北海道札幌市で8日開催の東京五輪・男子マラソンで、17位の結果だったフランス代表のモルア・アンドゥニ選手(Morhad Amdouni 33歳)が、給水ポイントに並べられたミネラルウォーターのペットボトルをなぎ倒し、この行為が大きな波紋を広げる中で、アンドゥニ選手が自身のSNS上で釈明をしたもののバッシングが相次いでおり、ネット上では大炎上状態が続いています。
モルア・アンドゥニ選手は自身初の五輪出場となった東京五輪で、レース後半の28km地点に用意された給水ポイントでテーブルの上に並べられたペットボトルに手を伸ばし、すぐにペットポトルを掴むこと無くそのまま数十本なぎ倒した後、テーブル端の最後の1本を掴んで給水しました。
<↓の画像は、モルア・アンドゥニ選手の給水妨害疑惑シーンの写真>
この行為はライバル選手の給水を妨害する悪質な行為として物議を醸し、SNSを中心に動画や画像などが世界中で拡散され大騒動に発展しました。
海外メディアもこの話題を取り上げ、フランスのメディア『フィガロ』も、「東京五輪でフランス人ランナーが給水の際に、最悪の場合スポーツマンシップに反する不自然な振る舞いをした」「彼が問題なく最後のボトルをつかんでいることからも、彼の行動は意図的であるように思われる。間違ってやったことだと主張するのは難しい」「マラソンで競技者が喉が渇いたら、彼の後ろに行かないほうがいい」
などと伝えています。
また、オーストラリアのマラソン選手で、ロンドン五輪やリオデジャネイロ五輪に出場したベン・セントローレンス選手も、「アンドゥニが最後の1本を取る前に、水の列を全部倒してしまっている」と指摘しています。
このように給水妨害疑惑行為が物議を醸す中で、モルア・アンドゥニ選手は自身のフェイスブックやインスタグラムを更新し、「不毛な論争に終止符を打つ」として妨害疑惑行為に対する説明を行い、「激しいアップダウンと倦怠感の間で、僕は判断力とエネルギーを失っていた。そのなかで何とかボトルを掴もうと心掛けたが、落としてしまった。ボトルは鮮度を保つために水に漬けられていて、滑りやすくなるのは明らかだった。台の手前から1つ取ろうとして、かろうじて最後に取ることができたんだ。実際にやってみたら分かると思う」「僕は全員のことを尊重している」
などと語っています。
給水妨害疑惑行為に対して、モルア・アンドゥニ選手はこのように釈明しているのですが、これに対してネット上では、
- 流石にあれは故意だと思う。国を代表する選手であれば、あれは無いと思う
- 最初から最後の前まで倒してる時点でわざとやってる事を証明しているようなもの。何を言っても無駄
- 本当にかろうじて取れたのならパリに向けては給水の練習した方がいい。スポーツマンシップに欠ける。然るべき処分をしてほしい。
- 勝負が動く28km地点で信じがたい蛮行。他選手の転倒につながる危険な行為でもある。仏は自国の名誉にかけて、厳正な処罰を下すべきだろう。
- 最初の1本目からずっとなぎ倒してるよね。取ろうとしているのではなく、なぎ倒しているように見える。
なぎ倒されたペットボトルは周囲に飛び散っているし、右腕に力を入れていなければああはならない。
手のひらを広げ、腕でなぎ倒しているようにみえる。挙げ句、最後の1本だけをうまく取るって妙だし。 - これがフランス人は謝らないって言う事なのか?まずは謝ってから説明すればいいのに。言い訳から始まって自己弁護。これなら何も言わない方が良かったのでは。
- 明らかに最後の一本を取ってますから「故意」にやってますね。20本以上あったボトルを、通過する3秒足らずの時間で取れないはずがない
猛暑の中のマラソン、選手のスタミナやペース配分だけじゃなく、熱中症からの危険も害した、悪質な行為
などと批判の声が上がり続けています。
モルア・アンドゥニ選手の給水妨害疑惑行為を巡ってはネット上で、問題シーンのスロー映像なども作成されて検証が行われていますが、問題シーンのスロー映像を確認すると、最後の1本までペットボトルを掴もうとはせずに触れるだけで、ボトルを払い除けているように見える場面もあります。
そのため、モルア・アンドゥニ選手はボトルが濡れていたことで滑り、上手く掴むことができなかったと弁明しているものの、意図的にペットボトルをなぎ倒したのではないかと思われてしまうのは当然かと思いますし、ネット上では厳しい処分を求める声も少なくありません。
東京五輪のマラソンと競歩は気温を考慮して札幌で開催され、男子マラソンは30度以下の気温の中で行われましたが、湿度が70~80%と高温多湿な環境下だったことによって、このレースでは出場者106人中30人が途中棄権するという過酷なレースとなっていただけに、給水ポイントで発生したこのトラブルは大きな波紋を広げています。
しかし、ヤフー運営のメディア『THE PAGE』の報道によれば、現時点では『国際オリンピック委員会(IOC)』や『ワールドアスレティックス(国際陸上競技連盟)』が、この問題を調査したり、ペナルティを与えるような動きには発展していないとのことで、このままお咎めなしで騒動は収束へと向かっていくのでしょうかね…。