元横綱で貴乃花部屋の貴乃花親方(本名=花田光司 46歳)が25日、『日本相撲協会』に退職願を提出したことが明らかになりました。
貴乃花親方は書面で退職願の提出を発表し、「本日、公益財団法人日本相撲協会に対し、年寄を退職させていただく旨の退職届け及び、貴乃花部屋に所属する弟子、床山、世話人全員について所属先を変更させていただきたい旨の変更願いを提出いたしました。」
と報告し、25日17時から会見を行う予定で、退職理由もそこで説明するとしています。
<↓の画像が、貴乃花親方がマスコミに送付したFAXの写真>
貴乃花親方は24日に『貴乃花応援会』のサイト上に自身のメッセージを寄せ、「皆様長らく貴乃花を応援してくださりありがとうございました。厚く御礼申し上げるとともに、弟子たちを今後、末永く応援賜りますように何卒宜しくお願い申し上げます。」
と意味深に綴っており、『日本相撲協会』を辞めるのではないかという憶測が飛び交っていました。
<↓の画像が、『貴乃花応援会』に貴乃花親方が寄せたメッセージ写真>
退職理由については現時点では明らかにはなっていませんが、貴乃花親方は6月に総帥を務めていた「貴乃花一門」を離脱、一門は解散して無所属となり、相撲協会側は7月に行った理事会で、「全ての親方たちが5つある一門(出羽海・二所ノ関・高砂・時津風・伊勢ケ浜)のいずれかに所属する」ことを決めました。
なお、貴乃花一門に所属していた他の親方たちは相撲協会側に「阿武松グループ」への改称を申し入れ、承認される見通しとなっていたのですが、7月下旬に行われた理事会で、現存する5つの一門のうちいずれかに所属しなければならないと決め、旧貴乃花一門(阿武松グループ)は完全消滅することになりました。
こうした経緯で貴乃花親方だけでなく、他の親方たちも無所属になっていたのですが、27日開催の理事会までに5つある一門のどこかに所属しなければ、部屋取り潰しや協会員の資格剥奪などの厳罰が下される可能性がありました。
貴乃花一門に属していた各部屋の親方7人と、昨年12月に時津風一門を離脱して無所属になっていた3人の親方たちは、それぞれが二所ノ関一門、出羽海一門に加入することが事実上決定しました。
一方で貴乃花親方は、かつて所属していた二所ノ関一門などが受け入れに難色を示し、入門を拒否するような状況で唯一無所属の状態が続いており、メディアの取材に対しても「お答えできません」「答えにくいですね」などと質問を交わし、所属する一門が決まらないまま期限の27日を迎えようとしていました。
こうしたタイミング的にも、相撲協会側から厳罰を受ける前に、自ら身を引くという決断を下した可能性があるとみられているのですが、貴乃花親方の引退発表を受けてネット上では、
- とても残念。組織に潰された・・・と感じます。もちろん、自身の対応も問題だと思いますが。不器用すぎましたね。少しゆっくりして。今度は縛りのない環境で自身が思う相撲道を展開して頂きたいと思います。
- これで大相撲の衰退は避けられない。相撲協会のあまりに卑劣なやり方に相撲ファンは既に『大相撲』に対して魅力を感じなくなっている人々が多いはず。貴乃花親方も見切りをつけられたということでしょう。
- 貴乃花は組織人ではない。組織の中にいて改革は無理。これで良かったと思うよ。もう諦めるならそれでいいと思うし、外から壊す方法はある。新たな団体を作るのもよし。これで応援できる状態になった。横綱まで極めた人だからこれからが本当に楽しみだと思う。
- 今の相撲協会は本当に腐りきっている。いじめと同じだ。確かに貴乃花親方にも問題はあったかもしれないけれど、純粋に相撲を愛している人だと思うし、彼が相撲界に与えた影響は大きい。もっとやめるべき人はたくさんいるはず。白鵬も暴力事件を黙視しながら未だに横綱に居座っている。本当におかしい。
- とうとう退職してしまったか。協会の変革には必要な人材だと思うけど、疲れて諦めちゃったのかも。いい力士育ててるし弟子のためにも思いとどまって欲しいね。しかし、千代の富士といい貴乃花といい、功労者が冷遇されているのは残念。
- 過去に問題のある行動があったのは事実で、それは反省しないといけないとは思う。だけど、降格処分も受け入れて、一兵卒として再起を期していた矢先だっただけに、相撲協会が貴ノ花を追い込むためとしか考えられない『親方は5大一門に所属しないといけない』といったルール改正をしたことで、貴ノ花を退職にまで追い込んだことは、とても残念。相撲協会も、もっと多様な意見を取り入れる度量の大きさを見せてほしかったな。
- これで本当に貴乃花が廃業になるとすれば、協会はヤクザと変わらんと思う。勿論貴乃花にも非があるのは解るが、ルールを変えてまで追い込む必要が有るのだろうか、力士には『武士の情け』は無いのか。力士としての実績は申し分ないし、指導者としても中々のものだろう。コミニュケーションが下手だったり長いものに巻かれるのが許せないという性格だから相撲協会のようなある意味『黒い組織』に馴染めないのは解るが、多様性を認めない組織に未来はないよ。辞めたら足枷が無くなってとんでもない話が出てくるかもしれないね。そして大鳴戸親方のようにならなきゃ良いけど
などのコメントが寄せられています。
貴乃花親方は昨年のモンゴル人力士たちによる傷害事件がきっかけで、日本相撲協会への対応に不信感を募らせていき、両者の間には非常に深い溝が生じてしまい、さらにその後には弟子が付き人を暴行したという騒動も発生し、相撲協会の役員待遇から親方の階級の中では最も低い年寄に降格するなど、1年前から様々なトラブルに見舞われていました。
そして、最終的には相撲協会の少々強引な力技による押し出しを受け、潔く相撲協会から離脱を発表し、この展開に対しては、これまでの協会に楯突く行動から仕方がないという声も当然多く上がっており、組織の中にいる限りは当然の結果のようにも思いますが、寄ってたかって貴乃花親方を攻撃し、組織から追い出すまでの経緯を見ていて、相撲協会側のやり方もどうなんだろうかと思うところもあり、貴乃花親方には少し同情してしまいます。
貴乃花親方は現役時代に22回の優勝を果たし、兄の若乃花こと花田虎上さんと共に“若貴ブーム”を巻き起こして相撲人気を引き上げ、2003年に現役を引退した後には貴乃花部屋の師匠となり、これまでに様々な力士を育ててきました。
関取、指導者としても注目を集めており、これからのさらなる活躍に期待されていただけに、こうした結果を迎えてしまったのは非常に残念なことではありますが、これからどういった活動をしていくのか、引き続き見守っていきたいですね。