『東北楽天ゴールデンイーグルス』の安楽智大投手(あんらく・ともひろ 27歳)による後輩選手に対するイジメ・パワハラ問題を巡り、森井誠之球団社長(49)が30日に会見を行い、スポーツ紙に報じられた問題行為は「ほぼ事実」と認め、来シーズンの契約は結ばずに自由契約とすることを発表しました。
森井誠之社長は会見で、25日から全選手や監督・コーチ、スタッフらにアンケート調査を実施したことや、その結果をもとに各選手にヒアリング、安楽智大投手に事実関係の確認を行い、専門家から意見をもらいながら調査・確認を進めたことを報告した上で、「これまで報道がなされていた事象は、ほぼ事実と判明しました」と、イジメ・パワハラは事実だと明らかにしました。
続けて、「本人としても、『大変申し訳ない』と反省の弁を何度も述べており、被害者やファンの皆様に、直接自分の口で謝罪をしたいと何度も申し上げております。しかしながら、本件に関して、球団としては見過ごすことのできない重大な事象ととらえ、本日提出期限であります、保留選手名簿への記載をしないという結論にいたりました。」
と、契約更改交渉を見送り自由契約になることを発表しました。
安楽智大投手に自由契約とする方針を告げたのは29日とし、それに対して安楽投手は、「かしこまりました。自分としてはとにかく謝罪をしたい。社長も含めて皆様にはご迷惑をおかけしました。被害を与えてしまった選手たちに直接謝罪をしたい」
と謝罪の意思を示していることから、球団サイドは今後謝罪の場を設けることを検討しているといいます。
また、今日が提出期限の保留者名簿から外して自由契約となり、現時点で来シーズンの契約を結ぶ予定はないとしながら、引き続きサポートは続けていくといい、「彼の将来を全て否定するものではない。今後の行動、行い、我々の所属した選手なのでしっかり見てあげたい。本人が謝罪したいというのを全力でサポートする」
と森井誠之社長は語っています。
球団の説明によると、アンケート調査を受けたのは137人、回答率は92%で、パワハラ・イジメ被害を訴えたのは10人、問題行為を見聞きしたと回答したのは40人だったそうです。
今回の調査で確認されたパワハラ・イジメ行為の内容については、「押したという身体的な接触」「ロッカールーム内で下半身を露出させる」「食事の誘いを断ると深夜に電話をかける」「罰金という名目で金銭を徴収する」「『アホ』『バカ』などの暴言」
とし、平手打ちといった暴力行為は確認できていないといいます。
また、25日に『スポーツ報知』が報じた記事で、イジメが行われていた現場に田中将大投手(35)が居合わせたこともあったものの、「その状況を見て笑っていた」と話す選手もいると伝えていたものの、現時点で他の選手がパワハラ・イジメに関与したとの報告は無いものの、強い言動など改善が必要な事案は複数件あったとしています。
<↓の画像は、田中将大投手と安楽智大投手の写真>
そして、安楽智大投手のパワハラ・イジメ行為が事実認定されたこと等に対してネット上では、
- かわいそうに、こいつのせいで10人の未来ある若者がつぶされそうになってたのか
- 被害者に直接謝りたいというけど被害者側としては正直顔も見たくないと思うよ
- 40人も認識しててコイツを叱れない球団…
- たった1人にここまで荒らされる組織って、その組織にも問題あるわな
- こんな事態を黙認してた投手コーチもどうかしとるわ
- 球団が責任取れよ チームワークの競技だから連帯責任取るべき
- 当時の監督、コーチ、キャプテン、選手会長の責任は重い 安楽と被害者だけの問題ではない
- 見たって奴らがそのまま残れるのが違和感 見て見ぬふりで安楽を増長させた立場だろ
- 40人も見たり聞いたりしてたってのに、問題になったのはいまさらってこの組織やばすぎないか?
そんな大人数が隠蔽しようとしてたって普通の組織じゃ考えられんわ - 10人被害受けてて40人も見聞きしてたなら、全て1人だけでやったってちょっと不自然じゃないか 他にも加担してた奴いそう
- ベテラン、精神的支柱は大事だな 使えないベテランを拾う球団の気持ちがわかる
などの声が上がっています。
数々のパワハラ・イジメ行為が事実だと判明したからには自由契約とするのは当然です。
また、今回の調査で他の選手が関与したとの報告は無かったとのことですが、40人が問題を見聞きして把握していたと答えたといい、もし本人に注意などをすることなく、見て見ぬふりをしていた選手や監督・コーチ、スタッフがいたのだとすれば、何かしらの処分を下す必要もあるのではないでしょうかね。
スポーツ報知が名前を挙げている田中将大投手に関しては、週刊誌『週刊新潮』のWeb版『デイリー新潮』の記事でも大手紙の番記者が「自分の取材でもマー君が笑っていたのは事実ということでした」と語っています。
ネット上では、安楽智大投手が他の選手の背中を蹴っているに関わらず注意せず、そして田中将大投手もトレーナーの男性の頭に肘を当てる動画が拡散され物議を醸しており、他の選手たちに問題行為は本当に無かったのか、引き続き調査を行っていくべきだと思います。
ニュースサイト『NEWSポストセブン』の取材に応じた楽天の現役選手は、「これまでも安楽さんの言動について職員や関係者に訴えている選手はいたようです。そもそも球団職員や関係者がいる前でも行なわれていたので、ある程度は知られていた話なんです。でも、誰も真剣に注意をすることなく、一方の安楽さんは活躍を重ね、どんどんパワハラは酷くなっていった」
と証言しています。
こうした証言によって球団サイドも問題を把握しながら、見て見ぬふりをしていた可能性があり、球団の調査だけでは不十分なのではないかと思うので、第三者委員会なりを設置して問題の究明を行う必要があるように感じますね。