世界最高峰の山『エベレスト』(標高8848m)の登山に挑戦していた登山家・栗城史多さん(くりき・のぶかず)が、21日に死亡していたことが確認されたと海外メディアが報じています。
記事によると、ベースキャンプで複数の情報が確認されており、キャンプ場で発見された栗城史多さんの遺体は空輸で運ぶ準備が進められているそうです。
栗城史多さんは2009年~2017年にかけて7回にわたってエベレスト登頂に挑戦しているのですが、いずれも体調不良やトラブルなどから失敗に終わっており、4度目の挑戦となった2012年にはキャンプ2地点で人差し指が重度の凍傷となり、それでも登頂を続けたことによって、2013年から2014年にかけて両手9本の指(右手親指以外)の第2関節より先を切断しています。
<↓の画像は、凍傷で指を切断した栗城史多さんの写真>
そんな栗城史多さんが4月17日に日本を出発して8度目のエベレスト登山に挑戦し、21日には登頂を予定しており、同日16時からネット番組『AbemaTV』でその様子が生中継される予定でした。
登山中の状況などは栗城史多さんはブログやフェイスブックで報告しており、YouTubeには動画なども投稿していたのですが、20日の時点では7400m地点まで到達していたものの、21日朝に更新したブログでは栗城中継班の更新として、「栗城は体調が悪く、7400m地点から下山することになりました。今後の行動は未定で、栗城が無事に下山して状況がわかり次第、お知らせいたします。」と発表されていました。
亡くなったことを伝えた海外メディアによると、栗城史多さんは4人のシェルパ(ネパールの少数民族、ヒマラヤ登山の支援を行うガイド)を連れて登頂を目指していた中で、何かトラブルが発生し亡くなられたようです。
そして、21日15時過ぎには栗城史多さんの公式フェイスブックやブログが更新され、「このようなお知らせになり大変申し訳ございませんが、エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました。」と発表がありました。
下山中に栗城史多さんとの無線連絡が途絶え、暗闇の中で探索をしたところ栗城さんが低体温症によって亡くなっている姿を確認したとのことです。
<↓の画像が、フェイスブックに投稿された栗城史多さんの死を伝えたコメント>
栗城史多さんの訃報を受けてネット上では、
- プロ中のプロの下山家だぞ ガセだろ
- 下山のプロが下山中に死ぬのか…
- AbemaTVで生中継するってCM打ってたけど…
- ついに魂になってエベレスト登頂したか
- 4人もシェルパ連れてるのに単独登頂するって言ってた大嘘つき
- いろいろ無謀すぎるんだよ そら批判もされるわな
- アベマもこんな詐欺師に金使うから赤字なんだよ
- まぁ何回やろうが登頂は無理だったし魂となって山と一体になれて良かったな
- 結局、山に登らずじまいで人生が終わったな なぜ、高地順応せず山に行くんだろう?なめてたのか?死にたかったのかな?
- プロ登山家は怪しい て一般人に教えた人生だった
などのコメントが寄せられています。
このようにネット上では厳しいコメントが数多く寄せられているのですが、その原因はこれまでの栗城史多さんの様々な言動にあります。
栗城史多さんは「日本人初となる世界7大陸最高峰の単独無酸素登頂に挑戦している」と語っているのですが、世界7大陸世界最高峰で酸素ボンベが必要とされているのは標高8000m超えのエベレストのみとなっています。
栗城史多さんはエベレスト登山をするにあたって「単独無酸素登頂と頂上からのインターネット生中継」を目指しているとしているのですが、今回も複数のシェルパを連れてエベレスト登頂に挑むなどしており、その言動に対しては有名登山家らからも批判的な声が上がっています。
この他にも様々な問題点があり、今回も含めて計8回のエベレスト登山に失敗し、ネット上では栗城史多さんは登山家ではなく「下山家」とも揶揄されています。
ちなみに、栗城史多さんは8度目のエベレスト登頂挑戦前にインタビューを受け、ネット上などで“下山家”などと揶揄されていることについて聞かれると、「下山家ね(笑)。でも…登山家は下山しないとダメですからね。失敗か成功かだけで世の中を見る“空気”って、果たして意味あるのかなと思います。」などと答えていました。
栗城史多さんはこの他にも色々な言動から批判を受けていたのですが、両手の指9本を失ってからもくじけることなく、エベレスト登頂を目指す姿勢というのは素晴らしいと思いますし、栗城史多さんのような方がいた事で登山に興味を持ったという方も多くいるのではないかと思います。
目標だったエベレスト登頂は最後まで叶わず、エベレストで亡くなるという最期でしたが、これからゆっくりと休んでほしいと思います。
栗城史多さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。