接骨院や歯科医院を使った組織的な健康保険の不正請求事件で、昨年11月以降に指定暴力団住吉会系組長・三戸慶太郎被告(50)や接骨院関係者ら20人以上が、患者の診療回数を水増しするなどし、診療報酬や医療費をだまし取ったとして詐欺容疑で逮捕されているのですが、警視庁組織犯罪対策4課は9日に詐欺容疑で、タレントとしても活動していた女医の脇坂英理子容疑者(37)ら2人を逮捕、同容疑で起訴されている歯科医師の重松武容疑者(58)、会社役員・早川和男被告(39)の2人も再逮捕したことを発表しました。
警視庁組織犯罪対策4課によると、脇坂容疑者は2012年11月~2014年9月にかけて早川被告らと共謀し、経営しているクリニックの患者の治療回数を水増しし、虚偽の診療報酬明細書を千葉県内と都内の8自治体に提出して、患者14人分の診療報酬として約155万円をだまし取った疑いが持たれています。
脇坂容疑者は2012年6月に千葉県船橋市に美容内科などのクリニック「Ricoクリニック」を開院し、翌2013年に東京都目黒区に移転。
<↓の画像が、脇坂容疑者が経営していた「Ricoクリニック」>
重松容疑者の紹介で診療回数の水増しなどの診療報酬の不正請求を始めたそうで、昨年11月にクリニックが閉院するまでの間に、早川被告らから紹介された患者に「ニンニク注射」や「プラセンタ注射」などを無料で行い、一度だけ受診した患者の治療回数を水増しして診療報酬の不正請求を繰り返していたといいます。
警視庁は、脇坂容疑者らがこの手口で1千人規模の患者役を使い、接骨院などから不正請求を繰り返していたグループとみているそうです。
不正請求の額については、2012年8月~2014年11月で総額は約6900万円分に上るとみているとのことです。
なお、脇坂容疑者は「弁護士が来るまで話しません」と認否を留保しているそうです。
脇坂容疑者は医師としてだけでなく、テレビなどのメディアに一時期多数出演し注目を集め、「5000万円の年収があるが貯金はゼロ。週1、2回ホストクラブに通って一晩で900万円を使った」などと告白していました。
捜査関係者によれば、脇坂容疑者は個人的な遊興費による借金があり、これによってクリニックの経営が苦しくなっていたといい、だまし取った診療報酬の一部はクリニックの運転資金と遊興費に使われていたとみているとのことです。
昨年10月頃からタレント女医がこの診療報酬不正請求事件に関与していると一部のメディアが報じ、脇坂容疑者のことなのではないかと大きな話題になっていたのですが、それから数ヶ月が経ち、ついに逮捕されたようですね。
脇坂容疑者は逮捕前日の8日にもインスタグラムとツイッターを更新しており、普段と何も変わらない様子なのですが、さんざん報道されていたにも関わらず、まさか自分が逮捕されるとは思っていなかったのでしょうか。
昨年11月には、『よしもとクリエイティブ・エージェンシー』に所属するピン芸人・しあつ野郎さんが患者役で関与していたと一部スポーツ紙によって報じられているのですが、この事件には患者役で多くの芸能人も関与しているという情報もあり、今後また大きなニュースになる可能性もありそうなので、引き続き注目したいところです。