大相撲の横綱・白鵬翔関(はくほう・しょう 36歳)が『日本相撲協会』の許可を得ること無く、東京五輪の柔道会場に無断で訪れていたことが判明し波紋を呼んでおり、芝田山広報部長が白鵬関の行動に激怒し、「横綱失格」などと強く非難したことで今後の対応に注目が集まっています。
白鵬関が7月27日に、東京五輪の柔道会場・日本武道館を訪れていたことは、『国際柔道連盟(IJF)』のマウリス・ビゼール会長のツイッター投稿で判明し、投稿された写真には白鵬関、マウリス・ビゼール会長、柔道男子73キロ級の金メダリスト・大野将平選手が写っていました。
<↓の画像が、東京五輪会場で撮影の白鵬関、大野将平選手、マウリス・ビゼール会長の写真>
モンゴル出身の白鵬関は『モンゴルオリンピック委員会』のアンバサダーを務めていて、2015年に同委員会と『日本オリンピック委員会(IOC)』がパートナーシップ協定を結んだ際の調印式にも出席しており、アンバサダーの立場として会場を訪れたとみられますが、外出する際にはまず師匠に許可を取るだけでなく、『日本相撲協会』への届け出も必要だったようです。
そのため、芝田山広報部長はマスコミの取材に対して、「勘違いということじゃなくて常識、非常識が全く分かっていないということ。決められたルールを守ってない。ルール破りの常習だよ。大きな問題だよ。(コロナ感染が)大変な状況なんだから。勘違いとは違う。そんな、やさしいもんじゃない。決まりごと、それも国の中の決まりごと」
と痛烈批判し、白鵬関の身勝手な行動に怒りをあらわにしています。
<↓の画像は、柔道会場で撮影の白鵬関と大野将平選手の別の写真>
さらに、「政府が無観客でと決めた。それで(それなのに)入っていて選手と写真を撮っているのが(SNSに)上がっている。だめでしょ」「(届け出は)行くのなら申請書を出して、こちらで審査しないといけない状況。例えば政府からの申請なら別だが、単なるモンゴル選手団からの要請では駄目でしょう」
と非難しています。
芝田山広報部長の怒りは収まらず、「組織委員会の何かをしているのか?やっているわけない。そこにいるのがおかしい。世間一般の方々に対して、無観客と言っているのに、そこに行くことが大きな問題であるということを、本人がどのくらい理解している気持ちがあるのか。そんな気持ちがないなら横綱としては失格ですよ」
と、この行動は横綱として相応しくない行動だと断じています。
また、名古屋場所後の『横綱審議委員会』では、白鵬関のガッツポーズや雄叫びなどの行為が問題視され、酷評されていたことにも言及し、「千秋楽の相撲内容、立ち居振る舞い、横綱としては目を疑うというくらいの話をしている。その後にこういう行動をしている。我々は勝手な行動を止められない。横綱としての立場も失格だし、協会員の立場も失格じゃないの?と言われてもおかしくなくなる。上が辛抱しているから、お前たちも辛抱しろと言えない」
などと語っています。
芝田山広報部長はこのように白鵬関の行動にブチギレ激怒し、「横綱失格」とも語っていたのですが、今回の件に対して東京五輪の大会組織委員会は無関係を強調しています。
3日の定例会見に出席したスポークスパーソン・高谷正哲さんは、「組織委の関係者としていらっしゃったものではない」と明言した上で、「NOC(各国・地域オリンピック委員会)関係者としては、会場にアクセスできる可能性はある」「どういった立場かは組織委では把握できていない」
としています。
また、東京五輪では新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、大会関係者と外部の人間の接触を遮断する「バブル方式」を導入していますが、白鵬関が大野将平選手等と接触したことは問題にならないのかについては、「(今大会はフィジカル)ディスタンスのルールが明示されており、アスリートに対しては、いっそうの配慮が必要。アクセスされるのであれば(接触)15分以内や2メートルの確保、マスク着用が求められる」「(注意や処分は?)組織委としては検討していない」
と回答しています。
そして、白鵬関の掟破りの行動などに対してネット上では、
- 相撲でも横綱としての品格問題もあるし、白鵬はちょっと問題あり。相撲協会での処分が必要
- もういいでしょう、引退で。もともとオリンピックで土俵入りをやるのが目標という話もあったし。
クビにする絶好のチャンス。新しい横綱もできたし、やりたい放題をするのも許すのも見苦しい。 - 右手のサポーターを凶器にして勝ち続けた反則横綱など、解雇して放逐すればよいでしょう。
国籍の問題など関係なく、競技に対するマナーが酷すぎます。当然親方にはしてはいけません。 - 相撲協会は問題行動を乱発した朝青龍に引退勧告をしたのだから、白鵬にも引退勧告をすべき。拒否するなら解雇が望ましい。
- 日本相撲協会は白鵬に対して苦情は言うが処分は出来ない弱い立場、理事長が白鵬の実績を縦にされれば黙るしかない
やはり他の協会のように外部の血を導入しなければ、この悪しき閉鎖された協会は変わらないだろう
この件は協会以外が口をはさむ問題ではないし、協会が解決しなければ白鵬のやりたい放題は永久に続く - これは大きな問題。いくら横綱と言えども、協会にも何ら断りもなく無観客と決まった会場に競技に無関係な者が入り込み、写真がSNSにアップされるとは。
横綱かどうかの前に人としての人格に問題があるとしか思えない。 - 広報部長がそこまで言うんだったらこれはタダの処分では済まされないだろうな。
場所後も変則立ち合いやひじうちで厳重注意を受けたばかりなのに、これは完全に協会はなめられているね。だから実処分でないと収まりつかないね
などの声が上がっています。
結局のところ、白鵬関はどのようにして柔道会場に入ったのかハッキリしていないものの、『スポーツ報知』が関係者に取材したところ、白鵬関は会場に出入り可能なパスを持っているといい、それを発行した側にも問題があるものの、一番は白鵬関のルールを完全無視した行動ですね。
『日刊ゲンダイ』がある親方に取材したところ、白鵬関が所属する『宮城野部屋』の宮城野親方も白鵬関が外出したことを全く知らなかったといい、協会に申請を出さなかったばかりか、親方にも外出許可を得ず勝手な行動をしていたようです。
白鵬関は以前から土俵内外での言動が問題視され、横綱としての品格を損なう行動によって協会から厳重注意等の処分を受けていますが、それでも行動を改めようとせずにやりたい放題な状況が続いていることから、今回の問題を受けて引退させるべきなどの声も上がっています。
芝田山広報部長も「横綱失格」だと怒りをあらわにしていますが、掟破りの問題行動に対して重い処分を下すのか否か、今後の対応を見守りたいですね。