロデューサーで、山下智久さん主演の『劇場版 コード・ブルー』、山田孝之さん主演の『闇金ウシジマくんシリーズ』などでも音楽プロデュースを担当していました。
そんな被告は2019年に週刊誌『週刊文春』によって、背任疑惑で諭旨退職していたことを報じられていました。
2017年にポニーキャニオンの執行役員に就任後、2019年には取締役に昇格予定だったそうですが、監査会社の調査により約10年前からaikoさんの個人事務所の役員を務めていたことや、実質的な経営者で株主だったことが判明したといいます。
そして、aikoさんとポニーキャニオンの契約内容を自由に決められる立場にあるのは職務規定違反にあたるとして、2019年8月に諭旨退職処分になったとしています。
懲戒処分を受ける直前に、aikoさんの活動から身を引くことも決まっていたとのことでした。
それから2年後に刑事告訴され、会社法違反(特別背任)の罪に問われているものの無罪を主張しているのですが、文春の取材によれば被告の暮らしぶりはかなり派手で、3,000万円はくだらない高級車を乗り回し、東京・渋谷区内の高級マンションに暮らすなどしていたため、関係者からは「なんで音楽会社の社員があんないい暮らしできるんだ?」との声が上がっていたとしています。
また、aikoさんが今日の裁判で「洗脳されていた」などと証言した理由についてですが、週刊文春によると、被告はaikoさんに寄り添い続けて人気歌手に育て上げた一方で、自分と意見が合わないスタッフをaikoさんから遠ざけ、自分に依存するように仕向けていたなどと、被告を直接知る音楽業界関係者が証言しています。
aikoさんとしては長年信じていた育ての親に裏切られ、精神的なダメージは相当大きいとみられますが、引き続き周囲のサポートを受けて歌手活動を頑張ってもらいたいですし、被告には罪が事実ならば深く反省し、しっかりと罪を償ってほしいものです。