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パラアーチェリー重定知佳がライバル選手を匿名で中傷し炎上。日本身体障害者アーチェリー連盟にも問題、対応遅く批判相次ぐ

重定知佳選手がパリパラリンピック出場辞退。小野寺朝子選手を誹謗中傷し裁判沙汰、JPCがコメント発表。

29日に開幕するパリパラリンピックで、2大会連続でアーチェリー日本代表に選出されていた重定知佳選手(しげさだ・ちか 41歳)が、代表を辞退したことが23日に発表されました。

重定知佳選手は、パラアーチェリーのライバル・小野寺朝子選手(おのでら・あさこ 48歳)のブログに匿名で、「いい加減もう東京パラも無理だし代表入りも無理なの気づきませんか? 悪あがきもほどほどにした方がいいですよ」などの中傷コメントを書き込んでいたことが判明し、小野寺選手から名誉毀損で民事提訴され、今月に入って東京地方裁判所は重定選手の名誉毀損を認め、約124万円の支払いを命じました

<↓の画像が、重定知佳選手が匿名で書き込んだ中傷コメントの写真>

重定知佳選手はこの判決を不服として20日付で控訴したのですが、『日本パラリンピック委員会(JPC)』によると、東京地裁の判決を受けて9日に『日本身体障害者アーチェリー連盟』に対して、国際大会への派遣規定に抵触する可能性がないかの確認を指示し、連盟サイドからは派遣に問題無しとの報告があったといいます。

<↓の画像は、東京パラリンピック出場時の重定知佳選手の写真>

しかし、JPCサイドは国際大会の選手派遣規定「スポーツの高潔性を脅かす行為に関与してはならない」に抵触する可能性があると判断し、21日に双方の弁護士も同席のもとで重定知佳選手に事実関係の確認などを行い、処分内容などを検討していたところ、22日に本人から代表辞退の申し出があり受理したとのことです。

これによる代表選手の入れ替えはないほか、重定知佳選手は上山友裕選手(37)とのペアで混合種目にも出場予定でしたが、これも取り止めとなりました。

JPCの森和之会長はこのトラブルを謝罪したうえで、「今回の事案は大変残念であります。名誉毀損や誹謗中傷は、いかなる場面においても断じて許されるものではありません。今後、JPCは再発防止に向け、より一層スポーツインテグリティを高める取り組みを実施してまいります。」などとコメントしています。

そして、重定知佳選手のライバル選手に対する中傷行為、そしてパリパラリンピック出場辞退に対してネット上では、

などの声が上がっています。

被害者の小野寺朝子選手は一審判決を受けた後に、ニュースサイト『弁護士ドットコム』や『ピンズバNEWS(双葉社)』のインタビュー取材に応じ、重定知佳選手による誹謗中傷問題などについて語っています。

<↓の画像が、誹謗中傷被害を受けた小野寺朝子選手の写真>

重定知佳選手による誹謗中傷行為が始まったのは2019年12月ごろからで、発信者情報開示請求によって匿名の書き込みが重定選手と判明したのは、東京パラリンピックから約1年後の2022年6月だったといいます。

ただ、この時点で損害賠償請求までは考えておらず、まずは日本身体障害者アーチェリー連盟に重定知佳選手による行為を報告し、同連盟は競技者等の行動規範で名誉毀損行為を禁じていることから、懲戒請求を申し立てたそうです。

2022年7月には名誉毀損罪で刑事告訴していたものの、これを取り下げることも視野に入れていたそうですが、その後の大会で重定知佳選手と対戦した際にも謝罪の言葉はなく、国内外の様々な大会への出場を続けていたことから、名誉毀損を確定するため同11月に民事提訴したといいます。

一方、重定知佳選手も情報開示によって自身に関する情報を、所属団体や勤務先などに伝えたことは名誉権またはプライバシー権の侵害だとして反訴し、損害賠償の支払を求めましたが、東京地裁は権利侵害にはあたらないとの判決を下しています。

また、小野寺朝子選手の刑事告訴に対して東京地方検察庁は2022年12月に、重定知佳選手を不起訴(起訴猶予)処分としています。

この一連の問題に対して日本身体障害者アーチェリー連盟は、裁判中であることを理由にこの問題に対して何も対応をしてくれなかったといい、JPCに関しても「こちらからも日本身体障害者アーチェリー連盟へと通達します」と繰り返すばかりで、処分に向けて動いてくれなかったとのことです。

こうした一連の経緯を見ると、重定知佳選手の行為に問題があったことは間違いないとして、連盟やJPCの対応にも大きな問題があったことが分かりますし、代表取り消しに関してもあくまでも本人から辞退を受けてのもので、現時点では何も処分は下していない状況にあり、ネット上では批判が噴出しています。

連盟サイドは、まだ裁判中だとして重定知佳選手に対する処分を検討していないのだろうと思いますが、連盟の行動規範で名誉毀損行為を禁じているわけですし、重定選手の控訴が棄却された際には相応の処分を下すと共に、再発防止に向けた対策を講じていってほしいものです。

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