バレーボールの元全日本代表で、“パワフル・カナ”の愛称で親しまれていた大山加奈さん(38)がブログやインスタグラムを更新し、双子の長女と次女をベビーカーに乗せて都営バスに乗車しようとするも、扉を開けてもらえず“乗車拒否”されたことや、乗降時にバス運転手が一切手助けしてくれなかったことへの不満等を綴り、ネット上で波紋を広げています。
大山加奈さんは2015年9月にメディカルトレーナー・柔道整復師の緒方勝さん(43)と結婚し、体外受精により妊娠、昨年2月に予定帝王切開で双子の長女と次女を出産しました。
<↓の画像は、大山加奈さんの家族写真>
そんな大山加奈さんは自身のブログやインスタグラムで家族写真を公開したり、育児に関する様々な投稿をする中で7日に、【バスに乗れなくて泣いた日】と題して、双子を連れて公共バスを利用しようとしたところ、乗車拒否などを受けて涙を流したことを明かしました。
大山加奈さんは長文で事の経緯を説明し、後扉からバスに乗り込もうとするも扉を開けてもらえず、そのまま走り去ってしまったとし、バス停で並んでいた人から「次はわたしが運転手さんに言いますから」と声を掛けてもらい、次に来たバスは扉を開けてはくれたものの、「歩道の段差とバスのステップまで大きな溝が…歩道から直接バスに乗り込むというのも無理な距離だし一度車道に降りる幅もないというどうにもならない状況」
だったといいます。
しかし、その状況でもバス運転手は手助けしてくれず、大山加奈さんは1人でベビーカーを持ち上げ、バスに乗ることができたそうです。
<↓の画像は、2人乗り用ベビーカーを利用している大山加奈さんの写真>
その後目的地に到着し、降りる際には声を掛けてくれた女性に手伝ってもらい、なんとかバスから降りることができたものの、その時も運転手は手を貸してくれなかったとのことです。
これに対して大山加奈さんは、「悲しくて悔しくて…乗客の女性の優しさが沁みて…色々な感情が込み上げてきて涙腺崩壊…泣きながらショッピングモールへと向かいました…これまで数々の修羅場を潜り抜けてきたのに なんでこんなことで泣いているのだろうって自分でも思いましたが 涙が全然止まらなくて…迷惑な存在だと思われたことがやはりとても悲しくて…あのバスが走り去る光景 思い出すとまた涙が出て来ます…バスに乗ってみようと覚悟決めるのにもすごく悩んで決意したのに…」
と綴っています。
<↓の画像は、二人乗り用ベビーカーに乗る双子の長女・次女の写真>
続けて、「そんな思い詰めること?!考えすぎじゃない?!とか色々言われてしまいそうだけど…今日だけでなく、出かける時には毎回色々シミュレーションを重ね、時には諦めたりと日々ものすごく気を遣っているのです。。。その積み重ねの中での今日の出来事で…晒すようでちょっと気が引けますが前回は東急バス 今回は都バスでした。どちらの会社も運転手さんは席を離れてはいけないというルールがあるのでしょうか?あるのであれば仕方のないことですが もう少し手を差し伸べてもらえたらありがたいなと。」
との思いを明かしています。
さらに、「でもきっとこれを書くとまた子連れ様とか双子ベビーカーで公共交通機関使うなとか言われるんだろうな。」とした上で、「公共交通機関って誰でもいつでも利用できるものではないんですかね。本当にもっと優しい世の中にならないかな。こんな思いをしている親御さんたちや車いすの方たちたくさんいると思うのです。だから批判も来るだろうけどこうして声を上げていきます!!こんな投稿ひとつで何か変わるかはわからないけれど…困っている人が少しでも救われますように。みんなが暮らしやすい社会になりますように。」
と綴っています。
そして、大山加奈さんの投稿に対してネット上では、同じく双子の子供も持つユーザーから共感や賛同の声などが上る一方で、
- 流石にバスに双子用ベビーカーは…
- 正直めちゃくちゃ邪魔だししゃあない
- ベビーカーだからって特別扱いされて当たり前だと思うなよ
- まわりが!国が!って人多すぎない?他力本願すぎ。
- さすがに邪魔だと思う。すまんがタクシーにしてほしい。なんでみんな周りが助ける前提なの
- 子育てしてて思うけど、何でもやってもらえて当たり前じゃなくて、こちらも努力したり配慮したり妥協したりするのが必要
などと批判的な声も多く上がっており、物議を醸しています。
ネットでの批判を受けて大山加奈さんはインスタグラム上で、「手伝ってもらう前提で行動するなという声が多数きていて…それ以外にも心ないコメントに心がやられそうでSNS開くのも勇気がいる状況ですが…子どもたちからのメッセージに救われる…そうだよね、頼っていいんだよね」
と投稿しています。
大山加奈さんは3月にブログやインスタグラムで双子を連れてバスデビューしたことを報告しており、その際にも乗降時などに大変な思いをしたことや、運転手が優しく声を掛けてくれたり、サポートをしてくれなかったことを明かしていました。
大山加奈さんが乗車拒否されたと明かした都営バスは、過去にも二人乗りベビーカーの乗車を拒否したとして問題になり、昨年にルールを改定し、二人乗りベビーカーも折り畳むこと無く乗車可能となっています。
ただ、すでに車イスやベビーカー利用者が乗車している場合や、混雑時していてベビーカーが通れない場合などには折り畳んでの乗車となるほか、「車内の通路をふさぐ、車内で転回できないベビーカーをご利用の際は、ご乗車をご遠慮いただく場合がございます。」
としています。
また、二人乗りベビーカーの利用者は、前扉から運転手に声を掛けた上で後扉から乗車することや、もし1人で乗車できない場合には乗務員が補助を行うと、東京都交通局の公式サイトに明記されており、東急バスに関しても同様の対応となっています。
そして、今回の問題を受けて複数のメディアが東京都交通局に取材を行っており、ニュースサイト『J-CASTニュース』の取材には、「お客様から乗車を手伝うよう依頼を受けておらず、車内も空いていたので大丈夫だろうと判断したと聞いています。しかし、お手伝いが大前提で、お客様の気持ちを汲み取るべきであり、配慮に欠けていたと思います。乗務員を指導しないといけないと考えており、この点につきましては、お詫びしたいと思っています」
と回答しています。
その後、東京都交通局は調査結果を発表し、1台目のバス運転手は大山加奈さんがバス停の看板に隠れていて気づかなかったとした一方、2台目のバス運転手に関しては大山さんが乗車後、ベビーカーを置くために座席を畳むという所定の対応を取らなかったことを認め、「対応が不十分だった。申し訳ない」と謝罪しています。
大山加奈さんは1台目のバスについて、後扉で待っていたものの、ドアを開けてくれなかったとしていて、運転手に声を掛けなかったことも問題だったと思います。
また、次に来たバスでは運転手が乗降時に補助してくれなかったとし、「困っていても運転手さんはスルー」だったと記していますが、運転手に声をかけて補助を求めたとは記しておらず、大山加奈さんは身長が190センチ近くあり、その背格好を見て運転手は補助に動かなかったとも考えられますね。
ネット上では、補助してもらうことを前提で公共交通機関を利用するな、といった厳しい声が上がっていますが、確かに出来る限りのことは自身で行うことが大切だと思いますし、その時の状況に応じてベビーカーの利用を諦めることも必要だと思います。
その上で、もし1人で手に負えない状況になった際には、周囲に助けを求めるという行動も重要だと感じます。
今回の件に関しては、大山加奈さんもベビーカー利用時の乗車マナーをしっかり把握していなかった可能性もあり、今後はルールを頭に入れた上で利用してもらいたいと思いますし、その上でこれからも様々な問題提起を行っていってほしいですね。