競泳女子の池江璃花子選手(いけえ・りかこ 18歳)が12日に自身のツイッター上で、血液のガンである「白血病」を患っていることを公表したことを受け、自民党の桜田義孝・五輪担当大臣(さくらだ・よしたか 69歳)が同日、「がっかりしている」「盛り上がりが下火にならないか心配」などと発言したことで波紋を呼んでおり、ネット上などでは大炎上状態になっています。
池江璃花子選手は複数の種目で日本記録を保持し、昨年のアジア大会では6種目で金メダル、リレー2種目で銀メダルを獲得するなど大活躍し、2020年の東京五輪でのメダル獲得にも大きな期待が寄せられていたのですが、12日に更新したツイッター上で、合宿先のオーストラリアから緊急帰国し検査を受けた結果、「白血病」と診断されたことを告白しました。
コメントの中では、「未だに信じられず、混乱している状況です。」と戸惑いを隠せない様子を見せながらも、「しっかり治療をすれば完治する病気でもあります。」「今は少し休養を取り、治療に専念し、1日でも早く、また、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張っていきたいと思います。」
と前を向いて治療に臨むことを明かしています。
<↓の画像は、12日に白血病を公表した池江璃花子選手の写真>
そんな池江璃花子選手に対して各界からエールの言葉が送られており、急性骨髄性白血病で過去に闘病生活を送っていた俳優・渡辺謙さんはツイッター上で、「今の医学を信じ、自分の生命力を信じ、前を向いて焦らずにしっかり治療に専念して下さい。祈っています。」
とツイートしています。
池江璃花子選手と同じ18歳の時に急性骨髄性白血病と診断され、骨髄移植を受けた元グラビアタレントで女優の吉井怜さんは、池江選手のコメントを見て、「前向きに治療していこうと考えていることがすごく伝わってきました。私はすぐにはそうなれなかったので、強い人だなと思います。目標に向かって、一日も早い復帰を願っています」
とコメントしています。
また、2016年に急性白血病と診断され、骨髄移植手術を受けて復帰したJ2リーグ『アルビレックス新潟』の早川史哉選手は、「強い気持ちで病と戦ってほしい」「誰かと比較せずに、池江選手のペースでしっかりと病気と向き合って進んでほしいのが一番の願い」
と語っています。
この他にも様々な競泳選手、政治家、タレントらが応援コメントを出している中で、桜田義孝・五輪担当大臣(国務大臣)は12日に記者団の取材に対して、「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている。早く治療に専念して頑張ってもらいたい。また、元気な姿を見たい。1人リードする選手がいると、みんなつられて全体が盛り上がるので、その盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」
とコメントしたとNHKが伝えています。
<↓の画像が、桜田義孝・五輪担当大臣の写真>
そして、このコメントに対してネット上では批判の声が噴出しており、
- 一番言ってはいけない言葉
- 人格を疑う
- 日本の恥、今すぐ議員辞職しろ
- この人、政治家としてどうなんだろうか。これから大病に立ち向かおうとしてる人に対して言える言葉ではない。人としてありえない
- 病気で苦しんでる人に、ガッカリとは何事だ!盛り上がりが下火になるとは、何だこの大臣は!
- アスリートを軽視してメダルのコマにしか見ない人物が五輪相とは。オリンピックに携わる資格が無い。この一言だけでも辞任してもらいたい。
- 一人の若者を、オリンピックの駒としてしか見てないような不適切な発言。本意ではないのかもしれないが、あまりに配慮に欠けた発言だ。閣僚はもちろん、政治家としても不適格。
- オリンピックを成功させるためにまずやることは現五輪相を交代させることだな。
などの声が上がっており、大炎上状態になっています。
桜田義孝・五輪担当大臣の発言に対しては立憲民主党の蓮舫副代表も、「この大臣はもはや論外。五輪を担う資格さえないし、人としてどうなの」と怒りをあらわにしています。
13日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)では、テレビ朝日報道局コメンテーター室解説委員・玉川徹さんが、「人間として見てんのかなっていう風に思うんですよね」「五輪担当大臣だから、そういう風なことを言うのが正しいと思って言っているのかもしれないですけど、まずは人間としてこの病気を何とかして欲しい。」
などと語り、司会の羽鳥慎一アナウンサーも、「人としてがっかりというコメントは、このタイミングでは出てこないなと思うんですけど」
と指摘していました。
今回のガッカリ発言によって猛バッシングを浴びることになった桜田義孝・五輪担当大臣は、サイバーセキュリティ戦略担当大臣も兼務しているのですが、昨年11月の国会答弁で、自分でパソコンは使っているのか質問された際に、「秘書とか従業員に指示してる。自分でパソコンを打つことはありません」と答え、他にも「USBが何であるかも分からない」「USBは穴に入れるらしいですけれども、分からないので、官僚に聞いてください」などと発言したことで物議を醸し、この発言はアメリカやイギリスの大手メディアにも報じられることになりました。
<↓の画像は、問題視された桜田義孝・五輪担当大臣の発言>
以前からこうした問題発言をしていたことによって、大臣には相応しくないという声は上がっていたのですが、池江璃花子選手に対する心ない発言によって大臣である以前に人として問題があるとして、より多くの批判が噴出しており、辞任を求める声も少なくありません。
18歳にして白血病という重い病気を発症し、本人もまだ受け止めきれていない部分がある中で、五輪担当大臣がガッカリ発言をしてしまうというのは非常に残念です。
桜田義孝・五輪担当大臣の発言内容からは、池江璃花子選手を思いやる気持ちなどは全く感じられず、こうした方が五輪担当大臣、サイバーセキュリティ戦略担当大臣を務めているというのは疑問ですね。