8月22日21時から23日早朝6時にかけて、静岡県富士宮市の富士山麓のキャンプ場・ふもとっぱらで「10万人オールナイト・ライヴ2015 in 富士山麓」を開催した歌手の長渕剛さん(58)。
長渕さんがオールナイトライブを開催するのは、2004年8月に鹿児島・桜島で行った「桜島 ALL NIGHT CONCERT」以来11年ぶりのことで、会場に集った10万人のファンは大きな盛り上がりを見せていたと各スポーツ紙などによって報じられていましたが、実際にはトラブルだらけだったようです。
まず長渕さんはオープニングでヘリコプターで登場したものの、会場後方の上空でホバリング(ヘリコプターが空中で停止すること)した際、直下の救護テント2張が風圧で壊れてしまい、中にいた女性看護師2名が負傷。
そして、本編のライブでは約9時間半にわたって44曲を熱唱し、ファンと一体となって大きな盛り上がりを見せてことは確かなのですが、ライブ終演後にリストバンドに記載されたカナ順に退場させる規制がアナウンスされ、6時半からア行の人の退場が始まり、9時からカ行、11時半からサ行、13時から全ての人という事になっており、後ろの方の人は6時間以上もその場に待機させられることに。
また、あらかじめ早い段階から帰路に就いた方もリストバンドの順番を強いられる事になり、最寄りの駅に向かうシャトルバスに乗せてもらうことは出来ず、一部の方は歩いて帰ろうとしたものの警備員に呼び止められ、うまく抜けだしたとしても、最寄り駅まで山道を5時間以上も歩くことになり、八方ふさがり状態。
こうしたことに会場のファンもイラ立ち、場内スタッフ等に猛抗議する人が続出し、この押し問答によって出口が塞がれて更に退場の時間に遅延が発生し、リストバンド「イ」の人でも2時間近く待たされたようです。
この他にライブ後の場内はゴミの散乱が酷く、一部のファン等が声を掛け合いゴミ拾いを始めていたものの、その真横をイベントスタッフが手伝いもせず続々と専用バスに乗り撤収したことによって「客に仕事させて置いていくな!」という罵声も飛んでいたといいます。
そうした中で体調不良で倒れる方も相次ぐ状況となっていたのですが、到着した救急車はごく少数となっており、ある若い女性が顔面蒼白の状態で「40分待っても救急車が来ないので、タクシーを呼んでもいいですか?」とスタッフに懇願したものの、「シャトルバスのみです」と冷たく断られていたそうです。
そして、バスの運行も更に遅れが発生し、ライブが終了してから10時間経過しても乗れない人々が列をなし、帰宅者用に残されていた仮設トイレ16のうち半数が途中で使用不可能になり行列となったり、フードコートも材料が無くなったのか途中で閉店し、その店員たちはいつの間にか帰っており最悪の状態だったといいます。
スポーツ紙には、大成功などと報じられていたライブでしたが、実際にはそうとは言いがたい状況にあり、さらに「ソロ歌手の1公演あたりの動員数として史上最多記録を達成した」と報じられていたものの、ヤフオクでは1万5,000円のチケットが“981円”で落札されたり、3枚セットのチケットが30,000万円即決で出品され“121円”で落札されていたことも明らかとなっており、実際の入場者も5万人に満たなかったと言われています。
長渕さんはこのライブをどうにか成功させるため、7月頃からメディアへの露出が激増し、さらに無料通信アプリ「LINE」の無料スタンプを出すなど、積極的な宣伝活動を行っていましたが、このような散々な状況になっていたことを知り長渕さんは一体どのように思っているのでしょうかね。
一部では、今後このような大規模なライブは開催せず、小さな会場で全国行脚の旅をして、第一線から退くつもりなのではなどと報じられていましたが、もしまたこのようなライブを開催する場合には、2度とこのようなトラブルが発生しないよう、しっかりと対策を講じてほしいものです。